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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep1闇の魔鋼騎Act5極大兵器の影

ユーリの手紙にあった極秘情報。

その兵器とは一体?


さて。ここらで一息いれてくださいな。

「ミハル軍曹ーっ、ミリア アターック!」

「わあっ!」

挿絵(By みてみん)

岸壁に係留された艦から・・・


((ピィイイー ピイイイー))


フォイッスルが鳴り響く。



「気をつけっ!頭ぁー右っ!」

甲板士官の命令で、整列した下士官、兵が挙手の礼をする中、ユーリ皇女がタラップを昇る。


((ピイーイイッ))


先任下士官の先導で上甲板に着いたユーリ皇女が、居並ぶ下士官達に敬礼を返した。


「ようこそ、フェアリア国皇女殿下」


年嵩の将官が敬礼を解いて挨拶する。


「我が海軍重巡洋艦<足柄>へよくおいでくださりました。

 私が遠洋航海艦隊司令の三川軍三少将です、宜しく」


流暢なフェアリア語で、三川少将は自己紹介した。


「初めまして三川少将。

 私はフェアリア皇国第1皇女ユーリ・フェアリアル・マーガネットです。

 遠路はるばる良くおいでくださりました。皇国を代表して歓迎します」


ユーリは三川少将に対して硬い表情のまま歓迎の言葉を告げた。


「我が<日の本>を代表して歓迎を感謝しますマーガネット皇女様。それでは艦内へどうぞ」


三川少将もユーリの表情を見て察したのか、早々に艦内へ導いた。


司令官と共に一部の高級士官がユーリと共に艦内に入った。

艦内ドアを閉められた時、三川司令官がユーリに、


「それ程スパイを警戒せねばならないのですか皇女様」


案内するユーリに背中を見せたまま訊いた。


「すみません司令官。これが今の我国の現状なのです。

 どこにロッソアのスパイが居るか解りませんので・・・お恥ずかしい限りです」


その背中に向けてユーリが答える。


「いいえ、皇女様。

 我々が何を運んで来たのかを既に彼等は知っている筈です。

 途中に寄港したエギレスでも、彼等は内通者を送り込もうとして来ましたからね」


三川司令官が、一つのドアを開けながら答えた。


「おい、灯かりを点けてくれないか」


司令官の言葉で室内灯が点けられる。


三川司令官とユーリの前には巨大な円筒の物体が室内灯に照らされて現れた。

ユーリの瞳が驚愕の色を見せる。


「これが・・・・?」


搾り出す様にユーリが答えを求める。


「そう・・・これが我が<日の本>の開発した究極の魔鋼弾。

 魔法使いの力と命を代償にした極大魔鋼弾。いや、悪魔の爆弾。

 あなた方が求めた戦争を終わらせられる事の出来る超魔法爆弾マギカストライカーボム


三川司令官と共に妖しく光るその弾体を見上げて、ユーリは立ち尽くしていた。


ー  この弾が今迄の戦争を変えてしまう・・・

   この弾を実戦で使ってしまえば世界を変えてしまう事にもなってしまう


立ち尽くして見上げるその弾に秘められた力を、ユーリは畏怖の念を持って考えた。





_____________________





「秘密兵器の使用を認めてしまった・・・」


手紙を読み終わってミハルが呟いた。


「そう書いてあるだけで、それがどんな物なのかは・・・。ユーリ姉様は教えてくれていないわ」


リーンが考えあぐねてミハルに言った。


「そうなんだ、リーンも知らないんだね。その兵器がどんな物なのかを」


手紙を返してミハルが訊く。


「うん、何も知らされていない・・・けど。

 文章の端々から尋常ではない物なのかは判る。

 その兵器は使う事を躊躇う位の物だって事が・・・ね」


リーンがどうしてユーリが「認めてしまった」と書いて寄こしたのかを考えて、

その決断に迫られた姉の事を想った。


「一体、どんな兵器なんだろう。使う事自体が危険なのか・・・それとも?」


リーンが思いを廻らし口篭もる。


「それとも?・・・何?」


ミハルがリーンの答えを求めた。


「それとも、その兵器が何かの代償が必要なのか・・・」


リーンがミハルを見て答えた。

その答えはあまりにも抽象的だった為に、小首を傾げてミハルは訊き返す。


「代償って、例えば使うには何かが必要となるってこと?」


ミハルの質問に瞳を曇らせたリーンが言った。


「そう・・・例えば人の命が必要となるのかも知れない」

「えっ!?人の命が・・・必要になる?」


ミハルはその時のリーンが言った意味を後に知る事になる。


だが今はこの戦争を早く終わらせたいユーリの決断を支持していた。


「もし、その兵器を使用する事となったとして、この戦争を終わらせられるなら。

 ユーリ皇女の決断は正しいと思う。戦争が長引けば長びく程、無益な犠牲者が出ると言うのなら」


ミハルは自分の考えをリーンに告げた。


「そう・・・なのかしら?

 まあ、ミハルがそう考えるのは正しいと思うわ。私もこんな戦争を早く辞めたいと思っているから」


一抹の不安を抱えながらも、リーンはミハルの考えに同調した。

そして暗い考えを振り払うように、


「さて、搭乗員班長。私達がやるべき事をしましょう。私達が今やるべき事とは何かしら?」


ミハルに向けて訊く。


「それは、絶対に生き続ける事。

 その為には訓練です。どんな敵と出会っても勝てる力と自信を持てる様に!」


リーンに微笑み掛けるミハルが断言した。


ミハルはリーンに命じられた罰直をこなしていた・・・

基地内の掃除。

あー、また損な役回りを・・・

いいのか?君は主人公なんだぞ!

次回 罰直中・・・ですぅ

本当に君は損な役回りが似合う子だねぇ・・・Orz

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