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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep4革命Act30復活 Part9

挿絵(By みてみん)



どう闘うか・・・考える。

悩むミハル。


「ハズされましたね・・・リン。」


後方へすれ違い、走り抜けたマジカが確認する。


「うん、かわされた。やはり並みの魔鋼騎とは違う。

 ただ闇雲に撃つだけの戦車とは訳が違うんだ、手強い相手だよ。」


リンが薄く笑いマジカに頼んだ。


「マジカ。なるよ真魔鋼状態に・・・。

      最強の魔鋼騎へ!」

「そうくると思ったわ!じゃあ力を与えて!」


マジカがクリスタルを差し出し求める。


「ああ・・・ミサトさん、私に力を!」


髪飾りに手を当てたリンが、その力を握り締めてマジカのクリスタルに放つ。


<パ ア ア ア アァッ>


クリスタルが輝き回転を始め・・・



「なっ!何なの、アレっ!」


アルムがペリスコープに映る装甲車の変化に驚いた。


ー本気で来るって訳だね、リンちゃん。・・・マジカさん。-


照準器で捉え続けている6輪装甲車が、碧き光の輝きを放ちながらその姿を変えていった。

それはまるで未知の世界から現れた車両の様に、低く丸みを持った形状へと変わっていく。


<シュウウウッ>


6輪装甲車は変形を終え、その勇姿を晒す。

原型を留めない位の低く丸みを持つ車体。

その上に備えられた砲塔も丸みを帯び、平たくなっている。

ただ、砲だけは今迄と同じ機関砲らしく細く長い砲身を、

その丸みを帯びた砲塔から突き出していた。


碧く輝く紋章を浮き立たせた6輪装甲車が、闘う姿と化し、MMT-9に挑みかかる。


「あれが奴の本当の姿か。これは並みの戦車ではないな。

 どう闘いますか、センパイ。」


砲手席を覗き込むミリアが気付いた。


「あ・・・ミハル・・・センパイ?」


ミハルの瞳が金色に染まったのを・・・。



____________


<ザワ ザワ ザワ・・・>


この試合を観ている者達が、魔法の戦車を見てざわめき立つ。


「うるさいっ!静かに観ていなさいっ!」


リーンの一喝が、観衆を黙らせる。


「リーン隊長・・・姉さん達はどう闘う気でしょうか?」


呟く様に訊いたマモルが、黙っているリーンに振り向くと。


「あ・・・。」


気が付いた。

リーンがれる様に見詰めているのに。

じっとしていられないみたいに、心配そうに唇を噛んでいる事に。


「ミハル・・・負けては駄目よ。

 この観衆が観ている前で<双璧の魔女>が負けたりしたら、

 どんな噂が拡がるか判らないんだから・・・。」


リーンは式典で出来た新たなプロパガンダが、崩れてしまうのを畏れる。


「ミハル・・・負けないで・・・。」


リーンはもう一度、口に出して願った。



___________


「そうだね・・・負けられないね。」


ミリアに答えたミハルの瞳は光と闇の力を併せ持つ色へと変わっていた。


「セ・・・センパイ?本気なのですね・・・その瞳は。」


ミリアが驚きの声をあげる。


「うん・・・なぜだか解らないけど。

 リーンの声が聴こえた様に感じたの。

 負けないでって・・・負けたら駄目って。」


<シュオオオオッ>


ミハルの足元から金色の光が舞い上がる。


「そうですか・・・隊長の声が聴こえたのですね。

 それじゃあ、勝たねばなりませんね。負けられないですよね。」


ミリアがミハルというより搭乗員達に訓示をする。


「ですね、車長!」


タルトがミハルに頷く。


「では如何にしてあの装甲車を倒すか。」

「すばしっこい事は間違いないでしょうし・・・。

 それにあの腕が、また弾を防ぐでしょう。」


ミリアの質問にアルムが答える。


「うん。相手は魔法を活かして闘う魔法の戦車。

 それを封じない限り、勝負を掛けれないわね。」


ミハルが腕組みをして考える。


「そうですね。

 今回はペイント弾を車体に3つ在る紋章に撃ち込まないと勝利にはならないのですから。

 <カメさんつーかまえた作戦>は、無効ですねぇ。」


ミリアが昔使った無茶な作戦を否定した。


「そりゃそうだよミリア。

 乗っかれたとしても、射撃出来なければ意味がないから。」


「へーっ、そんな闘い方をした事があるのですか、車長。」


アルムが興味を惹かれて訊くと、


「ああ、少し前に・・・軽戦車と闘ったんだが。

 その時の作戦では車体を、その軽戦車の上に載っからせて動きを停めようとしたんだけど・・・。

 横倒しになって引き分けたんだ。」


ミリアがミハルを見て少し笑ってアルム達に教えた。


「むう、あれは・・・。ちょっとした間違いだったのよ。」


ミハルが思い出して苦笑いを浮かべた。


「へー。そんな闘いもあったのですね。

 上から押さえ込むなんて。正に手も足も出ないですよね。」


アルムが言った・・・ヒントを。


ーマリーさんとの闘いで、私達は上から押さえ込む事には成功したけど・・・。

 横倒しになってしまって、共倒れになった。

 手も足も2両共出せなくなった。

 今回は前とは違い、試合形式なんだ。

 ペイント弾を当てられなくては意味が無いもの・・・だとしたら?-


ミハルが考えるのと同じ様に皆が考えて。


ー相手だけが動けなくするには、どうすればいいのかな。

 実弾は使えないし・・・動力系を破壊する事も出来ないし・・・。-


ミハルと同じ様に、皆が頭を捻る。


ーあー、もう。考えても考えても・・・善い案が浮かばない。お手上げだぁ。-


ミハルは頭を抱えて悩んでしまう。


「車長?善い案が浮かびませんか?」


タルトが訊くが、返事に詰まる。


「どれだけ考えたって何も思いつかないにですが・・・。

 もう、ひっくり返っても想い付かないですぅ。」


ルーンが頭を抱えて呟いた。


・・・。


ーひっくり返る?-


・・・。


ルーンの言葉にひらめいた4人が。


「それだっ!」


同時に想い付いたようだった。

そして、試合は再開される。

MMT-9が走り始める事で。

ミハル達は何を思いついたと言うのか?

それは・・・?


次回 復活 Part10

思いついたのは・・・


挿絵(By みてみん)

・・・だ、そうです。

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