魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep2伝説の魔女と皇女Act42人で魔法を使いましょ!
フェアリア王国王女リインと神官巫女ミコトが出会い、2人はひょんな事から誓約を結ぶ事となる。
突然現れた魔法陣に眼を剥いた。
「えっ?何これっ!」
リインが指先に現れた青白い光に驚くと。
「あ、ありがとー。これは正式な契約の証。
神官巫女との契約印。
リインが想う願いが果たされるまで私の能力を使う事が許された証」
ミコトはそう言うと青白く光る魔法陣に近付き右手を翳す。
右手に填めた宝珠が蒼く輝き、その魔法陣を吸い込む。
途端にミコトの銀髪が青く光り、風も無いのに靡く。
紅色の瞳も蒼く輝き、体中から青白いオーラが吹き出る。
リインと王が見詰める前で、ミコトの姿が変わっていく。
右手を高く掲げて槍を持つ小柄なミコトが蒼いオーラの中で背が高く伸び、
着ていた着物が直垂姿の戦巫女姿に変わる。
やがてリインの目の前には先程までとは別人のミコトが居た。
蒼い光はミコトから消え去り黒髪と黒い瞳の少女がそこに居た。
「帝を守護奉りし北面の戦巫女。我が名はミコト。只今推参!」
右手に薙刀の様な槍を手にしたミコトがリインに頭を下げる。
「あなた様と共に戦いましょう。
あなた様の願いを遂げさせてみせましょう。このミコトによって」
黒髪の巫女がリインに誓う。
「あなたが・・・ミコトなの?」
リインは女の子だったミコトと、この勇ましく美しい巫女が同じ人物だとは思えなかった。
「正に魔法使い。魔女の成せる業だ。」
王も驚きつつ、ミコトを見入っていた。
「願いを申されよ。
あなた様の願いをこのミコトに話されよ。
さすればこの戦巫女がその願いが果たされるまで、
あなた様の盾となって防ぎ、鉾となって突き破りましょう」
方膝を付き頭を垂れる戦巫女ミコトにリインは戸惑いながらも、今、自分が願うべき事を考える。
ー 私の願い。それは唯一つ。
この国の民をロッソアの脅威から守る事。
この国を平和な国へと戻す事
リインは畏まる戦巫女へ願いを伝える。
「私の願いは唯一つ。この国を護りたい。
この国を元の平和な国へと戻す事。
もう誰も戦いで泣く人が居ない平和な国へと戻す事!」
リイン言葉がミコトの前で青白い光の文字となって現れる。
その青白く光る文字がミコトの宝珠に入って行った。
戦巫女ミコトは、リインの願いが入った右手の宝珠を高々と掲げて天を指す。
宝珠から青白い光が天空へと伸びる。
ミコトの右手が何かを求める様に開かれると、そこに光が模られていく。
光りは収束し、やがてそれは一振りの剣と化した。
左手で槍を持ち、右手に剣を持ったミコトが。
「神の御心に通じました。
この剣をあなた様へお渡し致します。
この剣を持つならば私とあなた様は同じ力を持てます。
神通力を、この国で言う魔法の力を」
右手の剣を差し出し、リインに持つ事を勧めるミコト。
リインは差し出された剣の柄をそっと掴んだ。
((ピキイィン))
リインの首に下げていた青玉色のネックレスが音を立てて輝き、その青い石に何かの紋章が描かれる。
右手に掴んだ剣が、青く輝き剣が長さを増す。
「これは、一体?」
王が目を見張って驚く。
「ミコト。これは一体何なの?」
リインの身体が碧い光に包まれ、ミコトに訳を訊く。
「あなた様はたった今、戦姫へなられたのです。
聖なる碧き光の中で。
その神器を持つ事により、魔法を使う事の出来る戦神の力を得たのです」
リインはミコトの言葉で右手に持つ剣を捧げ持った。
「この剣を持つ事で魔法が使えるの?」
