表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

7話 登録しよう。Part2

「さっきはお騒がせしました」


再び、受付嬢の元に到着し、声をかけた。


「いえいえ、此方こそ、何かの手違いですよね!」


笑顔で答えてくれる彼女は、全て無かった事にして、流してくれたようだ。


ありがたや。


「それでは、此方に手を」


そう促されるままに、登録石に手をついた。


すると、登録石が青く光り出し、何か文字が浮き出てきた。


やはり、さっきは全く反応してなかったんだな。だって青く光らなかったし。


「どうですか?」


光が収まってきたので、受付嬢に聞いてみる。

正直、自分のステータスや、どんな職業が向いてるのか……興味が尽きない。


「えっと、その〜」


俺のテンションの上がり具合とは打って変わって、受付嬢は微妙な反応を返してきた。


「え? また反応してなかったとか?」


青く光っていたし、そんな事は無いと思うけど、万が一があるし一応聞いて見る。


「ちゃんと反応はしていましたし、ステータスなども出たのですが…………」


歯切れが悪い回答が返ってきた。


「ハッキリ言っちゃってくださいよ」


「わかりました。先ずはステータスの方ですが、基本ステータスは他の人よりは高いです」


いきなりお褒めの言葉をいただいた。


しかし、そこで終わらないのが残酷な現実。


「ステータスは高いんですが、魔力……つまりMPが0なんですよね」


至極言い辛そうな感じで言ってくる受付嬢。


MP0…………そう言えば、アイリスもそんな事言ってたな。


「で、でも、戦士とかなら」


RPGでも、戦士系はあまりMPは多くなく、魔法を使う場面も少ないし、大丈夫だろう。大丈夫であってほしい!(願望)


最後の望みをかけて聞いてみたが、


「無理ですね。戦士職でも、自己の補助系魔法を使うのでMPは必須です」


えっと、魔法職は当然の事、魔法を一番使わなそうな戦士職にもなれないことがわかった。


冒険者人生オワタ。


「あ、でも! 商人や調合屋などは…………」


明らかに落ち込む俺を見て、受付嬢はフォローをしようとするが、そのフォローも途中で言うのをやめていた。


「商人や調合屋などは?」


聞き直してみると、


「その二つの職は、魔力は必要無いんですけど、運の高い人向けでして…………」


あ、察し。


「つまり、俺は運が高く無いから向いてない…と」


「はい、余計な事を言ってすみませんでした」


もう、受付嬢泣きそうになってる。


俺が泣かせたみたいになって、周りの視線が突き刺さる。


「大丈夫! 気にして無いから!!」



………

……



なんの職も向いてないという事で、《冒険者》と言う、適当な職に就く事になった。


受付嬢の話によると、



《冒険者》の特徴その1!


まずパーティーには入れない。


何故なら、『魔法も弱く、近接戦闘も弱い、正直戦力外だから』だそうだ。



《冒険者》の特徴その2!


全ての職のスキルを習得できる。


しかし、『職業補正が掛からないから、習得に必要なスキルポイントは膨大な上に、威力が本職の人の足ものにも及ばない』らしい。




《冒険者》の特徴その3!


レベルの上がりが早い。


早いが、ステータスが平均振りなのでひたすらに弱い。



《冒険者》の特徴その4!


以上の理由から、《冒険者》なんて職に就くやつは居ない。



《冒険者》には世知辛い世の中だ。


冒険者ギルドなんて言っておきながら、《冒険者》と言う職に対して、不遇過ぎやしませんかね!?


つか、本当に良いところ無いな。


唯一のメリットである『全ての職のスキルを習得できる』も、『威力が弱い』だの『習得に必要なスキルポイントが多い』などと、


1のメリットに対して、10のデメリットで、相殺どころかマイナスに振り切っている。


お先真っ暗だ。


「それでは、登録料1500ガルヅお願いします」


そう言えば、まだ登録料払ってなかったな事を思い出す。


あれ? ここの通貨の価値とか、俺知らないけど…………これで足りるよな?


ワルドから貰ったお金を取り出して考える。


1000と書いてある紙幣が3枚くらい、100と書いてある硬貨が5枚くらいある。


まあ、足りるだろう。


紙幣1枚と硬貨5枚を受付嬢に渡した。


「はい、丁度ですね。それでは改めまして、イサト ユキヤさん、冒険者ギルドへようこそ! 今後のあなたの活躍を期待しています!」


受付嬢から登録カードを貰った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