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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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第5章 蒼空の魔砲師 Ep4 悪嬢と魔砲少女 Part1

ミハルはリーンの手懸りを求めて旅立つのです・・・が。


ここでこのエピソードについてお知らせがあります。

この<Ep4 悪嬢と魔砲少女>ですが、

ある企画にそった題材がメインのお話なのです。


それは<自分の小説に出て来るキャラの服を・・・”破き隊”>なのです。


企画されたのは

<a href="http://mypage.syosetu.com/487329/">「ちはやれいめい」様</a>。


いつもありがとうございます!

さて、どんな展開になります事やら・・・でわ!


作者注・画像は企画が立てられた当時のミハルです・・・


挿絵(By みてみん)


独り、敷地内の葡萄農園で野遊びしていた女の子がしゃがみこんだ。


「あれ・・・何かしら、これ」


足元に転がる物を手に取ると。


「へぇ~っ、綺麗な石が付いてる・・・ネックレス?」


金細工の枠に填められた石が碧く輝く。

手に取ったネックレスを見詰めていると、何かが聞こえた様な気がする。


「うん?何か・・・誰かが話しかけたような気がする・・・」


手にしたネックレスに耳を近づけ確かめる。


<<私をあのに渡して・・・お願い>>


石の中から女の人の声が聞える。


「ふ~ん・・・あなたは喋れるのね。

 で?あの娘って、誰の事?」


ネックレスを持って話しかけたが、もう呟きは聞えなくなっていた。


「相手が誰だか判らないのなら、渡す事はできないわよ?

 だったら私が預かっておくわ、あなたの事を」


碧い石にそう告げると、農園の中に独り佇む。


「不思議な石・・・それに。

 それに、なんだか魔法みたい・・・私の中で何かが目覚めたような気がするわ」


挿絵(By みてみん)



呟く・・・女の子。

金髪を髪留めで結った紅き瞳の少女は、身分がある者のようだった。

灰色のドレスを纏い、その農園を遊び場に出来るような身分の娘のようだった。





__________




リーンの魔法石らしき物が発見されたのは2日前の事。


偶然プロイセン武官が公爵が連れてきた娘を観た時に判ったのだという。

公爵令嬢マリーンが胸に下げていたネックレスが、

フェアリアに古来から伝わる宝玉だと判ったというのだ。


早速大使館から公爵の元へ遣いが返却を求めたが、硬く断られた。

見つけた娘が断固として聞き入れないのだという。


この時代にしては珍しく、親の言う事にも逆らう娘なのか。

いいや、違うようだ。

こんなに意固地になれるような娘ではなかったという。

プロイセン公爵も弱り果て、一国の長たるフェアリア皇太子に謝罪するだけであった。


彼は言う。


「マリーンがこれほど強気になったのも、あのネックレスを手にしてからなのです。

 私達が何度と無く獲り上げ様としても、気味の悪い魔法で邪魔をするのです。

 あの石には、きっと怖ろしい呪いが掛けられているのでしょう・・・」


公爵はフェアリアが欲しがる石を()()()()だと断じる。


「マリーンを元の気優しい娘に戻して貰いたいのです。

 その為ならなんなりとお力をお貸しします。

 どうか私のマリーンからあの石を獲り上げて貰いたいのです」


フェアリア武官に返答する公爵の申し出は、

即刻、本国に居るユーリの元へと齎されたのだった。




「リーンの行方が判らなくなってから、もう一週間以上になる。

 あの魔法石が、マリーン公爵令嬢の手に入ったのが何時の事だかは判らないけど。

 公爵が言うのは、マリーン嬢が憑かれたようになったのはちょうどその頃の事らしいの」


ユーリは、武官扱いとして送り出すミハルに言った。


「はい・・・きっとリーンの魔法石に違いありません。

 なんとしてでも取り戻してみせますから・・・待っていてください」


陸続きの隣国に向かうミハルは、フェアリア皇国を代表する武官としてプロイセン公国へと向う事になった。


「頼んだわよミハル。

 今はあなただけが頼りなの。必ずリーンの手懸りを掴んできて欲しいの」


見送るユーリに力強く頷いたミハルに、付き従うのは・・・


「私も居るのでナ。まあ、任せておくがいい」


胸元で紅き毛玉がふわりと浮いた。


「って、神様も仰られておりますので。

 大船に乗ったつもりで、お待ち下さい・・・ユーリ様」


ミハルが見栄を張って伝え、毛玉も頷く。


「そうよね、ミハルとルシファー様が行ってくれるのだから。

 そんなに時間はかからないわよね?」


ユーリがそれでも少々心配そうに訊くと。


「任せてください。この()()()()()()()に!」


胸を張って言い切った。


「う・・・うん。(でも、損な娘だから・・・心配なのよ)」


まだ、心の中では不安が拭えないユーリの顔に向かって、ミハルが敬礼を贈る。


「時間が勿体無いのでもう向います。あちらに着いたら作戦を伝えますので」


敬礼を送りながら運転手に出発を命じる。


「じゃあ、頼んだわねミハル。吉報を待ってるわ」


答礼したユーリが、不安を拭うように別れを告げる。


フェアリア公用車は国を越えて、隣国プロイセン公国へと向かう。

車上の人となったミハルはルシファーだけを供に、リーンの手懸りを求めて旅立った。






__________

__________



ここはプロイセン公国に併合された、元東プロイセン王国の中にある館。


広大な葡萄畑が拡がる敷地に、古くからそこにあったであろう洋館が見える。


敷地内には、農園を取り仕切る農師が数名の使用人と働いている。


ここがプロイセン公国の公爵の屋敷だと、誰もが認めるだろう。



広い敷地に建つ公爵の館もまた、王族の城にも匹敵する規模を誇っていた。

その広い館の中には使用人が数名いて、主人に仕えている。


館の中庭で、箒を掛けている娘が居る。

せっせと掃き掃除する姿には、まだ使用人メイドとなって日が浅い感じがする。


白いカチューシャで髪を括り、ウエストが紺色のコルセットで締め上げられた姿は、

花壇に咲いた花に戯れる蝶のように可憐だった。


ただ、白人には珍しい青味が付いた黒髪が目を惹く。

黒い瞳の中で輝く碧き瞳孔が、ピンクの唇をいっそう引き立てて魅せる。


「新入りっ、メイド長がお呼びですよ!」


呼びかけられた箒を持った娘が顔を向ける。


「はいっ、只今!」


呼びかけられた娘が返事を返すと、


「早くしなさいっ、御当主様とメイド長がお呼びですよ!

 新入りメイドの ミ ハ ル !」


挿絵(By みてみん)


箒を持ったまま、メイドのミハルが館の中へと走りこんで行った。


遂に企画部分に到達しました!


<a href="http://mypage.syosetu.com/487329/">「ちはやれいめい」様</a>、ありがとうございます!ここからの展開がミソですよ?!


ミハルは公爵の館にメイドとして雇われていたのです。

秘密裏にマリーンの魔法石を奪おうとしているのか?

・・・それとも?


次回 Ep4 悪嬢と魔砲少女 Part2

君は理不尽な主に閉口するのか・・・それとも?ああっ、ミハルは”M”のMiharuだったのか?!

  ・・・人類消滅まで ・・・アト 158日

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