第九話
あれから、大魔王様に
「どこへいけばいいのですか?」
と聞いたら、
「お前の好きにしろ。」
と言われました…リハルサとログラスに聞いてみたらユーラスを進められた。そこで俺はユーラスに行く事にした。
しかし、ユーラスは非常に広くどこだかわからなくなった!…ってアホやっていないで人に道を訪ねてみよう。
「すみません。冒険者のギルドはどこにあるか知りませんか?」
そう言って若い女性に話をかけてみた。
「えっ…」
「どうしました?」
「あっ…すみません。もう一度お願いします。」
「冒険者のギルドはどこにあるか知りませんか?」
「冒険者のギルドはユーラスの南西部にありますが…良かったら私と一緒に行きませんか?」
「いいんですか?」
「貴方が嫌でなければ…」
「では、行きましょうか。ところでお名前は?」
「えっと、私の名前はアイリスです。あ、貴方の名前は?」
「バロンと言います。アイリスさんは冒険者なんですか?」
「私は冒険者になりに行くところですが…もしかしてバロンさんも?あと、敬語じゃなくてもいいですよ。…親交深めたいし…ボソッ」
「わかった、アイリス。そうさせて貰うよ。」
ギルドに着いて…
「おい、お前さん方、冒険者になりに来たのか?」
「貴方は誰ですか?」
「まあ、そう警戒なさんなって。これをみろ。早い話これはギルドカードだ。と言っても俺は引退したからな。今ではギルドマスターだよ。まあ、マスターと呼んでくれ。」
これは魔王軍の軍隊カードに良く似ているな。
「それ、偽造カードじゃないんか?」
「偽造カードを作るのは不可能だ。なにしろ魔力制御がSにならないとギルドカードは造ることは出来ねえ。Sなんてのは世界でも大魔王か、龍族のトップ3。後は賢者のサドラーぐらいのもんだな…偽造カードを造るなんてことはそれよりも上の魔力制御が必要になってくる。つまり、「やっと見つけましたよ!マスター!」おお、ちょうどいいところに来たな。」
「サドラー?」
「魔力制御と魔力は世界で一番高いと言われている方ですよ!知らないんですか!?」
「ああ、俺はど田舎から来たからな。っと話が終わったみたいだぞ。」
「では、こちらの紙に名前と職業を記入して下さい。」
名前はバロンっと、職業は魔法使いでいいか…アイリスは同じ魔法使いか…
「終わりましたら、魔力検査を行います。」
魔力が桁違いに多いけど、魔力制御が出来るから何とかなるか?
「この水晶玉に手を乗せて下さい。これが黒くなるほど魔力が多いと言うことになります。では、どうぞ。」
「私がやるね。私貴族の出身だからこう見えて結構魔力はあるんだ。」
アイリスが水晶玉に乗せて、水晶玉が灰色になった…
「灰色か…かなり持ってやがるな、新人にしては。」
「バロンさん、どうぞ。」
透明になった水晶玉に乗せてみたら…真っ黒になった。
「嘘…」
『お前さん、一体どんな訓練をしたんだ?一流の魔法使いかてそうならないぞ。おい、あれを持って来い。」
「わかりました。」
「お待たせしました。」
さっきの水晶玉と似ているな。
「バロンって言ったな、あまりにも魔力が多いからこっちの水晶玉でやってくれ。」
「わかりました。」
再びやると灰色になった。
「おいおい、あり得んだろ。」
「魔力のランクは確実にAは行ってますね。」
「歴代最高じゃないか?新人でこんな魔力を持っているなんてのは。つーか、賢者の方が正しくねえか?」
あれでもかなり抑えた方なんだが、ひょっとして魔力制御って自分の魔力のランク以下だと制御が難しいのか?
「お前さん、賢者を親戚に持っているか?」
「いや、そんなことはない。」
「まあいい。次だ」
「次?」
「そうだ。正確なデータが欲しいからな。」
「何をやるんだ?」
「体力テストだ。」
その後体力テストをやった…
アイリスはD級並、かなりすごいらしい。なにしろ新人でD級並をとったのは10年振りだったらしい。ちなみに冒険者ランクはSS、S、A、B、C、D、E、Fがある。SSが一番上でFが一番下らしい。
しかし、俺の結果を見てみると2人が青ざめた。
__冒険者ランクA級並__
これは新人どころか初級職ならばもう極めているとまで言われているほどの実力者のレベル。しかし、そんなにすごいのか?俺は半分どころか一割の実力しか出していない…これなら、軍団長達…いやそのうち一人だけでも十分に世界滅ぼせると思った。
「お前さんには特別に冒険者ランクをD級として認める。」
「なんでだ?」
「いやいや、明らかに戦闘慣れしているし、教科書に乗せてもいいほどの魔法の使い方もある。十分にD級以上としては合格だろ?」
「そりゃ、そうなんだが…」
「認め無いと全世界指名手配犯にするが…どうする?」
「わかったよ!だけど俺に対して文句言ってくる奴は半殺しにしても構わないよな。」
「まあ、構わないが、殺すなよ。」
そうしてギルドカードをもらった…
遂に始まりましたヘルバロンのスパイ生活が…