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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep3エレニア平原Act26野煙の果て

決戦は続く。


敵重戦車の突撃にミハル達は抗い続ける。

ミハルは約束の為に闘い、射撃を続けた。

敵重戦車に的を絞った。


((チキッ))


トリガーに掛けた指を引き絞る。


((ズグオオオォーンッ))


魔鋼弾がKG-2の砲塔へ向けて放たれた。


砲塔側面に穴が開く。


((バッガーアァンッ))


砲塔が爆発を起してハッチから炎と煙が噴出した。


「後一両っ!続けて撃てっ!」


炎上する車体の奥に居るもう一両に照準を合わせて、


「ラミルさんっ、撃破した車両が邪魔で斜線が合いません。少し退がってください!」


ミハルがラミルに指示を出す。

数メートル退がると車体前部側面が十字線上に現れ・・・


「停車、撃ちますっ!」


ミハルは車体の揺れが収まると同時に射撃した。


((グオオオォームッ))


狙い違わず側面前部を撃ち抜く。

砲弾が敵操縦員を負傷させたのか駆動系を壊したのか解らないが動きが停まった。


「まだ敵は生きている。砲塔旋回を停めていない。」


リーンが観測報告を入れ、


「ミハルっ撃破してっ、早くっ!」


あくまでバスクッチ車を撃とうとしている敵に今一度砲撃を掛ける様にミハルを急かす。


((グオオオォーンッ))


今度はもう少し見えているギリギリの線で車体側面を狙って弾を放つ。

流石に88ミリを2発も喰らったKG-2は沈黙した。


「よし、撃破。ラミルっ、バスクッチの応援に向うわ。戦車前へっ!」


左側で2両のKG-2と戦っているバスクッチ車の応援をする為に走り出させる。


「ミハルっ目標バスクッチ車正面の一両。射撃始めっ!」


リーンの命令でバスクッチ車に砲塔を向けているKG-2に照準をつける。


「距離3000、目標は側面を見せて停車した。

撃つなら今よ。ラミル停車、ミハル撃てっ!」


リーンの命令でラミルが停車し、ミハルがトリガーを引き絞り必中の弾を放つ。


((グオオームッ))


狙い違わず車体側面後部に命中する。


((ガガーンッ))


エンジンパネルを噴き上げ黒煙が上がる。


「よし、命中。後一両、最期の一両よ!」


キューポラで敵の炎上を確認し目標を最後の一両に合わせるリーンが。


「バスクッチ車と挟撃しよう。キャミー連絡して、敵車両の左右から撃とうって!」


マイクロフォンを押しながら連絡を取るように命じる。


「了解!」


即座に無線で連絡を執らせたのだが。


「バスクッチ車了解!但し、魔鋼弾切れだそうです。

魔鋼騎状態から戻って75ミリで撃つみたいです!」


キャミーが少し心配そうな顔でリーンに伝える。


ー  魔鋼弾を撃ち尽くしていたのか。道理で2両を倒せなかった訳だ・・・


納得したリーンも普通状態になるのを心配すると。


「ミハルっ、私達だけで倒そう。

キャミー、至急バスクッチに連絡して魔鋼状態を維持する様に。

私達だけで倒すからって!」


心配顔だったキャミーが直ぐに無線でその旨を報じた。


「私達だけで倒すから、装甲が薄くなる普通状態には戻らないで。危険だからっ!」


バスクッチ車へ連絡を入れて、


「ミハルっ早く倒して!お願いっ!」


振り向き様にミハルに叫んだ。


ー  了解!少尉の事だ、絶対私達だけに闘わそうとしないだろうしね


最後の一両に照準を合わせながらバスクッチがアルミーアと共に射撃しようとしていた。

ミハルはそれを察知して、バスクッチ車が普通状態になる前に撃とうと指をトリガーに掛ける。


「あっ!馬鹿っ。なんで普通状態に戻るのよ!」


リーンが血相を変えた声で叫んだ。

その声と同時に十字線上に捉えた敵に射弾を送り込む。


((ズグオオオォームッ))


魔鋼弾が放たれ、KG-2の砲塔側面に向って弾が飛んだ。


ー  間に合えっ!


敵がバスクッチに砲弾を放つ前に命中する事を皆が念じる。


((ガッ バッガアァーンッ))


バスクッチ車に狙いを付けていた砲塔が噴き飛び最後の一両もミハルの手で撃破された。


「ふう。何とか間に合ったわね」


リーンが一息吐いて胸を撫で下ろして、

キューポラの天蓋を開けて頭を出し、周りの確認を始める。






漸く激しかった戦いにも一時の終焉が訪れる。


バスクッチ隊の生存者を後方へ送り届ける為、一度補給を受けに陣地へ戻る事にした第97小隊。

後退するバスクッチとリーンの2両に危険な影が眼を光らせていた。

次回 危険な影

君は生き残れた重戦車同士の闘いに・・・

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