第十六話
ナタミSIDE
何なんだ⁈あの野郎は⁉マスターから依頼されてあの野郎に俺を鍛えろとか一週間前ぐらいに言いやがって!だいたい、あんなむちゃくちゃなトレーニングで勇者を極める事が出来るか!あんなトレーニングは認めねえ!
「あー、冒険者諸君。最近、僧侶に就いている者が大火傷による死亡や凍死など、また行方不明が相次いでいる。これは何が言いたいのかわかるな?」
今はあの野郎の事を考えている場合じゃなかった…何しろ三日前から僧侶が大怪我、行方不明、死亡が相次いでいやがる…
「恐らくエレメント系を操る軍団長が出てきたと思われる。」
「あの、エレメント系のモンスターって何ですか?」
俺だってその位知っているぞ。
「エレメント系のモンスターも知らんのか…エレメント系のモンスター以外のモンスターの共通点はなんだ?」
「え?…わかりません。」
まあ、そうだろうな。俺も最初はそうだったしな。
「それは必ず手応えはあると言うことだ。それに対しエレメント系のモンスターはエネルギー生命体と影、怨念などによる固まり、早い話幽霊だな。その二つのモンスターがエレメント系のモンスターだ。わかったか?」
問題はその軍団長が出てきたと言うことなんだろ…
ナタミSIDEEND
「じゃあ、どうやって倒すんですか?」
「それはカウンターでやるか不意をつくしかない。何故なら奴らは攻撃する時と油断している時しか実体化していないからだ。」
ログラスは天衝撃をどうやってヒートクインにあてたんだ?まさかカウンターか?だとしたら凄いな…
「おい、軍団長ってのはその系統の中で最強なんだろ?」
「その通りだ。」
「だったら無理だ!雑魚はともかく、エレメント系のボスを殺せるか!ボスってのは体力が多いんだろ⁈雑魚なら一、二撃で倒せるが「誰が軍団長と戦えといった!」え?」
「お前さん、勘違いしていないか?お前さん達には残っている僧侶達の護衛をして貰いたい。だが、軍団長が出てきた時はお前さん達はすぐに逃げろ。一応、最上級冒険者達も呼んである。中には、伝説の戦闘師と魔力王もいる。」
誰だ?それ?魔力王はサドラーとわかるが、伝説の戦闘師って呼ばれる程強い奴がいるのか?それにしても、いや今更だが厨二だな!おい!!
「ま、まさか!あの方々が動くとは!!」
「僧侶が失うとなっちゃ動かざるを得ないだろ?」
「しかし、あの方々をまだ中級冒険者の俺たちが見れるとは!」
中級冒険者ってのはC、Dの冒険者の事な。言うまでも無いがナタミは初級冒険者だ。
「ま、そりゃそうだ。上級冒険者以上でも無い限り会う機会なんて無いからな。」
「そう言えば護衛ってどこでやるんですか?」
「ギルド本部だよ。」
「ここですか?しかし、僧侶がいませんが…」
「あー、一応今日の夜に僧侶達はくるはずだからな。」
「今日の夜?」
「まあ、夜になったらわかる。と言う訳で夜にここに集合だ!解散!」