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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep2姉弟Act46カメさん つーかまえた作戦!?

挿絵(By みてみん)


闘いは始まった。

だが双方共に決定打が攫めないまま突っ込む。

そんな時ミリアが言った言葉がヒントとなった・・・?

「いいか、ミハル!体当たりする覚悟で突っ込むぞ!」


ラミルが言うや否や、アクセルを一杯まで踏み込んだ。


「はいっ!」


ラミルの意とする処を汲んで、ミハルが答える。

残りの弾数は3発。

その3発で勝負を決するつもりだが。


ー一発。そう、一発あれば事足りる。

 この一発で全てを終らせてみせる。-


ミハルは込められている魔鋼弾一発で軽戦車を戦闘不能なダメージを与えようと決めていた。


ー彼女はどうなのだろう。

 ローダー5発全部使うつもりなのかな?-


真正面から突っ込んで来る軽戦車を見て、ミハルは考える。


「距離500をきったよ、ミハル姉!」


ルマが砲手席に振り返って知らせる。


「まだまだ。ここで当てても戦闘不能にならない。」


リーンがミハルを代弁して教える。

正面を撃ち抜いても回復魔法を使われては勝負に勝ったとは言えない。

相手もこちらの正面装甲を破れない事を知っている為か撃ってこない。


ーエンジンを撃ち抜いても、直せば闘える・・・。

 砲を撃つ事が出来る。

 それは此方も同じ。

 だったら一発で戦闘不能にするには?-


ミハルが照準先を考える。


ーでは、さっきみたいに砲口へ撃ち込む?

 ・・・それも駄目。

 だって今、こうして闘っているもの・・・。-


照準器の中に居る軽戦車を見て、ミハルは思った。

相手は身の軽い車体。こちらは重戦車。

車体の大きさや、重さは此方が上。

戦車としては自分達のマヘトが勝っている長所を使って勝つ事が出来ないのかと。


ー車体にダメージを与えても修復魔法がある限り、勝負が着いた事にはならない。

 相手が手も足も出せなくするにはどうしたらいいんだろう。-


思わずミハルは想った事を口に出していた。


「手も足も出せなくするにはどうすればいいのかな?」


ぽつりと呟いたミハルに、ミリアが手持ちぶたさに話に加わる。


「手も足も・・・出せなくなる・・・ねぇ。まるでカメが捕まった時みたいですねぇ。」


ミリアが何のとは無しに言った言葉を連想したミハルが。


「カメ・・・って。カメ?捕まえる・・・捕まえる?」


ミハルの瞳が何かのヒントを捉えた。


「そうか!別に砲で決めるだけが勝負じゃないものね!」


そして何か決定打を考え付いたらしい。


「にひひ。これなら絶対闘えなくなる。戦闘不能になる筈だ。」


悪戯っぽく笑ったミハルが、リーンを見上げて打ち明けた。


「リーン!この勝負貰ったよ!」

「はあ?ミハル・・・何を想いついたのよ。

 ・・・不気味に笑うの・・・やめて・・・。」


にへらっと笑うミハルに真剣勝負中に何を笑っているのかとリーンがたしなめる。


「へっへっへっ。凄い作戦思いついちゃったから。

 これなら回復魔法も意味をなさないから。」


まだにへらっと笑っているミハルに車内の全員がドン引きする。


「あああっ、ミハル姉が手詰まりで狂っちゃった?」

「わ、私が余計な事を言ったばかりに・・・。」

「ミハル。どーでもいいけど、もう目の前だから相手が・・・。」

「ミハル・・・取り敢えず訊くけど。どんな作戦なの?」


4人が口々にミハルの態度を見て慌てる。


「うん、それはね。題して<カメさん つーかまえた作戦>!」


挿絵(By みてみん)


「・・・・。」

「・・・・。」

「・・・・。」

「・・・・ぷっ。」


4人が目と口を大きく開けたままミハルを見た。


リーンが噴き出し笑い転げる。


「あははっ、何よそれ?ミハルはどうしようと考えているのよ?」


リーンが作戦名はいいとして、どう闘うのかを訊く。


「相手は修復魔法を使うから砲で撃ってもなかなか決定打とはいかない・・・。」


ミハルが説明を始める。


「うん、それもそうね。」

「でね、考えたんだ。どうすれば手も足も出せなくする事が出来るのだろうって・・・。」


ミハルが指を一本立てて皆に教える。


「乗っかっちゃったら、動けなくなるんじゃないのかなって!」


ミハルが立てた指を一本下に向けてマヘトで軽戦車を押さえ込む作戦を発表した。


「・・・・。」

「・・・・。」

「・・・・。」

「・・・・。」

4人が再び目と口をあんぐりと開けて驚く。


「あれ?おかしいかな?」


ミハルが4人の顔を見て小首を捻る。


「あの・・・どうやって乗るんですか?」


ミリアが目を点にして訊く。


「うん?車体を昇ってだよ。」

「い、いや。ミハル姉、どうすれば乗っかかれるの?」


・・・・・。


「カメさんを捕まえるには上から手で掴むでしょ。」

「はあぁ?」


ミリアとルマが気の無い返事をする。


「上から押えるって事はジャンプでもしろって言うのか?」


堪らずラミルが口を挟んでくる。


「どこの世界に重戦車がジャンプ出来る世界があるんだよ!

 無茶を言うな。・・・漫画じゃあるまいし!」


操縦しながらラミルが呆れる。


「あはは、ラミルさん。そりゃあ70トンもある車体がジャンプ出来るならマンガですよ。

 でも、急な斜面を昇る事は出来ますよね。」


ミハルが手に角度を着けてラミルに尋ねる。


「う、そりゃあ・・・まあ。登坂能力限界までは・・・登る事は出来るが・・・。」


そこで振り向いたラミルがミハルを見てギョッとした。


ーミハルの奴、何を思い付きやがったんだ。

 さっきまであんなに重く真剣な顔で考えていたくせに・・・。-


普段より明るくにやけた顔をしているミハルに驚く。


「おい、ミハル。何をしようって考えているんだ?」

「へっへっへっ。カメさんつーかまえた作戦です。」


にへらっと笑ったミハルがそこで顔を急に引き締めて、


「これで全ての決着を着けます。完全に相手を手も足も出ない状態にします。

 皆、私の言う事に従ってください。」


4人を見回してミハルが指示する。


「解ったわ。ミハルの言う通りに動いてあげる。

 ミハルが決着を着けてくれるのならね。」


リーンが即座にミハルに指揮権を授ける。


「ミハル姉に任せた!」

「先輩を信じていますからっ!」


ミリアもルマも指示を仰ぐ。


「じゃあ、私はどう操縦すればいい?」


ラミルが指示するように、ミハルに求めた。


「はい、今は後に廻り込まれない様にグルグル周ってください。」

「ほい・・・よ。」


言われた通り、ラミルは操縦桿を倒して、進行方向を変えた。



最期の闘いに臨むに辺り、ミハルはとんでもない作戦を考え付いた。

それは、本当に勝負と成り得るのか?

大丈夫か?ミハル・・・。

次回 走り回れ!撃て!すっころべ!?

君は自ら発案した作戦を遂行する・・・お笑いか?

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