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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep1闇の魔鋼騎Act10訓練で・・

今日も訓練が開始される。

ミハルは昨晩のハンネを思い出し呆っとしていた。

そして訓練が始まる。

ちょっと、挿絵ターイム!

挿絵(By みてみん)

「警告はしたからな、<双璧の魔女>さん」

そう告げて姿を消したハンネ。


今、目の前でエンジンの整備を手伝っている姿を見ていると、とても同一人物とは思えない。

唯、あの切れ長の瞳だけがかろうじてあの時と同じ妖しい光を放っている様に思えた。


「ミハル、なに呆っとしているの?訓練を開始するわよ」


リーンに声を掛けられて考えを中断したミハルが向き直ると。


「あっ、はい。それじゃあ搭乗します。整列っ!」


リーンに向って並ぶ様に3人に声を掛けて、


「本日の訓練。砲撃、走行、及び魔鋼機械のチェック。以上です宜しいでしょうか?」


リーンに向けて申告する。


「それで宜しい。では訓練に取り掛かります。かかれっ!」


リーンの命令を受けて、


「了解。敬礼っ!」


ミハルがリーンに向って敬礼すると、ラミル、ミリア、キャミーもリーンに敬礼を送る。

それに答礼し終わったリーンが整備班員に念を押した。


「訓練、搭乗します。宜しいですね?」


何時もの様に両手を広げて離れの合図を送り、


「マクドナード曹長、異常はありませんか?」


眼でハンネをチラリと見て訊く。


「はっ、異常なし。エンジン、走行装置良好!」


手をウエスで拭きながら答えた整備長に頷いたリーンが4人の搭乗員に、


「それじゃあ、行きましょうか」


乗車を命じた。


ミハル達は車体を昇り、各ハッチから車内へ潜り込む。

それを見届けたリーンがゆっくりとキューポラから車内に入る。


「各員チェック。キャミー、車内回線を入れて」


喉頭マイクロフォンとヘッドフォンを着けてリーンが命じる。


((ザッ ザザザッ))


ヘッドフォンの電源が入り、耳に音が流れ聴こえて来る。


「補機油圧正常。走行装置異常なし!」


ラミルの声がヘッドフォンから流れる。


「通信機並びに前方機銃よろし!」


キャミーがキューポラを振り仰いで答える。


「砲塔内ターレット、並びに砲側砲弾よろし。

 砲塔機銃は装填せず。砲弾は徹甲弾2、魔鋼弾2。装填手準備よし!」


ミリアが搭載された砲弾を確認して答えた。

ミハルは砲手としてのチェックを済ませながら考える。


ー  夜に見たザルバ君が持っていた部品。あれは一体何だったんだろう。

   車体から持ち出したのなら何処かの部品が無くなっている筈なんだろうけど。

   それとも単に思い違いをしているのかな?

   元々持っていた物を手にしていただけだったのだろうか?


ミハルが考えを纏められずチェックに手間取りすぎていると。


「ミハルセンパイ」


マイクを通さずミリアが小声でミハルに声を掛けてくる。


「あ、ごめん」


我に返ったミハルがマイクロフォンを指で押えて、


「照準器、並びに砲塔旋回装置異常無し、砲手準備宜しい。総員準備完了です」


キューポラを見上げて車長のリーンに復唱する。


「うん、では行こうか!」


リーンがラミルに発進を命じた。


「了解!エンジンスタート!」


ラミルが復唱し、イグニッションをオンにする。


((キュルルッ ドッ ドドドッ))


快調なエンジン音が響き出したエンジン。


「エンジン良好、発進準備よし!」


ラミルはそう言うと、椅子を上げてハッチから顔を出した。


「よーし、それじゃあ訓練場まで、戦車前パンツァーフォウへ!」


リーンの命令でラミルがギアをローに入れて、ゆっくりと進め始めた。


((キュラ キュラ キュラ))


キャタピラが石畳を噛んでリズミカルな音を奏でる。

その車内で周りを見回し、異常がないか探しているミハルをキャミーが心配そうな瞳で見ていた。


Haltとまれ!」


リーンが射撃場に着くと停車を命じた。


「これより実弾射撃訓練を行う。目標はKV-1の残骸。

 徹甲弾、距離2000。停止目標に付き直接照準。ミリア、徹甲弾装填!」


リーンの命令で素早くミリアが徹甲弾を込め換気ファンの作動を確認して。


「徹甲弾装填完了。射撃準備よし!」


リーンに復唱する。


「よし、射撃始め。撃てっ!」


ミハルに射撃命令を下すリーンが双眼鏡をKV-1に向ける。

長砲身75ミリ砲をKV-1の正面装甲に照準したミハルがトリガーに指を添えて、


「撃てっ!」


((チッ))


ミハルの右手人差し指がトリガーを引く。


((グオオオッン))


高初速の75ミリ砲弾がKV-1目掛けて赤い光の尾を曳き飛ぶ。


((ボッ ダダーン))


難なくKV-1の正面装甲を喰らい破る。


「よし、KV-1に対しては十分徹甲弾で闘えるわね。

 次は魔鋼弾を使用する。

 ミハル、射線を変えてKV-1の正面装甲が最も厚くなる角度を狙って撃ってみて!」


リーンが傾斜装甲を最大限利用して魔鋼弾の威力を確かめ様とする。


「了解、正面装甲に対して30度の角度で射撃します。ラミルさん、停車を命じるまで前進してください!」


ミハルが照準器を覗き込みながら前進を命じる。


((ドドドッ キュラ キュラ))


ラミルの操縦でMMT-6が前進を開始した。


ー  今の所別に異常は無いな・・・


ミハルは照準器から目を離して辺りを確認しながら考える。


ー  どうやら私の勘違いだったみたい。ザルバ君を疑って悪い事しちゃったな・・・


照準器を覗き込みながらミハルは、

キャミーと約束した事を忘れて思考をザルバに巡らせてしまっていた。


ミハルがキャミーとの約束を忘れてザルバの事を想い返していた・・・

そんな中、射撃操作を何の躊躇いも無く行ってしまったミハル。

その後に起こった事とは・・・・

次回 事故?それとも・・・

君はこの後に起きた事に後悔するだろう自らの慢心に・・・

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