もどかしいステータス
「おぃ、そこ子の姉ちゃん早くお金を出しな。そうすれば痛い思いをしなくて済むぜ」
「いやよ、あんたなんかにやるお金なんて全くないわよ。2対5なんて卑怯だとは思わないの?」
裏路地に行ってみると、二人の女の子が5人の男に囲まれていた。確かに卑怯だな、さてどうしようか後ろから殴り掛かりたいけどどうやら、悪行に含まれるみたいだ。全く体が動かない。しょうがない少し挑発して攻撃してもらうか。
「もしもーし女の子2人に5人で寄ってたかって、何やってるんですか?まさか5人いないと勝てるか不安なんですか~?」
「あ?なんだあんちゃん調子乗ってんじゃなねーぞ、文句があるなら殴り掛かってこいや」
あーそれじゃ困るんだよなぁ攻撃してもらわないと。あれ殴ろうと思っているのに体が動かせるぞ。相手の許可があれば殴ってもいいということか、なんだか曖昧だなぁまあ助かったしいいけど。
「じゃあ遠慮なく。あ、受け身きちんととったほうがいいかもよ」
「馬鹿にするなよ。お前みたいなヒョロヒョロのもやし男のパンチなんか聞くかよ・・・・ぐはっ」
筋肉質の男は壁まで飛んで行って、泡を吹きながら気絶してしまった。ほら言わんこっちゃない。ちゃんと忠告したぞ、うん力加減できなかったぼくに非はないはず。だってムカついたから。
「なめやがって、この男からやっちまえ」
やっと攻撃してもらえた。これで思う存分戦える。とりあえず飛びかかってきた男の顔面にパンチを入れて気絶させる。うわっ危なナイフもってるやつもいたか、ぼくじゃなかったら大けがだぞ。その男もパンチで意識を刈り取ってあげた。振り返るとさっきの女の子二人組がほかの二人をかたずけていた。なんだ強いじゃん、ぼく必要なかったんじゃ・・・
「ありがとうございました。たすかりました。私はライラ、こっちが妹のエミルよ」
「ふんっあんな奴ら、あんたがいなくても倒せたけどね」
「もうそんなこと言わないの、ほらエミルお礼をちゃんと言って」
「ありがとうございました」
「いやいいって、2人なら普通に5人相手でも勝てそうだったしね。変な奴らもたくさんいるから気を付けて、じゃまたね」
「待ってください、何かお礼をさせてください」
「お礼っていってもなぁ~あ、そうだ冒険者になりたいんだけどギルドってところで申し込みしないといけないんだけど・・・実は文字読めないし書けないから。手助けしてもらえませんか?」
「え、文字読めないのそんな人いるんだ」
「こら、すみません。それくらいのことでしたらもちろん同行しますよ」
この2人かなり似ているけど、性格は真逆なのかな。まぁいいかとりあえず、ギルドに向かおう。