第二十九話
ん?あれはナタミじゃないか?ぶっ倒れているけど何かあったのか?
それよりも奴を宿に休ませて置かないとな…
それよりもあの雑魚はどうしたって?そんなん簡単だ。大魔王様を上回る俺にあんな雑魚に負ける訳無いだろ。しかし、俺も甘くなったな…俺は魔王軍なのに勇者を救おうとするなんてな。それだけ奴が成長した証拠か。
〜宿〜
「うぅぅ…」
「気がついたか…」
「師匠…タリーズは、アイリスは魔王軍の軍団長だったんです!」
「そうか…タリーズはスパイの軍団長なのか?」
「いえ、タリーズは悪魔の軍団長です。しかし、タリーズに勝ちました!」
……マジか!あのタリーズに勝ったのか!
「それ以上の収穫もあります!」
「それ以上の収穫だと!?何だ?」
「それ以上の収穫はギルドで明日話します。」
「そうか…残念。」
〜翌日〜
マスターにタリーズのことを話し…
「でだ。お前さん、何をやったかわかるか?」
「魔王軍の軍団長に勝利したことだろ?」
「それが問題だっちゅーに!!何で俺の意見を聞けないかな!」
「は?どういうことだ?」
「お前さんは軍団長に手を出すなと言ったろう!」
「まあ、マスター。そう言うな。収穫があるんだと。」
「タリーズは『ヘルバロンと決着をつけなければならない』と言っていた。」
いっ!?何故俺の名前を出した!タリーズ!!!
「ヘルバロン…恐らく、第三勢力の龍王族だろう。」
しめた!ミリオンのことをネタにするか。
「俺からも良いか。その龍王族のミリオンが動き始めた。」
「何だと!ミリオンが動いているのか!?」
「あ、ああ…そうだが。」
「ミリオンが動いているとなると…厄介なことだ。」
「ミリオンはどうして厄介なんだ?」
「ミリオンは合成呪文を開発した男…つまり、普通の呪文では手も足も出ないと言うこと。しかも龍族だ。龍族は戦闘に特化し、かつ頭も相当切れる生き物だ。体術だけでもミリオンは十分に軍団長達の平均レベルだろう。」
「そんなに強いのか?」
「ああ…間違いなくな。」
「なら、楽勝じゃないか!俺と戦ったタリーズは今までの軍団長よりも強かった気がする。」
ナタミ…馬鹿か?
「最も、それは奴が体術だけを使えばの話しだがな…」
「は?どういうことだ?」
天然なのかどうなのかわからんが、勇者には向かないなこいつは…
「奴は合成呪文も使うってことだ!」
「!!…つまり奴はとんでもなく強いってことか…違うか?」
「やっとわかったか。」
とは言っても、ミリオンよりもリオンの方が強いと思うが。
「それが正解か。」
「さて、お前さん方。これからどうする気だ?」
「どうするって…決まっているだろ。龍王族のミリオンを倒す!龍王族はタリーズが魔王軍とはいえ女に手を出したからな。」
「ふむ…なるほど。決意したか。そう言えば、お前さんは軍団長を撃退したんだな。」
「そうだ。」
「ならば、ナタミ・コートジボワールは冒険者ランクS級と認める」
「へっ?」
コートジボワール?それがナタミの性なのか…
〜解説SIDE〜
コートジボワール家…
勇者三大貴族の一つ。コートジボワール家は魔力が多く、呪文も速く覚えやすい者が多い。その為勇者三大貴族の中では魔法勇者家と呼ばれることもある。
〜解説SIDEEND〜
「いいから受け取れい!」
「はあ…しかしいいのか?こんな事して。」
「いいんだよ!俺がいいと言ったら良いんだよ!」




