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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep1街道上の悪魔Act7堕ちるミハル

ミハル達の報告でアラカン奪還作戦を意見具申するリーン。

「おいっ、ミハル。どうなってんだよっ?」


キャミーがアラカンの村からだいぶ離れた街道上で、

ミハルの体を見回して訊いてくる。


「どうって?凄く紳士だったよクーロフ大尉さんは」


「す、凄く紳士って・・・あの、ミハル先輩?」


ミリアが涙目で訊くと、ミハルは不思議そうに、


「え?う、うん。あんな大きな人だから、

 もっと激しいかと思ったら、そうではなくて。

 本当に優しくて立派な人で・・・なんて言うかなあ。

 そう、もう一度お会いしたいなって思うんだ」


ミハルがミリアに説明したら言葉の言い様で、

キャミーとミリアがとんでもない思い違いをした。


ー  うそ、ミハルって凄い。

   あんな大男を手玉に捕るとは・・・あなどりがたし、ヤポン娘!


キャミーが恐ろしい者を見る様な目で後退る。


ー  うそ、ミハル先輩の初めては私が貰う予定だったのに・・・

   先を越されてしまったとは、無念ナリ!


ミリアは酷く落胆した。






「ん?どうしたの?2人供?」


2人の様子がおかしいのでリーンが問いただす。


「いーんです。ほっといてください」


ミリアが涙目のまま、放心状態で話す。


「? ? ?」


リーンが解らないっといった風で、小首を傾げる。


「ミハルは凄い奴です・・・一人で敵を手玉に捕ったんだから」


キャミーも半ば呆然と報告する。


「? ? ? ?」


さらにリーンは小首を傾げる。


そして当のミハルを見て訊ねるのだった。


「ミハル、どうしたのよ。この2人?」


訳を訊くのだが・・・


「え?いえ、村から帰る途中から、こんな感じになってしまって」


ミハルは苦笑いを浮かべてリーンに答える。


「ふーん。ま、いいわミハルに訊くから。で、敵部隊は?村民は?」


リーンが報告を受け様とミハルに訊く。


「はい。

 私が見たのは北側の林に隠されているトラック3両と、更に奥にある丸太の様な物。

 多分戦車の主砲を偽装したものと思われます。

 それが数本。

 中隊規模の戦車が駐屯しているものと思われます」


ミハルの報告に頷くリーンが更に訊ねる。


「戦車部隊が居るのは解ったわ。兵数は解らない?」


漸く我に返ったキャミーが報告する。


「村の南東部に兵員輸送用の半軌道車が4両。

 これにより判断しますと、約1個小隊60名程が駐屯しているものと思われます」


キャミーの判断に狂いはないようだ。


「歩兵1個小隊と戦車中隊・・・か。

 村の奪還にはそれ相応の兵力が必要ね。

 解ったわ、司令部に報告しておきましょう。

 それで村には村民がどれ位残っているの?」


リーンの問いに、ミリアが手帳を取り出して、


「はい、村の南側の住民はほぼ壊滅、虐殺されたようです。

 街道を挟んで北側・・・つまり戦車隊に近い方は、ほぼ全員が生存しているみたいです」


手帳を閉じたミリアが詳細を報じる。


「どうやら敵部隊の中で歩兵隊と戦車隊で、相当の隔たりがあるみたいですね。

 村民に聞いたところによると、歩兵隊の方が士気が低く、残忍だとか」


そう言ってリーンを見た。


リーンは右手を握り締め、怒りを露わにすると。


「我国の民を・・・卑劣な奴らめ!」


そう言って村の方を睨むリーン少尉。


ー  少尉、堪えて下さい。

   我々戦車1両では、歯が立たない兵力なんです。

   味方が援軍を送ってくれるのを待ちましょう


ミハルはリーンの気持ちを思って心の中で諌める。


「キャミー、直ぐに司令部へ暗号で意見具申を。

 1個中隊程の増援を送って貰って。アラカンを開放する為に!」


リーンがキャミーに命令を下す。


「はい。直ちに暗号電を打ちます」


キャミーは敬礼し、直ぐにマチハに乗り込み無電機に向う。


「後は、何日掛かるかだな。増援が来るのが」


リーンが村を見詰てミハルに言った。


ミハルはそれには答えず、村に居る筈のクーロフ大尉の事を考えていた。


ー  クーロフ大尉、もう直ぐ此方の軍が攻めてきます。

   どうかご無事で・・・生き残って下さい。死なないでください!


ミハルは初めて敵国軍人に生きて、死なないでと願った。




_______________





「第2軍のクランジ将軍から、報告が入っております。

 アラカン奪還の為、戦車1個大隊と歩兵1個中隊を送るそうです」


中央軍司令部の少佐参謀が椅子に座った将官に報告する。


「うむ。作戦発動は何時だ?」


神経質そうなメガネを掛けた将官が訊くと、


「特別支隊がアラカンに到着するのは、明後日1000の予定です参謀長閣下」


少佐参謀の答えに、


「で、アラカンを偵察したのは何処の隊か?」


「は、第97独立小隊で、あります」


少佐参謀の返答にメガネを直した参謀長が訊く。


「隊長名は?」


少佐参謀が執りたてて不自然とも思わず通信欄を見てその名を答えた。


「リーン少尉。リーン・マーガネット少尉であります。ヘスラー少将閣下」


少佐参謀は通信欄から目を、メガネを掛けた参謀長に向け直した。

そのヘスラー参謀長は口を薄く歪めると。


「そうか・・・」


一言だけ答えた。



______________





「少尉、軍司令部から暗号電です!」


キャミーがメモを持って包帯を取っていたリーンに近寄る。


「暗号電?」


リーンは左手で包帯を解きながら聞き返す。


「はい。・・・あの、右手大丈夫なのですか?」


「ええ。動き辛くって。で、内容は?」


リーンは包帯を取ってキャミーに促す。

右手の傷はまだ縫い目も新しく痛々しかった。


キャミーはその傷から目を逸らし、


「はい。第2軍司令部からアラカン奪還作戦の発動と本隊の行動目的。

 並びに増援支隊の到着予定日時を報告して来ました」


メモに目を通しそれをリーンに差し出した。

リーンはメモを受け取って目を通す。


そして呟く。


「誰かが行かなくては・・・いけない」


そう一言呟いて森の中で休んでいるミハル達を見た。



リーンは軍使を送る決断をする。


だが、戦争はそんな甘い考えが通用する様な物ではない事を、後に気付かされる事になる。


そして、ミハルに本当の危機が迫る事になるのだった・・・


次回 堕ちるミハル  Act8

君は危険に飛び込むことが出来るか!?


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