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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep3エレニア平原Act5エレニア戦車戦第1次攻撃前編

挿絵(By みてみん)


いよいよ闘いが始まった。

マチハは敵の攻撃に魔鋼騎へチェンジして闘う。

敵味方入り混じる戦場で・・・

再び荒野に鋼鉄の嵐が吹き荒れていた・・・



「右舷4時の4号炎上!撃破されました!」


キャミーが振り返って叫ぶ。


「敵M3型3両、左舷から近付く。後方にM4型数両を伴っています!」


ラミルの観測情報がレシーバーから流れる。


作戦開始から僅か10分で敵味方入り混じっての大混戦となっていた。


決死の勢いで味方軽戦車が突入し、射撃を繰り返す。

それに慌てた敵が軽戦車に合わせて突っ込んで来た為に敵の陣形が崩れた。

そこへ中戦車隊も突入を開始して、激しい撃ち合いが始まってしまった。


「ミハル!もうやるしかないわ。魔鋼騎にチェンジっ!」


リーンの必死な声が耳を打つ。


「はいっ!中尉。ミリアっ魔鋼機械作動っ!」


装填手のミリアにボタンを押すように命じるミハルもまた、必死だった。


「発動っ!」


ミリアが左手に填めたグローブで赤いボタンを叩く。


((ブォン))


リーンとミハルの力を受けて魔鋼機械が音を立てて発動し、車内を碧い光が満たした。


リーンの盾の力とミハルのいにしえの力が交じり合い増幅してマチハを変える。

青く輝く車体の紋章。

<双璧の魔女>を模った2人の魔女を表す紋章が浮き上がる。


車体が大きく、力強く変わる。

装甲が増し、砲が長大化する。

以前に変化した時より2人の力が上がったのか、更に装甲が厚く、砲身が長くなる。


マチハの変形を見た仲間の車両が集まりだした。


「右舷、2中隊本車に続行するとの事です!」


キャミーがレシーバーに手を当ててリーンに報告する。


「左舷3中隊、此方に近付きます!」


ラミルが観測報告を入れる。


「シェルツェンが消えたみたいです。側面スリットから見張りが利く様になりました!」


ミリアが装填手側スリットを確認して、状況を報告する。


「キャミー、2・3中隊に連絡!本車に続けと。敵に一泡吹かせてやろうって!」


リーンのセリフにニヤリと笑ったキャミーも笑い返す。


「了解!」


親指を立てて復唱した。


「ラミルっ前方左舷のM3に向けて突撃開始!」


リーンの命令を受けて走行レバーを操り、車体を左に向けるラミル。


「目標、敵M3。突撃しますっ!」


瞳を前方に向けて叫んだ。


「ミリア!魔鋼弾装填っ、ミハルっ目標はM3じゃないわよっ。

 後方に控えるM4よっ、いい?」


リーンが命じる前からミハルは既に後方に停止してこちらに砲を向けているM4に気付いていた。


「中尉、距離2000で射撃出来ます。目標捕捉っ!」


ミハルの復唱に、


「よし、只今距離2200!射撃用意。

 ラミル、私が停車を命じたら少し左に舵を切って止まって。

 ミハル、停車と同時に射撃開始。敵M4を殲滅せんめつします!」


前方に展開する敵部隊を見てリーンの命令が飛ぶ。


「車長!第2第3中隊長より連絡。M3はまかせろって言ってます!」


キャミーの声がレシーバーを通して流れる。

ニヤッと笑ったリーンが、みんなに命じた。


「よーし、目標我々の前方に居る邪魔者。奴等に戦争を教育してやろう!」


命令の枠を超えた指示を出すリーンに皆が頬を緩める。


「車長!前方のM4の中に、長砲身の奴が居ますっ!」


キャミーがペリスコープの倍率を上げて報告する。

キューポラから頭を出し双眼鏡で即座に敵の正体を調べたリーンが。


「ミハル、M4の中に一両魔鋼騎がいるわ。

 第1目標に指定します。

 目標中央11時に居る紫色の紋章を光らせているM4。

 距離2000、停止目標につき、直接照準。魔鋼弾、射撃始めっ!」


リーンの指定したM4を照準器で捉える。

狙った敵魔鋼騎も、変化したマチハに照準を合わせてくる。


ー  敵のM4もこちらが強敵だと認識しているんだ。この勝負、負ける訳にはいかない!


ミハルの右指がトリガーに掛かる。


ー  こっちが停車するまでに発砲してくれたなら、一撃で勝負を決められるけど・・・

   向こうが走り出さない内に撃ち込む事が出来る!


照準器の中には捉えたM4が上下にぶれ続けて見える。


ー  車体の揺れが収まった時が発砲のタイミング


M4の前に控えているM3中戦車が距離1800で射撃を開始した。


((ドンッ カカーン))


至近弾がマチハの両舷で弾ける。


「敵M3に向けて後続中隊が射撃を開始しましたっ!」


キューポラで射撃タイミングを測っていたリーンの目にも、

M3隊に砲弾が飛んでいくのが見える。


ー  これで敵M4隊の熟練度が解る。

   M3隊を防御する為に発砲を始めるとするならば、

   少なくとも敵の指揮官は戦闘に慣れていない・・・


リーンの碧い瞳は敵M4隊に注視されている。


M3隊の一両が側面を抜かれて煙を吐き出し、動きが止まる。

残りの2両にも次々と砲弾が飛んでいく。


敵は味方の前衛M3のピンチに、遂に冒してはならない愚行に出てしまった。


「敵M4隊、味方4号に向けて発砲!」


「後続中隊、回避運動を展開!」


ラミルと、ミリアの声が同時にレシーバーから流れる。


ー  これで証明された。

   この距離で回避運動をする車両に命中させる事なんて不可能に近い。

   ・・・敵の指揮官はまだ戦闘に慣れていない・・・


リーンは敵の不慣れな指揮官の元で闘わねばならない隊員達の事を想って同情した。


敵魔鋼騎M4も命令を受けたのか、

味方4号に射撃しようと砲塔を旋回させ始めた。


ー  可哀想に。命令だとしても拒否すればいいものを・・・


リーンが敵に対して同情したのは一瞬だけだった。


「ラミルっ、ミハル!敵魔鋼騎M4に攻撃開始。停車!敵M4の砲塔側面を撃て!」


急ブレーキを掛けて左に少し車体を廻したラミルが叫ぶ。


「停車!左11時の方向!」


車体の停止と対面角度を報告する。

そのM4に狙いを付けていたミハルの右手がトリガーに触れる。


「直接照準!てぇっ!」


リーンの命令と共に、照準器の中で砲塔を廻しているM4にトリガーを引き絞った。


((グオオーォーンッ ガチャンッ))


射撃音と共に、薬莢が排出される。


赤い曳光弾がM4の砲塔側面に吸い込まれて、


((バッガーンッ))


M4の砲塔が衝撃で弾け跳んだ。


「敵魔鋼騎M4、撃破っ!」


目標の破壊を確認してキャミーが叫ぶ。



正面に陣取る敵中戦車隊に真っ向から挑むマチハ。


師団正面の苦戦が報じられ、孤立するのを恐れたリーン。

味方に後退する様に命じ、自分達が殿しんがりを務める事を覚悟する。


次回 エレニア戦車戦 第1次攻撃 後編

君は激烈な戦場で誰を護れるのか?

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