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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep1闇の魔鋼騎Act17仲間の絆

ミハルの偽者に気付いた仲間達。

心配するミリアと共にラミルが探しに部屋を走り出る。

その時リーンの元にミハルが現れる。

ドアが閉められるとラミルがゆっくりと起き上がる。


「・・・私達の仲を嘗めているとしか思えんな。そうだろミリア、キャミー?」


偽ミハルが部屋から出て行くと、

ラミルの元へ2人に知らせに行ったミリアと、その異変を知らされたキャミーが現れる。


「全くですラミルさん。いくら顔形を似せて化けたって、この私の指先には敵いませんからね!」


「まあな。別にミリアみたいにタッチしなくても変だと思うさ。

 あいつはミハルを何も判っちゃいないだけさ。直ぐにリーン中尉も解るだろ。後は・・・」


キャミーが自分のロッカーから拳銃を取り出しながら、


「あいつに口を割らせてやるだけだな。何故こんな事をしているかを・・・さ!」


キャミーがホルダーをスライドさせ実弾が装填されているのを確認して二人に言った。


「それと、ミハル先輩を探さないと。先輩の身を確保しないといけません!」


ミリアがミハルを心配して2人に探しに行くのを求める。


「うん、そうだな。

 ミハルがこの基地内に居るのは間違いない。手分けして探すぞミリア。

 整備員の手は借りれない、まだあの娘が居るんだからな」


ラミルがベットから起き上がってミリアと共に探しに行くと告げる。


「ああ、ラミルさんとミリアでミハルを探し出してくれ。

 私はリーン中尉の身を護衛するから。

 リーン中尉が教えてくれたからあの二人をマーク出来たんだからな。

 中尉の気持ちを無下には出来ないだろう」


キャミーは拳銃を後ろベルトに差し込んで、指揮官室へと向かう。


「キャミー、中尉の事を頼むぞ!」


ラミルとミリアが連れ立ってミハルの捜索へ走り出す。




ドアがノックされる。


「リーン中尉、宜しいですか?」


ドアの外からミハルの声がする。


ー  ん?ミハルにしては声の掛け方が違うわね。でも、声は同じ・・・


リーンは机の引き出しの中を確認してから。


「いいわよ、入りなさい」


外に居る者を招き入れる。


「お話しがあります、中尉」


入って来たのはミハルに違いなかった。


「何?ミハル。あらたまって・・・」


リーンが座ったまま訊く。


「ええ、砲尾の件で、お話しがあるのです」


ミハルがリーンの顔を真っ直ぐ見ずに話し掛ける。


ーん?いつものミハルなら話す相手の顔を見て話し掛けるのに。何か変ね、というより・・・


「うん、あの件ね。何かしら。」


リーンは目の前に居るミハルを見詰めて気が付いた事があった。


ー  ふっ。このミハルは・・・別人ね。善く化けたものだわ。

   でも右手に宝珠を填めていないし、何より瞳の色が全く違う。

   ミハルの瞳はそんな澱んではいないわよ・・・


やはりリーンはミハルの事を誰よりも善く解っていた。

一目見ただけで術を破ったのだから。


ー  そうか、こいつが今回の事件の犯人なんだ。さて、その狙いは何なのか・・・探ってみるか!


リーンはワザと目の前に居る者に話を併せる事に決めた。


「さあ、ミハル聞きましょうか。あの尾栓がどうしたの?」


リーンは引き出しをそっと手前に引いて訊く。


「はい。あれは私が確認を怠った為に起きた事故なのです。

 整備が悪かった訳ではないのです。

 それを黙っていて整備員に罪を被せた上に制裁を加えました。それを伝えに来ました」


目の前の偽ミハルが告発する。


「ふーん、そうなんだ。あの件はあなたが起こしたと言うのね?」


リーンはミハルが、と言う所を敢てあなたがと言う。


「そうです。誤射の件で罰直を与えられた腹いせのつもりだったのです。

 狙ったのは砲の後方に居る者、つまりリーン中尉、あなたです」


偽ミハルが気付かれているとも知らず、出鱈目を言う。


ー  ふっ、そうなんだ。あれは私に危害を加えるつもりだったのか。

   それにしてはお粗末な事をする奴ね・・・


「そうなんだ、あれは私に対する充て付けのつもりだったのね?」


白々しくリーンが答える。


「そうです中尉。あなたの指揮が私をイラつかせるのです。

 もうあなたの元では勤めるのが嫌になりました。私を転属させてください」


偽ミハルが目的を告げた。


ー  ミハルを転属させる?

   何を訳の解らない事を言うんだ、この偽者は!

   だんだん腹が立ってきた・・・どこまで我慢出来るかしら、私・・・


頬をピクピクさせるリーンを見て、偽ミハルは勘違いした。


「ほら、中尉。これが私なんですよ。

 お互い嫌になったでしょ。さっさと転属しろと言いなさいよ!」


偽ミハルがここぞとばかりに言い放つ。


ー  ううっ、キレそう・・・我慢、我慢よリーン・・・


リーンは眉をピクピクさせて自分に言い聞かす。


「待ちなさい、あなた。

 もしミハルを転属させたらどうするつもり?何処の部隊へ行くつもりなのよ?」


リーンが偽者に対して、ミハルを何処へ行かせるつもりなのかを訊く。


「ふっ、取敢えずは中央軍司令部直轄部隊へでも行くわ。そうすればもっと良い処へ行ける筈だから」


偽ミハルがつい口を滑らせた。


ー  やっぱりか。中央軍司令部からの回し者だったのか。

   それじゃあ今度はミハルの身を狙って来たのね!赦さんっ!!


リーンが偽ミハルの目的がミハルの身に有る事を知り結論を下す。


「そう、あなたはその中央軍司令部に行った後、どんな所を希望するのかしら。教えてくれない?」


ミハルの身を何処へ連れて行こうとしているのかを聞き出そうとするリーンに。


「それは知らな・・・いえ、解らないわ。命じられた所へ行くだけよ!」


偽ミハルが答える。


「ふーん、そうなんだ・・・それは残念だわ。

 教えて貰いたかったけど・・・それであなたはこれからどうする気なのかしら。

 目的を果したらその後どうなるのか、考えた事があるのかな?」


リーンは偽ミハルに目的を果した後、自分がどうなるのか知っているのかを訊く。


「えっ?目的を果したら・・・って?」


偽ミハルが明らかに動揺する。


「そう、あなたの目的が果されたら。

 上手く行ったとしてその後、あなたはどうされるのか知っているのかと訊いたんだけど。解らない?」


リーンに、既に正体を見破られている事に漸く気付いた偽者が慌てて。


「何時解ったんだ、リーン皇女?!」


叫びながら自分のポケットに手を入れようとした偽者が、

リーンの手に拳銃が握られている事に気付き、動きを止める。


「何時ですって?最初からよ、偽者さん。ミハルはあなたの様に澱んだ瞳はしていないわ!」


そう言ったリーンが拳銃を片手に立ち上がる。


「残念ね。あなたがしようとしている事は無意味なの。

 私がミハルを手放すとでも思っていたの?

 ミハルを嫌うとでも思ったのかしら。見当外れも華々しいわね!」


偽者に対して、怒りの表情を露わにするリーン。


頬((ヒクヒク))・・・



偽のミハルに気付いていたリーン。

その偽者に怒りが納まらないでいると、

心の中からもう一人の王女が・・・

次回 贖罪を求める者

君は罪を犯した者を許せるのか・・・

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