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底辺配信者だけどダンジョンで人気探索者を助けたら、なぜかやべぇ女として大バズりしてみんなから怖がられている  作者: 北町しずめ


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 茂則の復活イベントが終了すると、二階にあがってミヨリの部屋に向かう。


 室内に設置されたテレビ台のなかには何台もゲームハードが仕舞われていて、棚には新品からレトロなものまでいろんなゲームソフトが並べられている。


 室内を見ると「ミヨリの部屋だな」となぜか当たり前のことを綾乃は確信を持った表情で言っていた。


 二人でクッションに腰を下ろすと、スマホを使って昔の玲奈の配信をアーカイブから見始める。今回は短めにまとめられたものを視聴することにした。


「それでこのときの玲奈さんがカッコイイんだ! このあとボスに追い詰められて窮地に立たされるんだが、どうやって切り抜けたと思う? なんとユニークスキルを発動させて、仲間たちとの迅速な連携によってボスを撃破するんだぞ!」


「……うん」


 配信を見始めた途端、にわかに綾乃のテンションが爆上がり。目を輝かせながら、頼んでもいないのに解説をしてくる。


 探索者たちのダンジョン配信を見るのが好きだとは聞いていたが、まさかここまでとは。


 正直言ってウザイというか、ネタバレをバンバンかましてくるのやめてほしい。ミヨリはげんなりしてしまう。


「今や伝説となったパーティの冒険だ! それがこうして配信として残されていること自体が一つの奇跡なんだ!」


 綾乃はいかに玲奈が探索者として素晴らしいのか、この配信の希少さについて声のボリュームをバグらせて熱弁してくる。


 ミヨリはあまり探索者のことは詳しくないので、玲奈のこともよく知らなかった。綾乃によると相当な実力者で、昔はかなり活躍していたらしく、伝説的な探索者として評価されているそうだ。


 あの人そんなにすごかったんだ。笑顔の似合う社長さんくらいに思っていた。


 現在の玲奈はトップクランのクランマスターで、裏方に徹するようになってからは配信をやめている。玲奈がいた伝説のパーティの冒険を見るためには、まだ残されたままの配信チャンネルのアーカイブから見るしかない。

 

 こうして綾乃みたいに胸を熱くしている人がいるのだから、なんだか玲奈が配信をやめてしまったのは、もったいない気がした。


 短めにまとめられた動画を見終えると、ゲームで遊ぶことにする。


 バズったお祝いに両親から買ってもらった新型のテレビは、以前のものよりも画面が大きくて映像が美しい。ゲームをプレイしているときの迫力はすごくて、その度に感動している。こんな素敵なテレビでゲームができるなんて幸せだ。


 だけどミヨリがゲームをはじめると、なぜか綾乃はソワソワしだした。さっきまでウザったいくらいにテンションが高かったのに、いきなり静かになる。


「あ、あんまり長居するのも悪いしな。そろそろお邪魔させてもらおうかな……」


 綾乃は上擦った声でそう言うと、逃げるようにしてそそくさと帰っていった。


 ミヨリは小首をひねりながら、そんな綾乃を見送った。




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