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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep1闇の魔鋼騎Act32救援に来た者

闘いは突然起こり、瞬く間に終る。

ミハル達MMT-6の乗員は来援した小隊の元へと向う。

そこに居た来援部隊の隊長らしき人は・・・

硝煙が風に霞んでいく。



「味方小隊が生存者の救助をしている」


ラミルが味方小隊と合流する為に近付くと、

撃破した軽戦車2両に隊員が近寄り生存者の救助活動を行っているのが見えた。


「私達も手伝いましょう」


ミハルが命じ、ラミルが車体を近寄せる。

キューポラに昇ったミハルが、味方小隊員に声を掛けて車体から降りた。


「救援ありがとうございました。被害はありませんでしたか?」


救援小隊の隊長らしき金髪の中尉に後ろから声を掛ける。


「こらっミハル!怪我してるじゃないの!」


振り返ったその顔は、


「あ・・・。リ、リーン?!」


救援小隊を指揮して来たと思ったミハルがリーンに怒られると思って包帯を巻いた左腕を隠す。


「今更、遅いっ!」


リーンに睨まれたミハルが逃げようとしたがあっさり捕まる。


「ごっ、ごめんなさいぃぃっ私のミスでしたぁっ!」


車体を傷付けた事を謝る。

後ろから抱き寄せられたミハルが怒られると思って首を竦めていると。


「心配したんだから。砲塔に命中弾が炸裂した時、本当に心配したんだから・・・」


ミハルを抱締めてリーンが呟いた。


「リーン・・・」


はっとしたミハルが抱締めたリーンの手をそっと掴んで頷いた。


挿絵(By みてみん)


「うん・・・ごめんね、リーン。心配かけて」


心配を掛けた事を謝るミハルに被害を受けてしまった車体を見上げながら、


「いいの。・・・それにしても、この軽戦車の砲を見て」


撃破した軽戦車に向き直ったリーンが教える。

その長く突き出た砲を。

見上げた砲は長大でその貫通力の高さが伺える。


「砲自体の口径は57ミリクラスと思うけど。

 砲身長は60、いえ70近くある筈。これなら我々の装甲を破る事も難しくない訳ね」


リーンが砲とMMT-6を見比べて言う。


「うん、魔鋼状態じゃなかったら、貫通されていたと思う」


包帯を巻いた腕に眼を落とし、ミハルが答えた。

高い貫通力を誇るその砲身を見上げていた二人に。


「中尉殿、敵の生存者が4名居ますが、尋問はどうしますか?」


小隊員が命令を乞う。


「あ、陣地へ連れて行って貰えるかしら。

 私はこっちの車両で戻ることにするから。小隊長に宜しく言っておいてね」


パタパタ手を振ってリーンがミハルを促し、MMT-6に向う。


「リーン、いいの?小隊の指揮をしなくても?」


救援小隊の指揮を執らなくてもいいのかリーンに訊くミハルに、


「あ、いいの、いいの。無理に載せて貰って来ただけだから。

 本当の指揮官はH型のクラメンス少尉だから」


そう言いながらリーンがH型に向けて手を振ると、

そのH型のキューポラに立つ赤毛の女性士官が、微笑みながら敬礼してくる。

リーンと、ミハルがそれに答えて答礼すると、

クラメンス少尉は4両を率いて陣地へ戻って行く。


「さあ、私達も師団と合流しましょうか」


ミハルを車内へ入れてリーンがキューポラから乗り込む。


「あっ、中尉。お帰りなさい!」


目ざとくリーンを見つけたミリアが呼びかけると。


「みんな、御苦労様。怪我はない?」


ミハルを見て笑ったリーンが他に怪我を負った者が居ないのを知ってほっと息を吐く。


「はーい。いつもの事ですから!」


ミリアがそれに答えて笑い返す。


「むぅ。ミリア・・・一言多いよ」


口を尖らせ、ミハルが剥れた。


「よしよし。大事に到らなかったから、良しとしときますか」


リーンがヘッドフォンとマイクロフォンを着けてそう笑う。

そして、味方小隊の後を追う為に、


「ラミル、戦車前へ。お腹減らしている魔女さんが居るから早く陣地へ行きましょうね?」


ラミルに前進を命じた。


「・・・リーンも一言多い・・・」


苦笑いを浮かべたミハルが一人で愚痴た。




____________




陣地で休息を執る。


「はあ?待ち伏せじゃなかったって?」


珈琲を飲んでいたラミルが聞き返す。


「そうらしいですよ。あの乗員達が言っていたみたいですね」


キャミーがタオルで髪を拭きながら答えた。


「じゃあ偵察?あんな処で何を探っていたんだ?」


ラミルが訳が判らないといった風に訊くと、

同じ様にタオルで髪を拭くミリアが、


「それがですね、どうやら我々の事を待っていたみたい・・・と言うか。探していたみたいなんです」


少々小さめの声で教える。


「私たちの事を?」


ラミルの眉がピクリと動く。


「そうみたいですね、詳しくは聴こえませんでしたが。

 今、小隊長と班長が呼び出されている件と、関係があるのかもしれませんね」


キャミーが野営テントの外を見て答えた。


小隊は師団司令部近くに到着し、整備に掛かっていた。

その折、リーンとミハルは師団長から呼び出されていた。

そこで会った人とは?

次回 銀髪の師団長ドートル

君は・・・なんじゃこのおっさんは!

次回はちょっと問題ですね!

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