第十三話
アイリスが意外な正体でした。
ふぅ、何もこんな時じゃなくとも…ログラス…あとで大目玉食らうのは俺なんだからな。
「やっと見つけたぞ!」
「お前さんは何者だ?!」
「俺の名前はログラス。魔王軍第一軍団長だ!」
「こいつが魔王軍の軍団長!?」
「そうだ、俺の率いる軍団は獣の軍団。最も兵が多い軍団だ!それよりも、その娘を返して貰おうか。」
「返す?どういう事だ?」
「貴様はバロン…ひと昔前に俺は貴様と戦った事がある。」
なるほど、演技に付き合えと言う事か。
「まあ、俺の敗北だったが…」
「そうだ、武人として貴様とまた戦いたいがそうもいかん。俺は俺のやる事がある。それは大魔王様のご息女、タリーズ様を迎えに来たのだ!」
タリーズ?こいつじゃねえだろ?
「こいつはタリーズじゃない、アイリスだぞ。 」
「そうです、私はアイリスです!」
「嘘はおやめ下さい…タリーズ様。私はタリーズ様のオ「わー!やめろ!わかったから親父のところに戻ればいいんだろ!」それでいいんです。」
……マジで?
「アイリス…が大魔王の娘?」
「そうだよ。でも、楽しかったよ。バロンと一緒にいた事は。」
「俺もだ。」
「ありがとう…」
「やい、バケモン!とっとと行きやがれ!」
はあ~また邪魔しやがったよ、この最低な冒険者改め最低の勇者。
「マスター、ログラス、アイリス、こいつ殺していいか?」
「いや、半殺しにしておけ。」
「マスター!?」
「いや、俺がやる!」
「やめてくれ~!」
「貴方は勇者失格ね!」
「俺のライフはゼロに「そらよっ!!」ぐぁぁぁ!!「天衝撃!」骨がぁぁぁ!!「フレア!」あぢぃ!!死ぬぅ!」
「まあ、その辺にしときな、仮にも勇者だしな。」
チッ、マスターに感謝するんだな。
「ぅぅぅぅ…」
「では行きましょう。タリーズ様。」
「ったく、わかったよ。」
そうして、アイリスもといタリーズとログラスは去った…
タリーズSIDE
魔王城
アイリスとして過ごす為に花嫁修行を積んできたけど、あれは無駄だったかもな…俺は男らしく振舞っている。しかし、あいつははなっから俺の正体を見破っていた…そう、俺が多重人格と言う事に…だからと言って奴は俺を嫌った訳ではない。それが嬉しかった。そう考えていると総軍団長が声をかけてきた。
「どうした?タリーズよ。何か上手くいっていない事でもあるのか?俺でよければ相談するぞ?」
「まあ、あると言えばある。」
「ヘルバロンの事であろう。」
いきなりこいつは核心ついて来やがった!
「まあ、ログラスを倒した程の奴だ。体の心配はする必要はないぞ。」
「いや、それが逆に不安なんだよ。万が一俺たちと戦う事になってみろ。そうすれば親父は、ヘルバロンを殺す…」
「安心しろ、奴は殺さん。」
「大魔王様!?」
「親父!?」
「ヘルよ、お主にとってヘルバロンはどんな存在だ?」
「はっ?ヘルバロンは私の親子みたいなものです。なぜかと申しますとヘルバロンは私をベースに作られた部下だからです!」
「ふむ、お主なら任せられそうだな…」
「はっ?なにをですか?」
「いや、なんでもない。」
訳がわからんな…親父の考える事は…
「ところでタリーズよ、お主は恋煩いをしているな。」
「なっ、なっ…!」
その後言葉は出なかった。
タリーズSIDEEND
アイリスが抜けてヒロインがいなくなってしまいました…そこで、読者の皆様にこれからの展開を考えて下さい!感想として送って下さい。よろしくお願いします!
例えば「ヒートクイン(エレメント系の軍団長)の出番が少なすぎです…」などでも構いません!