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底辺配信者だけどダンジョンで人気探索者を助けたら、なぜかやべぇ女として大バズりしてみんなから怖がられている  作者: 北町しずめ


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 ミヨリは両手の指を動かすと、獣がダンスでも踊るように綾乃を跳び回らせて、デーモンナイトにダメージを与えていく。


 それを見ていた天使は、忌々しげにミヨリを睨みつけてくる。両手を前に突き出すと、そこに魔力を集中させて光の槍を放ってきた。


:天使の魔法攻撃が!

:ミヨリちゃんを狙ってる!

:このままじゃまずいと気づいたか!


「問題ないよ」


 親指をクネクネと動かす。


 泣き叫んでる綾乃が力任せの一撃を打ち込み、デーモンナイトを仰け反らせる。その隙に、綾乃は特急列車のようなおかしな速度で走り出し、ミヨリを狙っている光の槍のほうに突っ込んでいく。


「ちょっ……!」


 勝手に動く自分の身体が、光の槍に迫っていくことに綾乃は瞠目する。


 多くの視聴者たちが驚愕のコメントを書き込む時間さえなく、綾乃は光の槍に衝突して、閃光を起こした。


 ミヨリを狙って飛んできたはずの光の槍が、真逆の方角である天使のいるほうにはね返っていく。


「…………!」


 敵に向かって撃ったはずの魔法が返ってきたことに、天使は美しい顔を引きつらせる。背中の両翼をひろげて水平に飛行し、戻ってきた光の槍をかわす。光の槍は爆音を立てて、壁面の粉塵を飛び散らせた。


:え? 光の槍をはね返した……?

:もしかしてあの目玉がいっぱいついた鎧は魔法を反射するのか!

:他人を操るだけじゃなくて、そんな能力までついてるのかよ!

:だとしたら魔法攻撃が主体のボスは、あの鎧だけで完封できるぞ!


 ガイくんについて、あれこれと考察するコメントが飛び交う。魔法反射の能力を見せることができてよかった。


「…………ッ!」


 あやうく自分の魔法攻撃をあびせられるところだった天使は憤慨すると、莫大な魔力を体外に放出する。


 あふれ出した魔力は、天使の周辺に数え切れないほどの光の槍を形成していき、その矛先がミヨリに向けられた。


:めっちゃ光の槍が出てきたぁ!

:なんて数だ!

:あんなのまともに食らったらひとたまりもねぇ!

:天使ちゃんがブチキレて本気になりおった!


「いっぱいあるね」


 夜空に輝く星座のように数多の光の槍を向けられるが、ミヨリはおびえるどころかむしろ楽しむように薄笑いを浮かべる。


「なっ……! まさかこの数を……!」


 綾乃が顔を青ざめさせる。


 天使は甲高い声をあげて、展開した光の槍を一斉に発射してきた。


 綾乃の悪い予感は現実のものとなり、身体が勝手に動き出すと猛スピードで激走した。飛来してくる無数の光の槍に向かって突っ込んでいき、体当たりをかましたり、跳びはねたりして、次々と鎧で反射していく。「うひゃあああああああああああ!」という叫び声がボス部屋に反響した。


 ミヨリはボタンを連打するように右手の親指を素早く上下に動かして、綾乃を光の槍にぶつけまくる。


:ムラサメちゃんがめっちゃ速く動いて、飛んでくる光の槍を反射しまくってるwwww

:速すぎて見えづらいが、高速でピョンピョン跳び回ってるっぽいwwwwww

:ムラサメちゃんを魔法に当てに行かせるんじゃねぇwwww

:なんかそういうゲームみたいになってるぞwwww

:実際ゲーム感覚で操ってるwwwww

:ホントだwww ミヨリちゃんボタンを連打してるみたいな手つきしてるwwww

:ムラサメちゃんが「うひゃああああああああああ!」って泣き叫んでるなwwww

:おおおおおおおおおおおおおおおい! なにやってんだああああああああああああ!!!(父より)

:お父さんが床をゴロゴロ転がってるwwww(母より)

:おとんwww

:ミヨパパあまりのことに床を転がるwwww

:確かにこれはムラサメちゃんの協力が必要だったwwww

:なんてイヤな協力プレイwwww

:二人の友情パワーwwwww


「心配しなくても大丈夫だよ。ムラサメちゃんは、わたしよりもダンジョンブレイドを先に進んでるんだし」


:関係ねぇだろwwww

:本当に関係ないwwww

:やっぱムラサメちゃんがダンブレを先に進んでること気にしてたかwwww

:ムラサメちゃんはあんまりゲームやんないって言ってたけどなwwwww

:あれが真のブレイドマスターの姿か……(遠い目)

:ちゃうわwwww


 無数の光の槍が反射されていき、その矛先が天使へと向けられる。


 まさかこの数を全てはね返されるのは想定外だったようで、天使は放心状態になって立ちつくしていた。


 デーモンナイトは全速力で駆けまわり、何発もの光の槍をその身にあびて天使を庇おうとする。だけど処理が追いつかず、飛んでくる全ての光の槍から天使を守りきることはできない。


 天使はハッとすると、翼をひろげて避けようとしたが、押し寄せてくる光の槍から逃れられなかった。立て続けに爆破が起きると、それに巻き込まれて身体が粉々に吹き飛ばされる。


 自らが放った大量の光の槍を受けて、天使は命を落とした。


:天使ちゃああああああああん!!!

:ボスに同情してて草

:天使ちゃん「え? ウソでしょ?」って顔してたな

:一斉に放った魔法攻撃がぜんぶ返ってきたからね!

:しかも泣き叫んでる女の子が体当たりでぜんぶ反射するという意味不明な状況www

:さすがのデーモンナイトさんでもカバーしきれなかったか!


 反射した大量の光の槍が爆ぜたことで、ボス部屋のなかに黒煙が立ちこめる。 


 天使を守ろうとしていたデーモンナイトは、光の槍を何発もあびたことで装着した鈍色の鎧が半壊し、全身におびただしい火傷を負っていた。甚大なダメージが入っているが、もうその傷を癒やしてくれる天使はいない。




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― 新着の感想 ―
中身がプリンシェイクになっちゃう。
うーん 天然最強系は色々見てきたけど 天然というより 人の心がない系だコレ
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