第十五話
「だぁ~もうやってられるか!」
そう言って駄目勇者ことナタミは倒れた。
「オラオラ!そんなんじゃ勇者を極められないぞ!」
しかし、俺は火炎呪文を唱えてやった。
「危ないから!マジで!俺Mじゃないからやめてくれ!」
俺はナタミをスパルタと偽っていじめていた。何しろマスター直々にスパルタならいいと認められるからな!
「おいおい、お前さんやりすぎじゃないか…」
「甘い!羊羹にクリームをぶっかけたものよりも甘い!こいつは最初の準備運動で50kgの重りを背負って10km走っただけで筋肉痛になったんだ!更に次のトレーニングの水泳!これはさっきと同じく50kgの重りを背負って5km泳がせてみたらもう精神くたばっていた!おかげて次行けなかったぞ!舐めているのか?!」
「そのトレーニングはお前さんと同じランクの戦士や武道家がやってもそうなるぞ…」
「最近の奴らはひ弱なんだな…」
「なんだと!あいつらと一緒にするな!!俺は勇者だ!」
「ならば昨日はどうして倒れたのかな?ヘボ勇者君?」
「てめえ!」
弱い犬程よく吠えると言うがまさにその通りだな…
「ヘボ勇者と呼ばれたくなかったらとっととトレーニングをやれ!」
「クソ!後で覚えてろ!!俺が勇者を極めたらすぐに俺と同じ目にしてやるからな!」
「それは楽しみだな。最もそれが何年先になるかは知らんが…」
ヒートクインSIDE
しゃぁ!やっと俺のSIDEが来た!軍団長の中でも影とか炎とか氷なんか扱うから遅くなったのか?それとも影が薄かっただけか?影だけに…
「その寒いシャレのせいだ!」
なんか変な声が聞こえたがまあいい。自己紹介させてもらう。
俺の名前はヒートクイン。元々高校に通っていたちょっと顔が悩みの男「の娘」だったがとある事情で女になってしまった。
「誰だ!今、男の後ろに「の娘」をつけたのは⁉」
ん?容姿設定の時に♀と表示されていたんじゃないかって?あー、それは間違いない。男の頃の話は前世だったしな…いわゆるTSって奴だ。
「ただでさえ女顔だったしな、ぷっ。」
「まさか!てめえか?!タリーズ!、」
「…」
クソ!まあいい。俺はシャレにならない「やっぱ、お前にシャレのセンスはねえよ。」やる気失せるんだがどうすればいい?
とにかく、俺は女顔だった為、男から告白されまくった。しかも、男の制服を来ても男装美女子として俺の周りはそう認識されていた。そのせいか女子から嫉妬の視線で見られていた。ある日、俺は外へ出かけると嫉妬に燃えたキチガイ女が俺を刺して俺は死亡。なんでも「お前は私の好きな人を奪ったから私が神に代わって裁いたのよ。感謝しなさい。」とか言っていた。
そんな訳で俺は死んだんだが、なんか大魔王によって俺が実験台にされた…それで女になった。しかし、男に戻る方法がわかった。大魔王…様の前では女言葉にすることらしいが試しにして見たら大魔王様に
「男言葉使ったら次からお仕置きだ。」
と言われた。
「おい!ヒートクイン!お前に仕事を与える!」
「いきなりですね…総軍団長。」
「お前の仕事は僧侶狩りだ。」
「僧侶狩りですか?」
「ああ、回復呪文を使える冒険者共は勇者、僧侶、賢者の三職しかない。冒険者の中で初級職かつ、回復呪文を使えるのは僧侶のみ、おまけに賢者共は僧侶を極めなければならないと言う。つまり、賢者の卵も狩ると言うことだ!まさに一石二鳥!!と、言うわけだ。さあ、行って来い!」
「はっ!言ってまいります。」
僧侶狩りか…野郎はいたぶるが女は俺に仕えさせよう…
ヒートクインSIDEEND