長く伸びた剣は全く重さを感じさせない。
軽々と振り下ろしてミコトに訊いた。
「その通り。その剣とあなた様の蒼きネックレス。
その二つが力の源。
そのどちらか片方が失われれば全力を発揮する事は出来なくなります。
この事はくれぐれもお忘れなきよう」
ミコトはリインに剣と青い宝石が付いたネックレスの関係を教える。
「このネックレスと剣。どちらか片方だけでは魔法は使えないの?」
リインはもう一度、訊いてみる。
「左様。そのネックレスは力を発現させる為の鍵。
剣は力を発揮する為の道具。
どちらか片方だけでは本当の力を表わす事は出来ないのです」
ミコトは左手の槍を右手に持ち替えると。
「この様に使うのです」
槍の先が青白く光り出す・・・
「疾風扇!」
槍を室外に向けて呪を放つ。
((ビュウウウゥッ))
強烈な疾風が巻き起こり、渦を巻いて遥か遠くまで強風が飛んでいった。
「おおっ、まさに魔法だ!信じられん」
王が腰を抜かさんばかりに驚いた。
「私にもあんな力が出せるの?」
リインは戸惑いながらも剣を振り翳し・・・
「えっと・・・あの。どうすればいいの?」
ミコトにやり方を訊く。
「あなた様が求める力を願いなさい。
そうすれば胸の奥からひとりでに呪文が湧き出て来ますから」
ミコトがリインに微笑み掛けてそう告げる。
ー ふーん。そんなものなのかしら。
じゃあ、ミコトより強い風を起そう。
強い風・・・強い風・・・
リインが強風を起そうと願うと、胸の奥から何かが湧き出して来る。
その文句を口に出して剣を振り下ろす。
「烈風牙!」
((ギュルルルルッ))
物凄い竜巻が剣先から巻き起こり、
剣先にあった壁を突き破り天空に向って伸びて行った。
「あああっ、凄いっ!」
リインは自分が起した初めての魔法に感動した。
「あああっ、リイン!城を壊す気かっ!」
王に言われてはっとするリインが謝った。
「ごめんなさい、お父様。こんな凄いなんて思いもしなくて」
リインは王へ謝ると、手にした剣を見詰める。
「その力は、使い方を誤れば無益な被害を出してしまう事ともなります。
くれぐれも使い方に御注意下さい」
ミコトはリインに微笑んで注意した。
「ええ。解ったわ、ミコト」
リインが頷くと戦巫女姿のミコトが。
「それでは、私は一度元へ戻ります。あなた様も力をお収め下さいませ」
ミコトは言うと、槍を一振りして降ろした。
王とリインの前で戦巫女姿だったミコトが青白い光を失うと、元の小柄な少女へと姿を戻した。
「はあ。久しぶりに戦巫女姿になるとお腹が減るぅ」
小柄なミコトがお腹を押さえて愚痴る。
「あ、あの。ミコト?私はどうすれば?」
元へ戻る方法を知らないリインが助けを求める。
「ああ、ごめんごめん。
元へ戻るにはその剣に戻るよってお願いすればいいんだ。簡単でしょ」
ミコトは笑い掛けて教えた。
「えっと、こう・・・かな」
リインが剣にもう元へ戻りたいと願うと、
((シュイイン))
リインを包んでいた青い光が消え、剣が元の長さに戻った。
「へー。本当ね、意外と簡単なんだ」
胸のネックレスと剣を見ながらリインは感じたままを言った。
「これでリインと私は同じ力を持つ者になったよ。リイン達が言う魔女にね」
ミコトは瞳を輝かせてリインの姿を眩しそうに見詰めた。
初めて魔法を使ったリイン。
魔法を使った事により代償が必要になったのだった。
それは如何なる代償か・・・。えっ!?そうなんだ!
次回 魔法の代償。そんな恥ずかしい事・・・。
君は・・・・。もう!いやーん!(やっとれん)





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