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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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第7章 永遠に紡がれる物語 Together Forever EP2The heart that hauled in手繰り寄せる心の行方Part6 

にゃ語を放つ女神?!


なんだよそれは??


復活したといえるのか??


まぁ・・・どうでもいいか(投げ捨て)

微笑ましい・・・のかどうか。


にゃんにゃん鳴く女神の姿に半分呆れて観ていた。

ケモミミと尻尾が付いた損な娘が涙を流して懐いている姿に・・・



挿絵(By みてみん)


「リーンにゃ!御主人様にゃ!やっと逢えたにゃ!嬉しいにゃ!」


にゃ語を話すミハルを抱きしめたリーンも閉口しているのか。


「ミハル・・・おすわり」


ぽつりと命じた・・・


(( ぽすん ))


リーンの足元に座り込んだミハルが眼を廻しながら。


「御主人様ぁー酷いにゃ!」


リーンの足元から訴えてくる・・・主人を見上げて。



<頭が痛いわ・・・>


二人を見詰めているミハエルが額を押さえて呟いていた。



「ミハル!良かったわね、此処でなら自分を取り戻せるのよ!」


座り込んだミハルの頭を撫でながら主人がペットに諭した。


「ホントにゃ?!御主人様とお喋り出来てるにゃ!

 ここって大魔王の術が通用しないのにゃ?」


<・・・うっとおしい>


ジト目でミハルを観るミハエルが苛ついて呟く。


「そうよミハル!ミハエルさんがこの特別な部屋を用意してくれたの。

 私も助けて貰った処なのよ、感謝しなきゃね?」


リーンがジト目で観ているミハエルに振り向くと、ミハルが猫目を潤ませて。


「そうなのにゃ?!ミハエルにゃんが?

 ありがとうにゃ!本当にありがとうにゃ!!」


思いっきりの感謝を告げたようなのだが。


「あのねぇミハル。にゃ語で言われてもちっとも感情が籠って聞こえないから」


「にゃにゃぁっ?!にゃぁあああ~っ?(ええっ?!そんなぁ~っ? 注・作者翻訳)」


<ええぃっ!うっとおし過ぎる!>


ミハエルの頬が引き攣った。


「どうやら私の下僕しもべは感謝の意を表しているみたいなのですけど?」


主人がペットを庇った。


<リーンも・・・かいっ?!>


ミハエルの我慢が限界に近付く。


「あなた達?今がどういう時なのか解ってるの?」


引く着く顔を二人に向けて、緊張感のない損な娘達に言い募った・・・のだったが。


「ええ、今迄の仕返しをどうやったら果たせるかですよね?」


「にゃぁーにゃぁー!リーンにゃにゃにゃぁ?(そうそう!リーンの言う通りだね?注・作者翻訳)」


リーンもミハルがペット状態に馴染んでしまっているのか。

ミハルもお座りさせられたままなのに馴染んでいるのか?

にゃ語を連発させても一向に気にしてはいないようだった・・・


・・・・ぴきっ


我慢の限界を超えた音がした。


「ああーっ!うっとおし過ぎる!リーン、ミハルを元に戻して!」


怒るミハエルにリーンとミハルが固まった・・・






「はいっ、ミハル。これで良いでしょ!」


リーンが術を解除させる・・・ペット状態を。


(( ぽわわ~んっ ))


ケモミミと尻尾が消えた・・・(残念 注・作者の意見)


「ふぇっ?!私・・・何をしていたの?」


座り込んだままのミハルが術を解除してくれたリーンを見上げる。


「やっと普通のミハルになったみたいね。髪の色とかはまだ染められたままだけど」


リーンが見下ろしながらもう一言付け加える。


「そんなエッチな下着をみせて・・・ぷぷっ!」


うぷぷと笑ったリーンの顔を見上げて、自分の姿に気が付いた。


「ひゃあぁっ?!これは・・・闇の女神となった姿なの!私の所為じゃないんだから!」


挿絵(By みてみん)



思わず前を隠して恥ずかしがるミハルの髪をくしゃくしゃ撫でて。


「そうよミハル!こんな姿にさせられた復讐を果たしてやらないとね!」


リーンがミハルを立ち上がらせて肩を抱き寄せる。


「闇の紋章もミハルが私のペットに戻った時に消えたから。

 私の生涯を掛けた魔法の方が大魔王の魔法に勝ったから・・・」


ミハルの胸に刻まれてあった紫色の紋章が跡形もなく消えていた。


「あっ、本当だ・・・消えちゃった。

 大魔王の術が・・・御主人様のおかげで破れたんだ!」


胸元を確認し、紋章が消えているのに感動を覚えたミハルがまたリーンに縋ろうとしたが。


「もうっ!乳繰り合ってる場合じゃないの!

