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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep1闇の魔鋼騎Act30再び闘いの渦中へ

ミハルは観測をギリギリまで継続する。

やがて闘いの幕が開く・・・


今回はここでミハルの髪形について。

挿絵(By みてみん)

今迄のと、この髪型。どちらが似合ってるでしょうか?意見待ってます。


ミハルはギリギリまで敵状を観測してキューポラから降り、

砲手席に着いてマイクロフォンとヘッドフォンを砲手用に付け直した。


「これより対戦車戦を行う。リーンが居ない分、各自で出来るだけ敵情を観測して下さい。

  ラミルさん、敵が出て来たら攻撃を開始します。即時全力を出せる様にっ!」


「了ー解っ!」


ミハルの号令に、ラミルはエンジンの回転を上げ、クラッチを踏み込む。


「味方4号小隊散開した。目標を捕捉した模様!」


キャミーがペリスコープを覗き込んで報告する。

ミリアは徹甲弾を込め、ベンチレーターを廻し、


「装填よし、射撃準備よーしっ!」


ミハルに攻撃準備が整った事を知らせる。


「了解、敵が出て来たら射撃開始します。目標までの距離1600。側面攻撃を掛けます!」


ミハルは予め敵が出てくるであろう地点へ砲塔を旋回させる。

ステレオ式照準器を6倍に倍率を上げ、敵速を約30kmとして8シュトリッヒ位の所へ照準点を付けた。


味方中戦車小隊が砲を指向して射撃態勢を執りつつ前進してくる。


ー  まだ敵に動きがない。完全に闘うつもりなんだ!


ミハルは照準器越しに観測を続けて、味方が近付くのを危険だと感じ始めていた。


ー  敵は軽戦車だと思うけど、もしかしたら相当貫通力の高い砲を備えているのかもしれない。

   これ以上無闇に近付くと反対に返り討ちになるかも・・・


ミハルが危険を察知して、


「キャミーさん、味方に連絡を取って。それ以上近付かない様に。

 敵は完全に待ち伏せ状態で狙っているって!」


味方に知らせる様にキャミーに命じる。


「了解っ!」


直ぐ様キャミーが無線のダイヤルを回し味方に連絡を取ろうとした時には、

既に距離2000メートルまで接近していた。


「あっ!」


キャミーが連絡を取る前に、味方小隊が発砲するのが見えた。

敵を直接狙ってというより、威嚇する為に近い射撃が林に潜む敵偵察隊附近に着弾する。


「味方小隊発砲!」


ラミルの声が車内に響く。

ミハルの眼に着弾した砂煙の中で敵部隊の砲身が動き出した。


「敵が出て来るっ。戦闘、対戦車戦。目標林から出て来る敵戦車。

 距離1600、徹甲弾。射撃始めっ!」


ミハルが戦闘開始を命じる。

照準器の中で林から砲身が、そして車体が現れた。

その車体は確かに軽戦車であったが・・・。


「あっあれは?」


ラミルが驚きの声を上げる。


「軽戦車・・・なのか?」


キャミーも初めて見る車体に驚く。



林から飛び出して来た軽戦車は、今迄の軽戦車とは全く違っていた。

長い砲身は高い貫通力がある事を伺わせている。

そして、低い車体と砲塔。

まるで突撃砲か、駆逐戦車の様なフォルムを持ったその軽戦車が、林から出て味方小隊へと走り出した。


ー  しまった!速いっ。

    一両目は間に合わない!


ミハルは素早い敵に後手を踏んでしまった。


ー  2両目を狙おう


慌てず次に出てくるであろう2両目に狙いをつけて、


「目標敵軽戦車2両目、撃ちますっ!」


指をトリガーに掛けて射撃タイミングを測る。

続けて2両目、3両目が姿を現した。


ー  よしっ、今だっ!


っ!」


トリガーを引き絞り短く号令する。


((グオオムッ ガシャッ))


MMT-6の長砲身75ミリ砲が火を噴いた。

赤い光の尾を曳く弾が敵の横腹目掛けて飛ぶ。


「ミリア!次弾装填っ!」


ミハルが次発装填を急かす。

照準器の中で初弾が出て来た2両目の側面下部に命中するのが映る。


「命中!敵軽戦車、火災発生!」


キャミーが観測しつつ報じた。


「ミハル!発進するか?」


ラミルがアクセルを踏み込み、いつでも出れる様に準備して訊く。


「はいっ!発進っ、戦車前へ!」


発進命令を下し、敵への接近を試みる。


((ギュラララッ))


急発進を始めたMMT-6に気付いた敵軽戦車2両が、

慌てて進行方向を変えて味方中戦車小隊から離れ、ミハル達MMT-6の側面へと向って来る。


「敵はこちらに気付いた。2両共こっちへ来るぞ!」


キャミーがペリスコープを睨み観測を続ける。


「了解。ラミルさん、最初の一両を狙います。側面に廻り込まれない様、旋回して下さい!」


軽快な機動をする敵軽戦車に砲塔を向けながらミハルが命じる。


「よしっ、任せておけ!」


ラミルが全速を出しながら敵の機動に合わせて旋回させ正面を向け続ける。


「ミリアっ連続射撃を掛けます、全て徹甲弾!」


振り返りもせず、ミハルが命じる。


「準備よし、何時でも宜しい!」


ミリアは既にミハルの意図を汲んで射撃準備を整えていた。

ミリアの錬度が相当上がっているのに微笑むミハルが、次弾を放つ。


((グオオオムッ ガシャッ))


尾栓から薬莢が排出されると、間髪要れずミリアが装填する。

放たれた弾を避ける先行した一両が左へ避けるのを予測したミハルが照準を合わせる。


ー  よしっ、思った通りだ!


最初の弾を左へ避ける軽戦車に、


「撃ぇっ!」


狙い済ました必中弾を放つ。


((グウオオオムッ ガシャッ))


ミハルが命中を確信した弾は回避が間に合わない先行の一両目に吸い込まれる様に当たり、


((ガッ! ズドンッ))


後部エンジンパネルが吹飛んで斯座する。


「最期の一両!」


更に突っ込んで来た最期の3両目に砲塔を旋回させるミハルに、


「味方小隊、攻撃開始!」


キャミーが観測報告を叫ぶ。


((ガ、ガガン、ドン))


4両の75ミリ砲が次々と火を噴き軽戦車の周りに着弾煙が上がる。

それでも残った一両はMMT-6に向けて突入を図る。


「ラミルさん、左舷にすれ違って下さい。このままでは体当たりされかねません!」


ミハルは敵の意図を測って回避を命じる。


「ミリア!防御力を上げるわ。魔鋼機械発動!」


右手の宝珠を砲に翳したミハルが力を解放する為にミリアに命じた。


「了解!魔鋼機械作動しますっ!」


ミリアが左手のグローブで、赤い発動ボタンを叩き込む。


  ((ブウンッ))


作動した魔鋼機械がミハルの力を受けて車内を碧く染める。

MMT-6の装甲が増し、車体を変化させる。


「先輩!魔鋼弾に弾種変更しますか?」


ミリアが装填済みの徹甲弾を詰め替えるか訊くが、


「その暇はないわ!このまま徹甲弾で撃ちます!」


ミハルが照準器を睨んだまま答えて、


「これで決着をつけるっ、撃てっ!」


トリガーに指を掛けた時・・・



軽戦車を迎え撃ち2両を撃破する事に成功したMMT-6。

だが、最期の一両を撃とうとした瞬間に、キャミーの叫びが耳を打つ!


次回 撃破は・・・

君は撃ち勝てるのか?それとも?!

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