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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep1闇の魔鋼騎Act36ドートルの作戦立案

司令部に呼び出されたミハル達。

師団長が集められた精兵を紹介した・・・

司令部から師団長の呼び出しが掛かったのは、

ちょうどキャミーが皇王親衛隊宛の電報を打電し終わった後の事だった。


師団長はリーンとミハルの魔鋼騎士を特別編成の部隊員の前へ連れ出した。


「マーガネット姫と、その砲手でエース砲手のシマダ・ミハル軍曹。

 皆の知っている通り、<双璧の魔女>のトップエースだ」


ドートル中将が30名の隊員に紹介する。


「リーン・F・マーガネット中尉です、願います」


敬礼しながら30名の隊員を見る。

その顔の誰もが一応に憧れと羨望の眼差しでリーンを見ている。


「シマダ・ミハル軍曹です、宜しくお願いします!」


ミハルも申告して敬礼を送る。

リーンが敬礼を解くと、全員が答礼を終える。


「さて、我々第2師団の中でも腕利き揃いの諸氏には判っていると思うが、

 敵は暗黒魔鋼騎と呼ばれる一両の軽戦車だが・・・」


ドートル中将が全員の前に立ち、話し始めた。


「これまでの一週間で我々は奴に12両もの中戦車を破壊、撃破された。

 その殆どが不意打ちによる奇襲攻撃によってである。

 これを放置しておくのは我が師団の名折れでもあり、今後の作戦にも影響を及ぼしかねない。

 よって奴を撃破、駆逐せんものである」


ドートルが机に近付き指揮棒を手にした。


「よし、今ので説明は終わりだ。皆近寄れ」


部隊員全員を机の前に集めてから、ドートルが続けた。


「これがこの辺りの地形図だ。

 三方を山で囲まれてはいるがその稜線は低い。

 戦車でも越す事は楽であろう。

 この盆地の中へ奴を誘い込み、三方の山から集中射撃を加えて袋の鼠にする!」


指揮棒で地形図を指し、作戦を説明しだしたドートルに。


「師団長、質問があります。宜しいでしょうか?」


一人の戦車長が手を上げる。


「うん?どうやって奴をここへ誘い込むか。と、言うのだな?」


質問を受ける前に、ドートルが先んじて言う。


「は、はい!」


気勢を削がれた質問者が頷くと、


「本日敵偵察隊が自軍に報告したのを傍受した。

 奴は勝手に現れる筈だ。リーン中尉の車両を狙って」


ドートルがリーンを見ながらその訳を話す。


「その暗黒魔鋼騎はマーガネット姫を狙っているのですか?」


またある車長が質問する。


「それは解らん。

 だが奴は、奴等は何らかの目的を持ってリーンの車両を追い求めている。

 今迄の戦法、撃破された中戦車は何れも本師団へ移動中を襲われた事を考え合わせても、

 奴が敵部隊の命令で行動しているのは間違いないと思える」


そこまで話したドートルが皆を見回し、


「断じてマーガネット姫を討たせてはならん!」


それは一師団長の命令と言うより、一国の命運をになった者への国家の命であった。



「善いか、皆。奴をこのままのさばらしておけば必ずいつかマーガネット姫を狙い襲ってくるであろう。

 もし、その時誰も気付かぬ内に撃たれてしまえばいくら姫が<双璧の魔女>とは言え、

 只で済むとは限らん。

 そうなる前にこちらから攻め、奴を駆逐するのだ。いいな、解ったな!」


「はっ!」


全員が命令を受け敬礼した。


「よし、では作戦はこうだ・・・」


ドートルは頷き、師団参謀長以下、司令部要員に計画を説明させる為に目配せした。


作戦が始まる。

次第に雪の世界になってゆく中、ミハルとミリアは寒さを堪えて見張りを続ける。


次回 雪の中で待ち伏せ

君は本当の宿敵を待ち続ける・・・運命さだめと知らずに・・・

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