 時間が限られているんだからっ、至急作戦会議よ!!」


横からミハエルが割って入って来た。


「そ、そうねミハエルさんの言う通りだわ。ミハルっこれからどうすればいいのかしら?」


ミハルを停めたリーンが頬に指を当てて考える。

抱き着くのを停められたミハルが少しだけ恨めしそうな顔をミハエルに向けたが。


「うん、その事なんだけど。

 私のエンブレム・・・太陽神ユースティアの紋章は何処に行ったか知らない?」


リーンが着けていたエンブレムの所在を訊ねて来た。

ミハエルもその件については知らされてはいなかったのだが。


「ああ、ミハルのバッヂね。

 あれは大魔王の手元に保管されちゃったのよ。

 この塔にある中央指令室・・・つまりコンピューターに解析させているみたいなの」


リーンから奪った大魔王サタンが、

何とかアンインストールフォルダを取り出せないか試みているようだと教えた。


「そっか・・・それを取り戻すのは骨が折れそうだね・・・」


太陽神である証。

あのエンブレムが無ければ女神の力を存分に発揮する事が出来ないミハルは困ったように答える。

闘うにしろ抜け出すにしろ、あのエンブレムが無い事には思う様にはいかないと。


「ミハル、あの中には本当に大魔王が求めている物が収まっているの?」


リーンがふと、気になって訊いた。

大魔王が知らべても確証さえ掴めていない事を。


「さんざんいじくっても、あの中に居る者が邪魔をしてきたみたいだけど。

 あの中には本当にMIHARUとかいう月の住人が存在するの?」


リーンは大魔王が調べていたエンブレムについての事実を知りたがった。

その件についてはミハエルも同様に思っていたようで。


「そうよミハル!本当の処はどうなのよ?

 それが一番重要なんだから、はっきり言いなさいよ?」


二人に問い詰められたミハルが首を振って応える。


「解らないし、知らないんだよ本当に。

 私が護りたかったのはリーンが託してくれた記憶だけだから。

 前に訊いていた通り、リーンの記憶が破滅兵器を作動させるって思っていたから。

 あの中に居る子に頼んであるのはリーンの記憶を護って欲しいって事だけなんだから」


本当にMIHARUの存在など知らなかった事を答え、


「私が取り戻したい訳も、リィ君を取り戻したいから。

 リーンに託された記憶を返してあげたいからなんだよ?」


自分にとっての一番重要なのは、エンブレム自体ではない事を教えた。


「そうなんだ・・・じゃあミハルにも解っていないんだね?

 月の住人が存在しているのも、あの中に何が隠されているのかも?」


ミハエルも漸く納得したのか、エンブレムには意味が無いのかと念を押した。


「それは・・・解らないよ。

 確かにあのエンブレム自体から強力な力が発せられてはいたけど。

 月の住人って言われてもどんなモノなのかも分からないから・・・」


太陽神のエンブレムに秘められていると思われた月の住人。

それを与えられたミハルにも分からないという。

ではなぜ大魔王はエンブレムに拘っていたのか?

謎を突き止めなくては闘う事も出来ない。

このままではいずれ大魔王はエンブレムからリーンの記憶を取り出してしまうだろう。

守護する龍の子を破り、審判の女神の記憶を。

記憶が<ケラウノス>を作動させ得るスイッチである事は間違いがない。


「もし、月の住人が存在しないのならば。

 もし、大魔王が言っていた通り、前の千年周期での出来事と同じだったとしたら?

 月の住人は今回もも現れなかいとしたら?

 大魔王は月が満ちれば・・・破滅兵器として<無>を撒き散らす。

 <ケラウノス>として蘇り、この世界を破滅させるでしょうね」


ミハエルは今迄聞き知っていた真相を語る。

大魔王サタンと呼ばれる悪魔の正体を、機械文明が齎した終末の申し子が蘇らんとしている事を。


「ミハエルさん、どうすれば大魔王を倒せるのかな?

