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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep2姉弟Act5その瞳は

キュリアの魔法で傷付いた身体を癒されたキャミーの目覚めの時が近づいた。

それはミハルの想いが形になる瞬間・・・・。

「ふうっ、どうですミコト様。もう宜しいでしょう?」


リーア・・・看護婦キュリアが手から放ち続けていた力を止めて言った。


<うむ、御苦労だったなキュア・リーア。助かったよありがとう>


「あら、おめずらしい。聖巫女様がお礼を述べられるなんて」


微笑んでキャミーの寝顔を見る。

キャミーの瞼が微かに動いている。


<もう、ミハルを呼んでもいいんじゃないか、リーア。

  感動の対面と、いかせてやってくれないか>


ミコトがリーアに求めた。


「はい、確かに。それでは呼んできましょう」


キュリアが魔法玉を直して病室を出て行こうとすると、


<キュア・リーア。ありがとう、恩にきるよ>


ミコトが再度礼を言ったのを立ち止まって聴いたキュリアが振り返り、


「いいえ、聖巫女様。礼を言うのなら、リイン様に仰って下さい。

 それと、その姉の娘にも・・・」


そう言うと、病室を後にした。





___________________________________





「あっ!キュリアさんっ!」


目ざとくリーンが看護婦を見つける。

弾かれた様に二人は席を立ってキュリアの元へ駆け寄ると。


「キャミーは?どうなのです!?」


「キャミーは目を開けたのですか?」


2人がこもごも訊く。


「ふふふっ、もう大丈夫ですよ、御2人供。早く病室へ行っておあげなさい」


キュリアが教えると、真っ先にミハルが走り出す。


「あっ、こらミハル。病院内で走らないっ!」


リーンが止めるのを無視してミハルはキャミーの元へ走って行った。


「あらあら。ミハル軍曹ったら」


キュリアが微笑んで後姿を見送った。


「ありがとうキュリアさん。本当に・・・」


リーンがキュリアに礼を言った時、


「いいえ、リイン聖王女。いつでもお声を掛けてくださいな。

 私はいつでも、どこへでも参上致しますから。このキュア・リーアが」


青い瞳と髪に一瞬姿を変えてリーアが教える。

自分が千年前の侍女である事を。


「キュア・リーア。恩にきるよ、私の侍女」


リインがリーンの口を使い、礼を言った。


「はい。では、失礼致します。聖王女様・・・」


キュリアはリーンの前から去って行った。

その後姿に、リーンは深々と頭を下げ応えた。







「キャミー!」


ドアを開けてミハルが呼ぶ。

だが、まだキャミーの瞳は閉じたままだった。


「キャミー?」


ミハルはベットに近寄り声を掛ける。


「ミコトさん、キャミーは?」


ベットの上にある自分の切り落とした髪に宿る聖巫女に訊く。


<ああ、キュア・リーアが治して行ってくれたから。

 もう大丈夫だ、安心しろ。さて、私も戻るとするか>


ミハルが髪に触れて訊くと、ミコトの魂が宝珠の中へ戻ったのが解る。

右手の宝珠が輝きを取り戻したのを見て、


「ミコトさんも・・・ありがとう」


ミハルが礼を言った。


<さあ、ミハル。呼び続けてみろ。

 もうこの娘は誰かが起こしてくれるのを待っているのだから>


ミコトの微笑が伝わる。


「はい、ミコトさん!」


ミコトに勧められるまま、キャミーの手を取り、


「キャミー?キャミー?目を開けて。私だよ、あなたに救って貰ったミハルだよ!」


そっと握った手に、少しだけ力を込めて呼びかける。


「お願いキャミー、もう目を醒まして。私にあなたの笑顔を見せて!」


握った手に額を当てて願うミハル。


「お願いキャミー、お願い神様。どうか私の願いを叶えさせて。瞳を開けてキャミ―!」


キャミーを呼ぶ声が病室に流れ続ける。


「・・・ったく。オチオチ死んでられねえな、ミハル」


求めていた声が、ミハルの耳を打つ。


「!」


その声に顔を上げたミハルの瞳に映るのは。


「キャ・・・ミ・・・キャミー!」


酸素マスクを着けたままのキャミーの瞳がゆっくりと開かれてゆく。


「キャミー!」


大きく目を見開き、ミハルが震える声で呼ぶ。


「ただいま・・・ミハル」


どこか遠くへ行って還って来たかのように、キャミーが応える。

その瞳を微笑みで潤ませて。

ずっと名を呼び続けてくれていた大切な友へと。


挿絵(By みてみん)


「おかえり・・・キャミー。おかえりなさいキャミ―!」


涙を瞳から溢れさせたミハルが、キャミーに抱き付く。


「キャミー!  キャミー!!」


友の名を叫んでミハルは泣く。

願いが叶った嬉しさと、果された想いに感謝を込めて。


今は唯、大切な友に縋り付いて涙を流し続ける。



「良かった・・・善かったわねミハル・・・おかえりなさいキャミー」


挿絵(By みてみん)


ドアに背をもたれさせて、リーンが呟いた。

その瞳に涙を湛えて・・・



リーンのお礼の電報を見て、ほっと一息吐いたユーリ。

その姿を見詰めている妖しげな瞳があった・・・


次回 蠢く者

君は闇の存在を知らない・・・そう、今はまだ・・・


今回迄で、前章からのフラグを回収した事になります。

本当はキャミーもミリアも死んでいた事になっていました。

そう、原本では・・・

でも偲び難くなり生き残らせてしまいました。

これで本当に先が見えなくなっちゃいました・・・(自爆)

さあて、この先作者も見えなくなってしまったお話。

本当に第3章で終わる事が出来るのか?

・・・

終らさなきゃあ、次の物語を書けないですもんね・・・

なんとかしなきゃ・・・(ヤバイです)←こう考えていた時が有りました<2018年追記>

それでは次回から辻褄が合う様に書き直していきますか!

とくにミリア!お前が小隊に居るのが辛いんだよー!


追記・ なんだか。思い起こせばこの時にはこんな考え方でしたねぇ(しみじみ)

    2018年12月

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