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底辺配信者だけどダンジョンで人気探索者を助けたら、なぜかやべぇ女として大バズりしてみんなから怖がられている  作者: 北町しずめ


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 感知スキルでルートを探りながらダンジョンを突き進むミヨリは、現れるモンスターたちを足元の影から伸ばした触手で瞬殺しまくる。短時間で『鋼鉄の審判』の第五階層まで降りてきていた。


:モンスターが次々と消し飛んでくwwww

:なんだこれwwww

:カメラに映ったと思ったら次の瞬間には消し飛ばされてるモンスとかいるんですけどwww

:モンスターたちからすれば恐怖でしかないな……

:相変わらずの無敵っぷりwwww


 コメントの流れが加速して視聴者たちが盛りあがっているので、ホッとする。


 ぐんぐんと伸びていく同接はいつの間にか十万人に達していた。これほどの数の人達が自分の配信を見ているだなんて、未だに信じられない。最近では同接が万超えするのが当たり前になっていて怖かった。


 スパチャをもらったことも影響して、変な汗が出てきそうだ。


 スマホ画面を見下ろしていたミヨリは、顔をあげて足を止める。


「……なにか聞こえるね?」


 数十メートル先から、激しい音が聞こえてくる。


:音?

:ホントだ! なんだか荒々しい音が響いてる!

:モンスターが暴れてるのか?


 足を動かして前進していくと、洞窟内に反響する音が次第に大きくなっていく。鋼の剣を振ったり、魔法攻撃が弾けたりする戦闘音だ。近くで探索者とモンスターが交戦している。


 やがてミヨリの視界が、大きな背中をとらえる。


:赤いクマさん!

:でっけぇ熊!

:ブラッディベアだ!


 ミヨリの目に映ったのは、その名の通り、血のように真っ赤な体毛におおわれたクマに酷似したモンスターだ。それが探索者たちと戦っている。


 ブラッディベアは後方から近づいてくるミヨリに勘づいたようで、獰猛な唸り声をあげて振り返ってきた。


「グガアアアアアアアアアアア!」


 そして唾液を飛び散らせて咆哮をあげると、ミヨリに向かって突進してくる。


:あっ……!

:クマさんこっちに来ちゃらめぇえええええええええ!!!

:↑モンスターの心配してて草


 殺意をみなぎらせて迫ってくる巨体の猛獣に臆することなく、ミヨリは無表情のまま右手を前に突き出す。中指を親指に引っかけると、眼前まで肉薄してきたブラッディベアに向けて、バチンとデコピンを弾いた。


 ドゴッ! ビシャ!


 至近距離で砲弾でも浴びせられたように、ブラッディベアの巨体が粉々に吹っ飛んでしまう。


:何度見てもすっげ……!

:だからこっちに来ちゃダメって言ったのにぃぃ!

:クマさあああああああああああん!

:今日もミヨリちゃんは神・神・神!(大親友)


 ミヨリはハッとする。


 襲いかかってきたからつい反射的に倒しちゃったけど、もしかしたら先に戦っていた探索者たちが撃破したかったのかもしれない。だとしたら悪いことをした。謝らないと。


「そ、そのモンスターの吹き飛び方は……!」


 聞き覚えのある声がする。


 前方に目を凝らすと、三人の探索者がこっちに近づいてくる。


 そのうちの一人は、白銀の軽装鎧を身につけて、鋼の剣を握っている綾乃だった。ブラッディベアを瞬殺したミヨリにギョッとしている。


:ムラサメちゃん!

:モンスターの吹き飛び方でミヨリちゃんだとわかるムラサメちゃんwwww

:先にもぐってたのにミヨリちゃんが速すぎるから追いつかれちゃったねwww

:最後まで逃げきれなかったか……

:ミヨリちゃんから逃げるダンジョン攻略じゃないからwww

:ムラサメちゃんだあああああああああああ!(父より)

:…………!!!

:え? なに?

:おとん……?

:ミヨパパどうしちゃったの?


「まさかこんなところでミヨリくんに出会えるとは思っていなかったよ!」


 他にも見知った人物がいた。ショートの髪に、温厚な顔つきをした女性。以前シルバーダスクの事務所で、少しだけ話をした神崎玲奈だ。


 綾乃と同じく、白銀の軽装鎧と鋼の剣を装備している。


 玲奈はミヨリを視認するなり、真夏のヒマワリみたいな笑顔を輝かせる。なんだか今にも抱きついてきそうな雰囲気なので、ちょっとミヨリは身構えてしまう。


:代表おるやん!

:なんで代表がダンジョンに?

:代表?

:玲奈さんのこと。シルバーダスクのクランマスターだからみんなに『代表』って呼ばれてる

:もう裏方に徹して引退したのかと思ってた!

:とっくに現場からは遠のいてるはず!

:小春ちゃんがいることも忘れないでくださいwwww


 それからもう一人の同行者は、見覚えのない女の子だ。


 ミディアムボブの髪に、つぶらな瞳をした可愛らしい顔立ち。細身の身体にまとっている白いローブが、女の子の呼吸にあわせて揺れていた。


「モ、モンスターがいきなり吹っ飛んで……て、手品?」


 さっきの光景が信じられないのか、女の子はパチパチとしきりにまばたきを繰り返している。




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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。明けましておめでとうございます! >手品 そうですね、手(で殴らずとも並みいる魔物を消し飛ばせる、種も仕掛けもない純粋なパワープレイだからある意味手)品ですね(白目 それでは今日…
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