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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア 第1章魔鋼騎士Ep2訓練開始!Act3

食堂に入るとキャミーが一人、ミハル達を迎えた。

用具を納めて2人で食堂に入るとキャミーが居た。


「おっそーいぞぉ、ミハル、ミリア。

 何してたんだもう食っちまったぞ?!」


「あ、ごめん。砲の旋回を早くしたくて、調べてたんだ。もしかして待っててくれたの?」


「まーな、あんま、遅いから食っちまったよ」


ミハルが謝ると手をヒラヒラさせて。


「遊んでた訳じゃないんだし、良いって」


「あ、うん。ごめんね。まだ居てくれる?」


ミハルがすまなさそうに言うと、空のコップを手で弄びながら。


「ああ、居るさ。今は別に用事もねえからさ!」


「うん。じゃあ、さっさと食べ終わるから」


ミハルが食卓に着くと、ミリアがキャミーにお茶を持ってくる。


「おっサンキュー、ミリア」


ミリアからお茶を受け取り一口啜る。

ミリアはミハルに小声で教える。


「今日はキャミーさん、ご機嫌ですね」


「うん、そうみたい。訓練で褒められたのが、嬉しかったのかな?」


「へー、褒められたんですか?小隊長に?」


「ううん、曹長に。バスクッチ曹長にヘッドフォンの調整が良いって」


「そうなんですか。曹長が・・・それではご機嫌になるのも解ります」


ミリアは納得顔で頷く。


「キャミーさん、曹長に褒められるのがそんなに嬉しいの?」


不思議そうにミハルはミリアに訊いてみた。


「そりゃ、ほの字ですから。キャミーさんは曹長にぞっこんですからねぇ」


ミリアはミハルの耳に小声で話す。


ー  そっか。キャミーさんは、曹長に惚れてるんだ。

   あははっ、成る程ね、道理で車内でちらちら砲手席を見ていた訳だ。

   ・・・キャミーさんも、女の子って訳か・・・


ミハルとミリアはキャミーを見て、少し笑った。


「んっ?あたしの顔に、何か付いてるか?」


二人が見つめているのに気づいたキャミーが、顔に手を当てて何か付いていないか調べる。


「いえ、何も付いていないですよ。ただ、顔がにやけているだけで」


ミハルの一言でキャミーがうろたえる。


「え?あたし、にやけてたのか?うう、恥ずかしい」


珍しくキャミーが恥ずかしがった。


ー  そうだよね。世が世なら、私達はまだ学生の年代なのだから。

   戦争さえなかったら、普通に恋愛もして青春を謳歌している年頃なんだから・・・


「あああ、ミハルっ!曹長には、ラミルさんにもっ、小隊長にも言うんじゃないぞ!」


キャミーは赤くなって口止めを頼む。


「はいはい。言いませんから。

 でも、キャミーさんって可愛いんですね。好きな人に褒められてにやけるなんて」


「なっ!好きだなんて言ってないだろ。

 あたしと曹長じゃあつり合わないし、曹長ってカッコいいしって、あわわっ。

  あたし何言ってるんだろ?!」


キャミーは、益々赤くなってパニクった。


「あはは、赤くなって。かわいいー!」


ミハルは女の子に戻って、キャミーを冷やかした。


「うっうるひゃいっ!あたしだって女だ!好きになって何が悪い!」


「別に悪いだなんて思っていませんよ。

 確かに曹長ってハンサムだし背も高いし、年も上だし。

 おまけに上官だから。

 惚れるのは、解るような気がしますねぇ」


ミリアが腕を組んで、うんうん頷く。


「ミ、ミリアてめえまで。

 ・・・まあ、その。

 好きになっちまったのは、あたしの方だから。

 告白なんて、できっこねぇから・・・」


「えっ、何で?言ってみたら良いのに」


ミハルはあっさりと言ってのける。


「ミ、ミハルーっ。そんな事出来ねーよ。

 断られるに決まってるじゃんか。そしたら車内が、気まずくなっちまうだろ?」


「えーっ、告白もしてないのに、解らないじゃないですか」


ミハルはキャミーの背中を押す言葉を投げ掛けて、


「恋は当たって砕けろって、言うじゃないですか?」


身勝手な事を言う。


「お、お前なー。そんな単純なものじゃねぇよ。

 っとにもー、ミハルも結構お子ちゃまなんだな?!」


キャミーは、頭を掻いてテレながら少しむくれた。


「あはははっ、私って恋愛なんてした事ないから判りません」


ミハルは笑って受け流した。


「ま、その話は置いといて、何の事を調べていたんだ?砲の旋回を早めるってさ」


キャミーが、ミハルとミリアに話題を変えてくる。


「あ、はい。電動旋回装置の補助を、手動で補えないかを調べてたんです」


ミリアが質問に答える。


「そうか。で、その結果は?」


「うん。装填手側と砲手側両方を使うと、

 倍近く早く砲を廻す事が出来るのが解ったんだ。

 もし、会敵時に早く砲を向ける必要がある時には、使えるなって思って」


「ほほーう。成る程ねぇ。さすが、元砲手って事だな。

 実戦ではそんな危ない場面に出くわさない事もないわけじゃないし・・・」


キャミーは、腕を組んで頷く。

そんなキャミーに、ミハルが一つの提案をする。


「ねぇ、キャミーさん。お願いが有るんだけど。

 バスクッチ曹長に、次の訓練でお願いしてくれないかな。

 砲向旋回レバーと共に、補助ハンドルを廻してくれる様に」


頼まれたキャミーが慌てて断る。


「ええっ!?何であたしが。ミハルから頼めばいいだろっ!」


「いえいえ。そこは曹長との仲が良いキャミーさんの出番ですから」


ミリアがミハルの助け舟を出す。


「お、おいっ、ミリアまで?!」


顔を赤らめて、キャミーが怒る。


「そー言う事で。何せ私は新入りですから。

 ここは古参者が引っ張って頂かないと。ねぇ、ミリア」


「そーです。ここは、キャミーさんがびしっと決める所です!」


「・・・お前ら。解ったよ。曹長に頼んでみるよ」


キャミーが赤い顔して了解してくれた。


「うん、頼みますね。キャミー一等兵殿!」


ミハルが笑顔で茶化す。


「善は急げって言います。キャミーさん今から直ぐに曹長の元へ!」


ミリアがキャミーを急き立てる。


「え?ええっ!?今からって、心の準備が・・・」


「キャミーさんらしくない。

 別に告白しろなんて言ってませんから。

 訓練についての意見具申なんですから、気軽に話せるじゃないですか」


ミリアがキャミーの背中を押す言葉を投げる。


「そ、そうだな。これは意見具申だもんな。普通に話せばいいんだよな!」


キャミーは、拳を固めて自分に言い聞かせる。


「はいはい、じゃあお願いしますねキャミーさん!」


ミハルの駄目押しに、


「お、おう。任せとけ!」


キャミーは服を整えて、食堂を後にした。その姿を見送って、


「ふふっ、女の子だねぇ。キャミーも!」

「そうですね、あのキャミーさんがあんなテレやとは思いませんでした」


ミハルとミリアは、お互いに笑い合った。


次の日、訓練で早速ミハルの提案を採用してくれた。

砲向旋回訓練は、順調に進む。


そして、休息時間に曹長がミハルに試す。

それが、ミハルの運命を動かし始めることになる?!


次回Act4

訓練は生き残る為に必要な事!

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