騎士団の心構え
「本当にすまなかった」
「もういいですって、過ぎたことですから。ちょうど町に行きたいけど道がわからなかったので、ちょうどよかったです」
盗賊の仲間だと勘違いをされて、カリナ町というところに連行された。
騎士団長のセイヤさんが頭を下げてくる。盗賊団の仲間であるという疑いは、馬車の中の盗賊が気絶していたことや、手配書に僕の顔が乗っていなかったためだ。
セイヤさんの話によると、最近の盗賊は一般市民になりすまし潜伏していることがあるので、判別が難しいらしい。さっきの盗賊団は最近活動的で各地で盗みを働いていたがなかなか捕まえられず、困っていたらしい。捕まえた三人にも懸賞金がかかっていたらしく、金貨十枚を受け取った。これでとりあえずは生きていくことが出来そうだ。
「あの、この町の宿舎ってどこにありますか?」
「この建物を出て右にまっすぐ進むと、右手にサテライトという看板が見えてくるからそこが宿舎だよ。」
「ありがとうございます。では、また。」
セイヤさんと別れて、さっそく宿舎に向かうことにした。
「さてと散々な目にあったが、結果としてはお金を手に入れることが出来たわけだし。結果的には良かったかな。」
町をボーと歩いていると、町の人の視線が妙に僕に集まっていることに気が付いた。なんでだろう、僕の顔に何かついているのかな??
「ちょっとそこの君、いいかな?」
「ぼくですか?どうかしました?」
さっきひどい目にあったので、つい身構えてしまう。
「その珍しい服はどこで買ったのかね?」
なるほど・・どおりで町の人の視線が集まっているわけだ。