第8話‐最終試練・後編‐
クラウスは地面を素早く蹴りシュウに近づく。
「いい度胸だ!正面から正々堂々と戦おうではないか!!」
クラウスはシュウの真下から斬り上げる。
シュウはバックステップでうまくよけ、すぐさまクラウスとの距離をつめ、
体をひねり回転斬を放った。
【ガチィーーーン!】
剣と剣がぶつかり合う音が静寂な精神の世界に響き渡る。
剣と剣は競り合っている。クラウスはチャンスだと思い、剣を斜めにしシュウの剣を受け流す。
「しまった!」
シュウはクラウスの動きを読み間違えた事に気付いた。すぐさま剣から手を離し横へところがる。
その瞬間シュウの頭の上になにかが物凄い速さで過ぎていくのがわかった。
「また失敗だ…なんで俺の攻撃あたらないのかなぁ」
それはクラウスの剣だった。
シュウは確信した。
クラウスはいままでの子孫の中で1番強い事を…
「…よし、貴様の強さはもうわかった。試練は終了だ」
「えっ!?じゃあ…」
「あぁ…クリアーだ」
「よっしゃぁあああ!やっと元の世界に………ん?」
クラウスはなにかを思いだしシュウに尋ねた。
「つかこっち6日間いるじゃんかぁ。って事は元の世界も6日すぎてる事じゃん…すると俺の村はもう…」
クラウスの肩の力は一気に抜けだらし無い姿になった。シュウはそんなクラウスに近づき肩に手をのせた。
「大丈夫だ。こっちの1日は向こうでの1分だ。よって6分しかたっていない事になる」
この言葉にクラウスの顔はみるみる明るくなっていき、肩の力が戻っていく。
「じゃあ…まだ間に合う」
「あぁ…だがその前に洗礼と約束をしてもらいたい」
「洗礼と…約束…」
シュウはクラウスの顔を見てシュウは後ろの方を指差した。
その方を見るとシュウは祭壇を指差していた。