6話 登録しよう。Part1
久しぶりの投稿な上に、短くて申し訳ないです。
冒険者ギルドに辿り着いた。
ケータイのナビ機能は使わずに、街の人に聞いて回った。
あのナビ使い難いし、非常事態以外使いたく無いのだ。
早速、冒険者ギルドの建物の中に入る。
どうやら冒険者ギルドは、食堂も併設しているらしく、食事をを摂る者、クエストを受けに来た冒険者の姿があった。
すげー! 皆が鎧を着て、武器とか持ってる。
日本ではありえない光景だ。
このあり得ない光景を見ると、本当にファンタジーな世界に来たんだなー、と実感する。
「まずは登録だな」
俺が、冒険者になる最も大きな理由、『身分証』の発行をしなければ!!
そう考え、受付に向かった。
………
……
…
「あの、冒険者の登録をしたいんですけど」
受付嬢の人に尋ねる。
「新規の方ですね? では此方に、氏名、年齢を記入して下さい」
何だろ、もう少し魔法でー、とか無いのか? 完全に前世の役場みたいな対応された。
少し、夢を壊された気持ちになりながらも、言われた通りに記入する。
「終わりました」
言われた通りに書き終えた書類を、受付嬢の人に渡す。
すると、
「はい、大丈夫ですね。それでは此方の登録石に手を触れて下さい」
そう言って、バスケットボールサイズの装飾された石を取り出して来た。
おお! 俺が求めていた物はこれだよ!!
「えっと、これに触れると何が起こるんですか?」
ちょっと心配なので、聞いておいた。
「はい、此方に触れて頂きますと、触れた方のステータス、職業適性などが表示され、ステータスカードに登録されます」
この説明だけでも、ゲーマー心をくすぐられる単語が沢山出てきた。
どんな職業が適正なのかな? 剣士かな? 狩人とかも良いかもしれない。
なんて期待に胸を膨らませつつ、登録石に触れた。
………
しばしの沈黙、
「あれ? なんで?」
と受付嬢が困惑し始めた。
「えっと、どうかなさいました?」
何か、予想外の事態が起きたようなので、一応聞いておく。
「その、登録石が反応しないんです」
そんな答えが返ってきた。
「そういう事って、今迄には?」
前例が無いか聞いてみるが、
「ありませんし、ある筈がありません。何故なら、この登録石は、生物なら必ず持つ《マナ》に反応して作動します」
ありえない、とまで言われた。
「生物なら必ず反応すると?」
「はい」
「虫でも?」
もしかした、生物でも例外があるのでは? と思って聞いてみたが、
「はい」
即答された。
つか、虫でも反応するのに、俺は反応されないって事は…………、
「じゃあ、反応しない俺は、生物じゃ無いと?」
「そう、なりますね」
気まずそうに、目を逸らしてそう答えてきた。
マジかー。
俺の冒険は、いきなり第一歩目で躓いた。
「また後で来ます」
そう言い残して、冒険者ギルドの外に出た。
そして、ケータイを取り出し、電話をかける。
数回のコールの後、目的の人物は電話に出た。
『はい、もしもし、アイリスです』
「『はい、もしもし』じゃねぇよ! 冒険者に登録できなかったんだけど!? 《マナ》が無いって言われたんだけど!?」
俺を召喚した女神にクレームを言った。
『いきなり叫ばないでくださいよ。非常識ですよ?』
アイリスが、グチグチ文句を言ってきたが、
「で? 俺はどうすれば良いの? 解決策とかは?」
スルーして自分の聞きたい事を尋ねた。
『あぁ、そう言えば…………、《マナ》が無いのは解決できないんですが、今からアイテムを送ります、それで登録の方はクリアできると思いますよ』
そう言うと、俺の手元に魔法陣が現れ、腕輪が出てきた。
「これを装備すれば良いのか?」
使用方法は、それしか無いのだが、一応心配なので聞いてみた。
『はい、それを装備すれば、登録石が反応しない、と言う問題は解決すると思いますよ』
まぁ、ギルド登録できればそれで良いので、アイリスにお礼を言い、ギルドの建物の中に入っていった。