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NoEL  作者: 申樹
【prologue】
1/18

-闇の中-

そこは見渡す限りの闇だった。



音は無く、前後左右といった平行感覚も無い。



なのに、全身が少しづつ沈みゆく感覚だけは感じ取れた。いや、正確には『沈む』のではなく、周りを包む闇が『濃くなっていく』、そんな感覚。


そこには普段の様な闇に対する恐怖感は無く、ひんやりと程よく全身を冷やして寧ろ心地が良い。



やがて、その居心地の良さから睡魔に誘われ意識が朦朧とし出した頃、遥か頭上に小さな光の点が灯った。



光に途切れかけた微かな意識が繋ぎ止められ、この虚無空間に対する当然な疑問をようやく発起させる。




ここは、どこだ……?

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