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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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第4章 女神覚醒 エピローグ

悪夢の島・・・

その島から出て来る者とは?


世界に訪れるのは恐怖と絶望なのか?

警報音が鳴り響いた。


それは危険が差し迫った事の証。


荒れ狂う波と、逆巻く風に海上は時化の様相をみせている。


「総員配備!砲撃戦用意!」


今、海上に浮ぶのはエギレスが誇る無敵艦隊。

海上を進むのは波に打ち勝てる巡洋艦以上の艦艇達。


「どうやらあれが東洋の島国ヤポンから連絡があった・・・神軍とかいう奴等か」


恰幅の良い将官が傍に居る参謀に訊ねた。


「そのようですが・・・観れば巡洋艦クラスばかりのようですな」


参謀が少々肩透かしだとも取れるゼスチャーを加えて答えた。


「前方の艦に発砲煙!」


艦橋上部の卒距班からの報告が入った。


「むぅ・・・今の距離は?」


司令官の声に廻りに詰めていた士官が答え様とした時。


「敵弾っ、着弾しますっ!」


またも卒距班が叫ぶ。


「今の距離50(50000メートル)!」


「なんだと?!」


司令官が聞き返した時、その怖ろしく長射程の弾が襲い掛かって来た。



永くは保てなかった海戦の末に残ったのは・・・

海上に浮ぶ、木っ端だけだった。





戦争が終ってまだ半年にも成っていない国フェアリア。

再建途中のこの国は、まだ何も知らなかった・・・


「これは現実なのです!閣下。

 現実に起こっている事実なのです!」


陸軍参謀本部で士官達が集まり会議を開いていた。


「だがな、俄かには信じられないぞ。

 報告には巨大なタイフーンが襲い掛かったともあるが?」


高級参謀が若い血気溢れる佐官参謀を窘める。


「そんな馬鹿な事がありますか?

 天候がそれほどの威力をどうやって放つというのです?

 それ程の被害を与え得るというのです?

 これを御覧下さい!」


佐官が差し出したのは二枚の報告書。

一通はエギレス西部の都市が壊滅した様相を。

また、もう一枚には・・・


「ヤポンからの報告書か・・・戦前。

 ロッソアとの開戦より前から送られて来ていたそうだが。

 前と何か違う事が書かれてあるのか?」


将官参謀が下問すると、若い左官がはっきりと言った。


「ええ。

 この度は、全世界に向けて。

 同じ様な文面を送っているようです・・・新兵器の図面と共に」


将官は佐官の言った新兵器の方に気が向き、言葉を荒げる。


「ヤポンが全世界に新兵器を・・・だと?

 それは友好国に対して叛旗を掲げるにも等しい事だぞ?

 何を考えておるのだヤポン政府は!」


ドンっと、机を叩いて叫ぶ参謀将官に佐官が答えるのは。


「いいえ、その事と今回の事件には重大なる接点がございます。

 彼らの言葉に耳を傾けられるのであれば、真実は・・・

 本当の事ならば、世界自体に関わる重大な話です」


エギレスの政府が海軍も重大な損害を被ってしまった事を認めたのは。

その2日後に起きた惨劇に因る。

今度は首都ハンプシャーが巨大な暴風の被害で壊滅したというのだ。

建物も畑も・・・そして人までもが逆巻く風に因って消え去ったという。


自体を隠し切れなくなったエギレス政府は世界に向け発信した。


「人類が遭遇した如何なる災禍より怖ろしい結末が近付いている。

 全世界は日の本(ヤポン)の言葉に耳を貸し、速やかに団結するべし」


被害を受けた国は真摯に受け停めた。

だが、被害を被っていない国では相手にもされていなかった・・・フェアリアのように。




人類を不適格と認識した()()()()()()


彼らは人類の抹殺を命じる、己が下僕に。


彼らは人類を監視し、不適格と判断を下した時は。

速やかなる破滅を齎してきた・・・何度となく。


破滅的兵器を持ち、仲間である人同士で殺戮を繰り返すモノと判断した時には。

彼らは非情なる手段で人を殲滅消滅させてきた。


彼らはこの世界を生きる人間にも見切りをつけた。


そう。


彼らはこの世界を創り直す・・・


人類を消滅させて。


彼らは人類を只のモルモットとしてしか観てはいない。

彼らを創りし者は人の命を造る事さえも出来るというのか?


<創造主>たる者によってプログラミングされた者は自らを神と呼び、

自らを監視者と名乗った。


今、人類は未曾有の危機に直面した。

時代はまだ帝国主義が旺盛の前近代。

文明も進化の課程を漸く進めだした過渡期。


唯、この世界には。

人類に与えられた希望があった。


そう・・・魔法という未知なる力が存在していたのだ・・・





「神に逆らえども無駄。

 神が最期の審判を下すのは半年後の事。

 アト180日後には全ての魂が無に戻る・・・再生の時を迎えるのだ!」


神たる者が進撃を命じる。

<神軍>たる機械化兵達に。

圧倒的な機械力、科学力を持ち合わせる<神軍>に、各国軍隊は()()されていった。



この世界に住む多くの人は、

まだその運命を知りようが無かった・・・



人類消滅まで・・・あと180日

「魔鋼騎戦記フェアリア」復活編<第4章 女神覚醒>をお贈りしました!


熱砂の要塞と時空帯がほぼ同じでした。

あちらでは犠牲者が出ずに済みましたが・・・此方ではトアが早くも亡き人に。


さて。

次章 第5章 蒼空そうくうの魔砲師

ここから全く違った物語になっていくのです。

だって相手が<神の軍隊>なんですから。


ミハルはリーンを救い出せるのか?

人類消滅を食い止められるのか?


空飛ぶ魔砲少女の物語が始まろうとしています!

では、次章でも応援宜しくお願いします

          さば・ノーブ 拝!


次回 第5章 蒼空の魔砲師 Ep1 空へ Part1

君は蒼い空に駆け上がってみたくはないか? 人類消滅まで・・・あと180日

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