 私達はこの部屋から出れば、大魔王に操られてしまう。

 闘う事も抗う事さえも出来なくなってしまうんじゃないの?」


リーンが心配そうに訊ねてくるが。


「あ、それは大丈夫よ。少なくてもミハルはもう救えたわ。

 リーンの放った術で闇の紋章が消えたもの。

 あの紋章が消えたミハルは部屋から出ても、もう大丈夫、操られはしないから」


ミハエルがそれだけは心配いらないとミハルを指して教える。


「そっか・・・リーンのおかげ。ミハエルさんのおかげだね。

 でも、これからどうすればいいのかな?

 私独りで立ち向かってもエンブレムも無いし・・・」


どうやら自分を取り返せたと思うのだが、力の源が奪われている状態では・・・


「闘っても魔砲力だけでは歯が立たない。

 それにエンブレムがあっても・・・」


抗えども勝ち目は無いと自覚していた。


「そこよねぇ・・・私達だけでは勝利は覚束ないわ。

 なにかとっておきの戦力が欲しいわね・・・」


ミハエルがそうはいっても女神級の力を持つ者がそこらに居る筈が無いと答えに詰まった・・・時。


ミハルの眼に焼き付いていた姿が甦る。

闇の女神を凌ぐほどの戦闘力を持った人の姿を。


<そうだけど・・・あの子なら一緒に闘ってくれる筈だけど。

 巻き込みたくない・・・マモルを此処へなんて連れ込みたくはないから・・・>


弟の精悍な姿が過る。

今迄であった中で最も強い男の子の顔が脳裏を過ぎた。


「ミハル・・・なにか隠してる顔ね?

 誰かを庇ってるでしょ?」


リーンに気付かれた。

さすがに御主人様ではあったという事か。


「えっ?!にゃにゃぜに?」


挿絵(By みてみん)


狼狽えたミハルがにゃ語になって、バラしてしまった。


「そんな事だと思ったわ!

 時間がないのよ、ミハル!その人は今どこに居るの?

 知っているなら頼みましょう、背に腹は変えれないのよ!」


リーンに問い詰められたミハルへ、


「そうよミハル!此処に居る事だってもう見破られているかもしれないの。

 作戦会議だって時間が足りない位なんだから!

 その人はミハルの知ってる人なのでしょう?どこに居るのよ、教えなさい!」


二人に急かされたミハルは動転して答えてしまった。


「あ、ここから直ぐの所まで迫った艦隊にマモルが居るの。

 あの子達に手助けを求めてはと思ったの・・・はっ?!口が滑った!」


気が付くのが遅い・・・損な娘。

ピンときた二人の女神。


「そうか!マモル君達が来てくれたのね!」


リーンが即刻考えを纏める。


「ミハルの弟が?他には?」


弟だけでは不安に思ったのか、ミハエルが追い込む。


「えっ?!ええーとっ、お父さんやお母さんも来ているって・・・わぁっ?!」


またもや口が軽かったミハルが眼を廻す。

リーンとミハエルはそんな娘には関知せず、頭を巡らせた。


「よしっ、こうなればマモル君達にひと肌脱いで貰おう」


「エンブレム奪還作戦に呼び込みましょう!」


ミハルが恐れた通りになってしまった。

リーンとミハエルがひそひそ話を交わし・・・


((にたぁー))


ミハルに振り返った。


「あああああああああああああっ?!」


嫌な気が猛烈に襲い掛かって来たミハルが頭を抱える。


「良い事ミハル、良く聞きなさい!」


リーンが手招きをしている。


「時間が無いと言ってるじゃないの!」


ミハエルが急かす。


「ひぃいいいんっ(涙)!」


損な自爆娘が涙を零していた。


2人がミハルに授けた作戦とは?!


ミハルはこうして救われましたとさ・・・


で?

これからどうすんの?

バレないの?大魔王に・・・


次回 EP2The heart that hauled in手繰り寄せる心の行方Part7

君は次なる作戦に行動を興すのか?!助け出そうと試みる者達も・・・

人類に残された時間は少ない とうとう・・・残り9日!!カウントダウン開始

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