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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep4闘う意味Act34・・・リーンも・・かいっ!

リーンと共に中央軍司令部に向うミハルを呼び止める声が聞こえた。

・・・やめとけ・・・

2人に向かって呼び止める声が。


「おーいっ、何処行くんですかぁ。私達をほっといてぇー!」


6輪装甲車のハッチを開けてランネが呼ぶ。


「待っててって言ったじゃないですか!」


リンもミハルに呼び掛ける。

2人の呼びかけに気付いたミハルが、マジカ少尉を見て考えた。


「そーだ!走っていくより乗せて貰った方が早いよね!」


そこでリーンに考えを教える。


「ねえリーン。あの車両に乗せて行って貰おうよ!」


ミハルに呼び止められてリーンが振り向き、その6輪装甲車を見る。


「えっ?でも他の部隊の人に迷惑を掛けちゃ悪いよ」


躊躇するリーンに笑いかけたミハルが。


「私がマジカ少尉に頼んでみるから。走っていくより絶対早いから」


言うより早く6輪車に近寄ると。


「マジカ少尉!お願いがあります。

 私とリーン姫を中央軍司令部まで乗せて行って貰えませんか?」


6輪車を見上げてミハルが頼む。


((ニュッ))


キューポラから腕が伸び出て手招きする。


「あっ!ありがとうございますマジカ少尉」


ミハルは6輪車にお辞儀して礼を告げると。


「リーン!マジカ少尉が乗れって。送ってくれるそうだよ!」


リーンに早く乗れと手招きして車体上へ駆け上がる。


ミハルの手招きでリーンも早速車体上へ昇ると、車内に向かって詫びた。


「すみません車長。お言葉に甘えさせていただきます」


姿を見せない車長に礼を言った。

キューポラから腕が出て、車内へ入る様に指をクイクイと下へ向けて合図を送ってきた。

ミハルはさっさと車内へ潜り込む。


「あ、ミハル・・。図々し過ぎない?・・・そ、それじゃあ失礼しますね」


ミハルの後を追っかける様にキューポラ内へ潜り込んだ。


「あれ?ミハル。車長さんは?

 2人の女の子しか居ないじゃない。2人の内どちらかが車長なの?」


リーンが不思議そうにミハルを見ると、ミハルが笑いながら首を振った。

悪戯っぽい笑顔で・・・


((トン トン))


「えっ?」


後ろから肩を突かれたリーンが振り向くと、腕がニョッキリと現れてリーンの肩を突いていた。


「へ?・・・ひっひいいいっ!?」


リーンの瞳には内壁から直接腕が突き出て自分を突いているのが映った。


「あわわっ、あわあわあわっ!?」


リーンがミハルに抱き付いて腕を指差す。


「あ、リーン。紹介するね、マジカ・マギカ少尉。この6輪装甲車の車長さん。

 それでもってこの車両自体がマジカ少尉なんだよ」


ミハルの紹介に腕が宜しくとでも言っているかのようにコクンと頷く。


「あああっ、ミハルぅ。お願いっ、私の頬を抓って!目を醒まさせて!?」


リーンが眼をグルグル廻して倒れてしまった。


挿絵(By みてみん)


「あちゃあ。また一人気絶させてしまいましたね、車長」


ランネがブラウン管に写る少女に言った。


「まあ、最初はみんなそうなるな・・・ねえ、ミハル軍曹」


リンがミハルに意見を求めた。


「あはは、私もそうだったからね。

 さて、リーンは私が起こすから急いで中央軍司令部まで送ってくれない?

 悪漢共からリーンのお姉さんを救い出さないといけないから」


ミハルの言葉にブラウン管のマジカ少尉が小首を捻る。


「えっ?車長。その女性を知っているんですか?・・・そうですか!」


リンがマジカ少尉と心で話している。

そして・・・


「ミハル軍曹もう一度伺いますけど。

 気絶された方はマーガネット姫・・・リーン・マーガネット姫なんですよね。

 ユーリ・マーガネット姫の妹君であられる・・・」


リンがミハルに確認する。


「うん、そうだよ。リーンはこの国の皇女様。そして今から私達が救いに行くのはユーリ姫」


ミハルがリンに答えた。


「・・・ですって。どうします?車長」


((ニュッ))


腕が伸びて強く前方を指差す。


「そうですよね。載りかかった舟ですもんね。いっちょうやってやりますか!」


リンが拳をパンと叩いて気合を込める。


「え?何をする気なのリン?」


ミハルが訳も解らずマジカ少尉とリンに訊く。


「車長がその姫と知り合いなんだそうですよ。だからあたし達もお手伝いします!」


リンがミハルにそう告げてから前を向くと。


「ランネ聞いた通りだ、全速で向え!車長の知り合いの姫を助けに行くぞ!」

「了ー解っ!それじゃあ皆さんしっかり何かに掴まっていて下さいね。行きますよ!」


ランネがギアを入れアクセルを踏み込んだ。


((ギャギャギャッ))


6輪全輪が砂を巻き上げ、急加速する。

ミハルはその衝撃をリーンの身体を庇って耐えた。


ー  マジカ少尉、リン、ランネさんありがとう!


車内の3人に心で礼を言ったミハルは前方を睨む。


ユーリ大尉を救い、間違った命令を出す者と闘う為に右手の宝珠を翳すのであった。


マジカ少尉を操りランネが中央軍司令部へと向う。

その頃司令部の中では・・・

ユーリ大尉と迎えに来たファブリット中将達があの作戦参謀に邪魔されていた。

そして・・・

次回 白銀の狼、死す

君は自分を庇って倒れた者を見詰める

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