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第1話 旅的シェアハウス生活、開始!

 世の中の事情によって、僕、古谷(ふるや)直樹(なおき)が務めている会社も全社的にリモートワークを進めることになった。


 元々、事業拡大にともなって社員が増加中で、都心の本社オフィスはパンク寸前だったから会社としてもちょうどよかったのかもしれない。

 僕も周りに流されるように自宅でのリモートワークをはじめて、気が付くとコンビニに行くぐらいしか外にでない生活を送るようになっていた。


 起きている時間のほとんどを家で過ごし、ときおり買い物に出かけるとき以外は籠りっぱなし。まるで世界は自分の住むワンルームとコンビニとスーパーしか存在しなくなっちゃったんじゃないかって思えてくるくらいだ。


 そんな無味乾燥な日々が続く中で、あるとき、ふと思ったんだ。


 ……会社に行く必要がないんだったら、家賃の高い東京に住んでる必要ないんじゃないか?って。


 いままでは通勤の必要があったから通勤の便(べん)のいい都内に住んでいたけれど、会社に行かないのならそもそもこんなところに住んでいる必要もない。


 地方に行けばもっと家賃の安い場所もたくさんあるだろう。

 こんなワンルームじゃなくて、もっと広い家だって借りれるかもしれない。


 どうせ家に籠って仕事をするんだったら、もっと景色の良いところや、食べ物のおいしいところに住みたいな。


 そう思ったら、いてもたってもいられなくなってすぐに情報を集め始めた。

 そして、見つけてしまったんだ。

 じぶんと同じように東京の会社とリモートで仕事しながらも、地方を転々として生活を満喫している人のブログ。


 そのブログには、有名な観光地や雄大な自然の景色の写真がたくさん張られていた。

 狭いワンルームに籠りっぱなしの僕にとっては、どの景色もきらきらと輝いて見えた。


「これだ! 僕も、これやりたい!」


 そう、思い立ったら吉日。


 元々物の少なかったワンルームはすぐに引き払い、家財道具はすべてリサイクルに出してしまった。どうしても手放せないものは、まとめてトランクルームに預けてしまう。


 そして少しの着替えと、スマホにパソコン。それとわずかな私物をボストンバッグに詰めて、僕の旅的シェアハウス生活は始まったのだった。

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