表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
537/632

第6章 終わる世界 Ep5 ジェットランド沖海戦 Part3

挿絵(By みてみん)


11月24日は「魔鋼騎戦記フェアリア」誕生日!

連載も2周年を迎えられました。

皆様のおかげで続けてこられました!

どうぞ、これからもおつきあいくださいませ(拝!)


ミハルは魔鋼の機械に魂を喰われていた・・・?!

2隻の空中戦艦が炎と黒煙に包まれ海面へと墜ちて行く。


ミハルの魔砲力で放たれた超電磁砲に因って・・・




「艦長!残る6隻が重なり合いました!」


ミツル航海長の報告に、ミノリがモニターに眼を向ける。

そこには6隻がこちらに対して一直線に艦隊機動する様が写されていた。


「奴等・・・何を考えているんだ?何をしようとしている?」


巨大な円盤型の戦艦が直線状に艦隊を編成する理由が解らなかった。


「もしかして撃たれるのを解っていて、

 先頭の艦が犠牲になって後続の艦に弾が当たらないようにするとか?」


レナ砲術長が、如何にも尤もらしい戦術を話したが。


ー  それだけではないだろう。

   奴等は犠牲とか、盾になるとか・・・そんな考えは持ってはいないだろう。

   だとすれば・・・何を狙っている?


ミノリは敵の戦法に、一度だけ観た事のある秘密戦法を思い起こした。


ー  ミハルが一度死んだ時・・・あの霧状の魔砲が撃たれた事がある。

   戦艦の中心核から放たれた魔砲・・・まさか・・・あれを?


ミノリが思い出した戦法。

しかしそれは上空から下方に向けて発射されたモノであった。


ー  今は同高度・・・下方に居る訳ではない。

   だとすれば・・・あの魔砲ではないというのか?

   だとすれば何を考えている?何故直線状になっているのだ?


考えもつかない。

相手の出方を待つよりは方法がないというのか?


「直線になったという事は、我々も一隻を相手にしていれば良いだけでしょう?

 これ幸いですよ、艦長!」


レナが砲撃を続行する事を勧めた。


「ああ・・・そうだな・・・」


ミノリは敵艦の行動を見守る事に決した。





「ねぇデサイアさん・・・このままだったら。

 私の魂は消えちゃうのかな?

 そうなったらデサイアさんが私の身体を自由にできるようになるの?」


ミハルが宿った女神に訊いた。


「そうだとすれば、どうする?」


デサイアは半分消えたミハルに訊き返す。


「もしそうだとしたら・・・約束して欲しいんだ。

 私が消えてもリィ君の名前を探すって。

 あの子を見放さないって・・・お願いだから・・・」


ミハルが自分に宿ったリヴァイアサンの子を想って、願いを告げる。


「ふーむ、あやつの名をか?

 それだけでいいのか?他にもいろいろ頼みたい事があるんじゃないのか?」


腕を組んでミハルに訊く女神に、はっとなって頷いた。


「そう!それだけじゃないよ!

 いーっぱい、一杯あるんだ!リーンの事も家族の事も・・・

 ホーさん達やみんなの事!護りたい人や守るべき事がいっぱいあるの!」


必死に頼もうとするミハルに笑いかけたデサイアが。


「そんなに頼みごとをされるのは敵わんな。

 まぁ私も女神のはしくれだからしょうがないけど・・・

 そんなに願いが残るのなら消えなきゃ良いだろーに」


言葉に含んで諭そうとした。


「だって・・・戦闘が終わろうとしないんだもん。

 砲を撃たなきゃいけないんだから・・・停めれないじゃない」


魔鋼機械を停めれないとミハルは答えるのだが。


「そこだ!魔鋼機械を停める方法だ!

 そなたは敵を撃ち果たさなければいかん。

 だが、魂が消える前に敵を斃せれば機械を停めれるのではないのか?」


デサイアはさも当然のように言い放った。


「・・・どうやってよ?

 この超電磁砲でもやっと2隻を斃せただけだけなのに・・・

 2隻を斃しただけでこんなに機械に喰われてしまってるのに?」


ミハルが自分の有様を観て情けなさそうに答えるのだが。


「一つ訊いていいか?

 そなたの他に同じような奴も居るだろ?

