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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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第5章 蒼空の魔砲師 Ep5 暗雲 Part7

旅立つミハル・・・


リーンが捕えられているとされる<暗黒大陸>と呼ばれる島へは、

どうやって辿り着くというのか?

毛玉と2人、思案にくれるのだったが・・・

蒼い空の下、少女は何処へと向かうのか。

誰かと話すように呟きながら・・・


「そうだね、どうやってあそこまで行くかが問題だね」


話し合う相手の姿はどこにも見えないが、

その少女は相談するかのように話し続ける。


「ねぇ、ルシちゃん・・・陸路で行くより船に乗って行った方が良くは無いかな?

 大陸を鉄道で行くとなると数カ国を跨いで行かなきゃならないから・・・」


片方の髪をリボンで結わえた少女が、旅路の話を持ちかけるのは。


「ミハル。

 海で行くのは正解だろう。

 どのみち、陸路だけでは辿り着けはしないのだからな」


少女の胸に紅い毛玉のようなモノがあった。


「うん、ルシちゃん。やっぱり港に行こう、そうしよう!」


毛玉へ答えるミハルが海の見える道を、港の方角へと歩み出す。


「ルシちゃん、港に着いたら乗り込める舟があるかな?

 暗黒大陸に向ってくれる船なんてあるのかな?」


ミハルの心配は、船便が出ているかどうか。

ましてや、戦いの場となっている海上を行き交う船が残っているのかと言う事。


「そいつは行ってみなければ判らないが。

 まあ、無理だろうな・・・直接船で行く事は」


答える毛玉に頷いたミハルが、


「でしょうね。

 直接には無理だろうけど、近くにさえ行けるのなら。

 後は翔飛で飛んで行くしかないのかな・・・」


魔法の飛行靴を頼りに、空を飛んで大陸まで行こうと考えていた。


「魔法力が持つか、航続力が保てるかが・・・鍵だな」


毛玉もそうする他は方法が思いつかないのか、ミハルの考えに同意する。


「だけど、本当に辿り着いたとして。

 リーンに逢う事が出来るのか・・・リーンを助け出せるのか・・・」


心配が山積されている救出行。

先ずは出発点たる港へと向かうミハルと毛玉だった。


「・・・ミハル・・・気付いているか?」


ようやく聴き取れるほど小さな声でミハルに教える。


「うん・・・さっきから。

 私の事を観ているようね・・・誰かが」


気配を察知した毛玉とミハルが、何者かがつけて来ている事に警戒する。


「だけど・・・見当たらないの。

 後にも前にも・・・側面にも人影は見えない。

 まさか・・・闇の者が昼間から襲って来る気なのかな?」


ミハルは精神世界の敵を警戒して、毛玉に聞くが。


「いや、そのような気配ではないのだが・・・この感覚は人だと思うのだが」


毛玉は闇の気配では無いと断言した。


「じゃあ・・・確かめようか?」


埒が明かないと思ったミハルが、先手を打つ。


「誰なの!出てきたらどうなのよ、居るのは判っているんだから!」


気配の主に呼びかけ、戦いに備えて身構えると。

突然上空から背後に廻り込まれて・・・


「ふむ・・・やっぱりミハルやったか。普段着着てるから間違ぉーたかと思ったんやけど」


しゃがみこんだ相手が名前を呼んだ。


「このお洒落な下着・・・間違いないわ。なぁミハル?」


ミハルは固まる。

背後にしゃがみこんだ見慣れぬユニフォームを着た娘に。

・・・スカートを捲くられて。


「な・・・に・・・するのよ、()()()()!」


捲り上げられたスカートから手を振り解いて、真っ赤になって怒る。


「いやぁ、なに。ミハルに良く似た女の子がおるなぁとおもってやな。

 服も普段着だし、髪型もリボンも変わってたし。

 人違いやったらアカン思うて・・・調べたんや!」


ホマレは悪びれもせず、ミハルに言った。


「ホーさんは人を調べるのにいちいち、スカートを捲るのっ?!」


真っ赤になって怒るミハルに魔砲師ホマレが首を振る。


「ノンノン!ちゃう。

 これが一番手っ取り早いんや、本人かどうかを調べるには・・・ナ!

 ミハルやさかい、スカート捲るンや!」


  ((ボクッ))


ミハルのアッパーがホマレの顎に炸裂した。


「で?!私と判ったホーさんは、何をする為に此処に居るのかな?」


ヒクヒク頬を引き攣らせたミハルが顎を撫でる魔砲少女に訊く。


「そんなんコッチの言うセリフや。

 ミハルこそ、軍の敷地内で何しとるんや?普段着なんか着てからに」


ホマレに言われて周りを観ると、其処此処に立て札が建っていた。


<<軍の許可無く立ち入らざる事>>


考え事をしながら歩いて来たので、立て札を見落としていたようだ。


「あ・・・ホントだ。立ち入り禁止区域だった・・・」


 ((ポン))


後からホマレの手が掴む。


「訳はSPに話せばエエやん・・・なあ、()()()のミハル。

 軍に断りも無く立ち入った()()()()()()()()ミハル大尉殿?!」


ニヤリと笑うホマレ。

顔を思いっきり引き攣らせるミハル。


「あああっ!知らなかったのっ、此処が軍の敷地になってるなんて!」


言い募るミハルの背を押し、ユニフォーム姿のホマレ()()が命じた。


「はいはい!言い訳は憲兵に言ってくんない?さっさと行きナ!」


挿絵(By みてみん)



ホマレに連行されるミハルは・・・


そんなぁっ!」


いつも通りに、損な娘だった・・・・W

ホマレに捕まった!

この後、損な娘に訪れるのは・・・不幸?それとも・・・ないか。


次回 暗雲 Part8

君は調べられる・・・ホマレの上司に。パフパフされて?

  ・・・人類消滅まで ・・・ アト141日

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