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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep1闇の魔鋼騎Act16捕われた・・者

偽の自分と対峙するミハル。

その時はまだ自分に降り掛かる魔の手に気付いてはいなかった・・・

2人のミハルが対峙していた。


「ザルバ君、私と同じ姿となって何をするつもりなの?」


振り向き偽の自分と対峙するミハルに、


「ふふふっ、お前の身体を使ってリーン皇女に嫌われてやる。

 そうすればお前はこの小隊に居られなくなるだろうさ。

 転属させられる様にしてやるだけ。それまでじっとしていて貰うからな!」


拳銃を突きつけミハルに迫る偽ミハル。


「どっ、どうしてそんなまどろっこしい事をするのよ。私を誘拐すればいいでしょ!」


ミハルが偽ミハルに訳を訊く。


「ふふっ、もし強引に連れ去ってもリーン皇女はお前を探す、求める筈。

 それでは<双璧の魔女>は、繋がったまま・・別れさせる事にはならない」


偽ミハルが銃を突き付け任務を明かす。


「そ、そんな事。誰がさせるもんですか。その結果私を別れさせた後にどうするつもりなの?」


ミハルが突きつけられた銃と偽ミハルを睨む。


「別れさせた後だと?

 お前は我が主の元へ行く事になる。そしてこの世界を変える者となるのさ、部品の一部となってな!」


偽ミハルの言った事に記憶が呼び覚まされる。


ー  あの検査官も言っていた。私が何かの部品の一部にされる事を。

   それがこの人達の主、新総統の求めている私の役割だって事を・・・


「あなた達の主、それがあなた達の狙いなのね。新総統って人が求めているのは!」


ミハルは何とか目の前に居るものから逃れようと話を逸らす。


「ふっ、その通りだシマダ・ミハル。そこまで解っているのなら話は早い。

 我が主の物となるんだな。

 僕がそうなる様に取り計らってやるよ、お前のこの身体を使って・・・な!」


((ボスッ))


偽ミハルの拳銃が僅かな火を噴く。


「あっ!ぐぅっ!」


腹部に強烈な衝撃を受け、ミハルは思わず弾が自分の身体にめり込んだと感じた。


ー  撃たれた。私・・・死ぬの?


衝撃は強かったが不思議に痛みは感じない。


挿絵(By みてみん)


ー  これが銃で撃たれた感覚なの?

   痛みは殆ど無いけど、目の前が暗くなってゆく。

   まるで眠りに入ってゆくみたいに・・・あれ?

   どうしてこんなに眠いんだろ。

   まるで催眠術に掛かったみたいに・・・あっ!?しまった。これは催眠弾?!


衝撃のあった腹部に手を当てるとそこには細長いカプセルの様な物が突き刺さっていた。


「くっくっくっ、シマダ・ミハル。暫く眠っていたらいい。

 目覚めた時にはお前はこの小隊から追い出される事となっているさ」


偽ミハルが笑って言う。


「だ・・・誰がそんな事を・・・許す・・・と・・・」


暗くなる瞳の中でミハルは抗うが、身体が力尽き・・・


ー  駄目・・・もう・・意識が・・・飛ぶ・・・


((バタッ))


気を失った様にミハルは倒れた。

その姿を見下した偽ミハルが笑う。


「上手くいった。これで早く任務を遂行出来る。ハンネに邪魔されない内に・・・」







「あっ、ミハルセンパイ。何処行ってたんですか?」


搭乗員室へ入って来たミハルにミリアが尋ねる。

それに答えずミハルがベットに座っているミリアに、


「火傷で済んだのか。もう大丈夫なら作業に戻るんだな」


搭乗員室から出ていく様に言って自分のロッカーへ向う。


「何言ってんですか、ミハルセンパーイ?!」


ミリアはミハルが隙を見せているチャンスを捉えて、後ろから抱き付いた。


「にゅふ・ふ・・?あれっ?」


ミハルに抱き付いたミリアがミハルの反応がいつもと違うのに気付いて。


「あれ?・・・あれれっ?」


反応を確かめるのと同時に身体を触り寄せ続ける。


「何をしているんだミリア。私の身体に何の用だ?」


ミリアはミハルの反応が全く違うのに戸惑い。


「ミハル先輩、これ!」


ミハルの胸を触るが、冷たい視線を感じるだけなのに気付くと。


「・・・そっか。ふーん・・・」


ミリアはミハルから離れて、上から下まで眺め廻してから、


「じゃあ私、皆の所へ行って来ます!」


そう告げると一目散に走り出した。


「ちっ、疑われたか、マズったな」


そう偽ミハルが臍を噛んだ。

ミハルのロッカーを開いて私物を探っている偽ミハルに、


「ふーん、ミハル。私物の整理か?」


そう言ってラミルが部屋へ入って来た。


ー  ちっ、また邪魔者が来たか!


偽ミハルが臍を噛んだが、


「え、ええ。少し探し物をしていたんだ」


偽ミハルがロッカーを閉めて答えた。


「そうか、探し物ね。で、何を探していたんだ?」


ラミルが自分のベットにブーツを履いたまま横になる。


「えっ、いや別に・・・大した物じゃない・・・」


誤魔化す為に偽ミハルがラミルが言うと。


「そーか、大した物じゃないんだな。解った・・・」


ラミルがミハルを上から下まで見詰めてから顔を背けて横になる。


「私、少し眠るから、起こさないでくれよ」


ベットに背を向けて横向きになる。


「ああ、解った・・・」


偽ミハルが探し物をやめて部屋から出て行こうとすると、ラミルが言った。


「中尉の所へは行くなよ。今、怒っていたからな、お前の事を・・・さ」


横向きのラミルを振り返った偽ミハルが、


「そう・・怒っていたんだ・・・解った」


口を歪めて笑って、部屋から出て行った。


搭乗員室から出て行く偽ミハル。

その姿を見ているラミルが言った、リーンが怒っているとの言葉にほくそ笑んだ偽者。

そしてリーンと偽者があいまみえる事になる。

次回 仲間の絆

君は仲間と共に過した日々に感謝するだろう。その信頼に感謝する事だろう・・・

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