 確か魔法障壁を展開している狐が・・・居るだろ?」


デサイアはイナリが同じようにこの<薩摩>の機械に同化している事を教える。


「そ・・・そうね、確かにミノリさんの神様が・・・あ?!」


ようやく気が付いたか・・・と、デサイアがため息を吐いた。


「デサイアさんっ!そうすると戦闘が長引けば、イナリ様も?!」


ミハルの考えにデサイアが頷き。


「そうだ!狐もそなたも時間が経つにつれ、力を失う事になる。

 そうすればドノミチこのふねは敵に倒されてしまうだろう」


このままだと、時間の問題だと教えるのだった。


そんなぁーっ?!喰われ損なのっ、私!」


挿絵(By みてみん)


・・・・違うだろ・・・・


「そうじゃないっ!一刻も早く敵を倒せば良いだけではないか!

 何故そうマイナス思考になるっ!」


・・・それが・・・損な娘たる所以ゆえんなのです・・・


「はっ?!そ・・・そうなのっ?!

 でも、どうやって?!どうすれば斃せるの?

 どんな方法で勝つ事が出来るの?」


・・・それを考えるんだろ?・・・


「そなた・・・人に。いや、女神に頼り過ぎではないのか?」


・・・女神に頼るのは人たる者の証です・・・


「・・・先程から。

 なにやらミハルに呼びかけている者が居るようだが。

 何者だ?姿を晒すが良い!」


・・・晒そうにも姿なんて当の昔に捨てちゃったんで・・・


「では、名を名乗れ。なぜミハルの内なる世界に入れたのだ?!」


デサイアにも正体が掴めてはいないようだ。


「ああ~んっ!私の身体はどうなっちゃってるのよぉっ?!」


ミハルが混乱するより情けなくなって泣いてしまう。


・・・私ですか?私はこのふねの機械。ミハルさんの魂を食べてます・・・


「お前がか?我が憑代を食べているのは?」


・・・そうです。大変美味ですので・・・もっと食べちゃいたいくらいです!・・・


「・・・食べないでぇ・・・・」


情けない声でミハルが頼んだ。


「阿保か!そんなんだから食べられてしまうのだ!

 もっと我が憑代としての気概を持て!」


・・・無理でしょ、ミハルさんは損な娘世界一!、ですから・・・


「・・・Orz」


がっくりミハル。


「と、兎も角だ!

 お前は何故ミハルを喰らうのだ?魔力を必要とするのだ?

 機械の分際で人の魂をも喰らうというのだ?!」


女神が真っ当な事を訊いた。

ミハルもウンウンと頷き聞き耳をたてる。


・・・それは私が<無>に染まりし者だったので。魔鋼の機械に同化したので・・・


機械になった者が教えたの事に、ミハルが思い出した。


「それじゃあ、あなたは元は人だったというの?

 あの極大魔鋼弾と同じように・・・人の魂が闇に堕ちた機械だっていうのね?」


話ながらミハルは思い出していた。

日の本からフェアリアに伝授された秘密兵器の事を。


・・・思い出したようですね。

   あなたは私と同じように機械にされかけたことがある。

   いいえ、自ら望んで機械と同化した事もあった。

   闇の力を使って、そうでしょ?ミハル・シマダ・・・


デサイアがミハルを観た時、魔砲使いの娘の顔が過去を思い出して歪んでいた。


「そう・・・それをどうして知っているの?

 あなたは一体何者なの?」


ミハルが機械の声に訊いた。

自分過去を知る機械に・・・


・・・女神デサイア、あなたも知っている筈ですよ?

   ミハルの中に闇の力が備わっている事を。

   あなたが本当の覚醒を果たすには光と闇を知らねばならない・・・


ミハルの言葉を遮って機械は女神に告げる。


・・・私がこのふねに備えられたのは。

   デサイアが宿る憑代の力が人を導くと考えられたから。

   <希望>の女神になって貰う為にですよ・・・


誰が・・・とは、言わなかったが。

機械は何かを秘めて備えられたと言った。


その訳は直ぐに判る事となる。

ミハルに宿るもう一つの魂によって・・・





「ねぇ、ミハルぅ?!ねぇ女神様ぁ!

 早く戻って来てよぉ・・・お腹すいちゃったよぉーっ!」


気絶したままのミハルに齧りつくリィ君が魔力を失いかけて騒いでいた。

敵艦隊が何かを狙ってきた。

このままでは埒が明かないと感じたのか?

一撃で終らせようと焦ったのか?


必殺の兵器がベールを脱ぐ時?!


次回 終わる世界 Ep5 ジェットランド沖海戦 Part4

君は隠されていた秘術に望みを託す!いよいよ<薩摩>の最終兵器が?!

 人類消滅まで アト 76日!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