第4話‐精神の世界‐
「あんたが…先祖…」
クラウスは口をあんぐりと開けながらシュウの方をみる。
クラウスとはまったく違い、スラッとした美しい体型。この世の全てを魅了させてしまうと思う程の美しい顔立ち。そして綺麗なサラサラの髪。
だが有一同じ場所があった。
髪色だ。シュウもクラウスと同じ銀髪だった。
「我が子孫とありながらなんてバカみたいな顔をしている…口を閉じろ!口を!!」
シュウは軽く大声で言った。ボーッとしていたクラウスはビックリしてその反動でシュウによだれが飛んでしまった。
「あっ、悪い悪い。わざとじゃないから許してね?」
可愛くウインクをしてあやまるクラウス。だがはっきり言ってきもち悪い。
しかしシュウは無反応だ。しかも小刻みにプルプル震えている。
「あっ…こりゃぁヤバイかも…」
危険を察知したクラウスは抜き足でその場からコッソリ消えようとした。
だがその考えは甘かった。
「逃がさん」
突如後ろから声が聞こえてきた。
咄嗟に後ろを振り向く。
するとそこにはさっきまで目の前にいたクラウスがいた。
「えっ?」
次の瞬間クラウスの腹から鈍い音が鳴った。
クラウスはその場でひざまづき唸り声をあげた。
「いって…なにすんだよ…」
「全く…御先祖様に向かって唾をかけるとはけしからん…」
「いや、だからわざとじゃないって言ってるじゃん!」
「……………」
「おい聞いてんのかよ!」
「ではさっそくだが貴様には試練を受けてもらおうか」
「えっ!?俺の言葉スルー?」
「試練の内容についてなんだが…」
「人の言葉ちゃんと聞けよ…これだから…」
となにやらブツブツ独り言を言い始めた。
だがある程度文句を言うと満足?したのかシュウの話しを聞き始めた。
話しを聞いてある程度わかった。まずどうやら今俺がいる場所はシュウの精神の世界らしい。
魔物の封印が解けた時のみシュウ自信が精神の世界の扉を開け子孫が入れるようになる…と言っている。
んでそこでなんで精神の世界に廃墟があるのか聞いてみたんだ。そうしたら…
なんとなくだって。なんか…なめてるよな。
まぁそれは置いといて…
試練の内容は人によってかわってくるらしい。
精神の強さによって内容がかわり精神が強ければ強い程難しい。逆に弱ければ簡単。と言う事です。
だけど最終的な結果は同じらしいから俺的に弱い方が有り難いよ…
「では試練の間へ行こうか」
シュウが暗闇に向かって歩きだす。
クラウスもその後を追う。
「なぁなぁ、試練の間ってどんくらいかかるんだ?」
「ざっと5日間ぐらいかな?」
「はぁ〜!!?5日間!?食い物ねぇぞ!?」
「大丈夫だ。ここは精神の世界。言わば想像でなんでもできる世界だ。腹が減ってきたら腹がいっぱいだと思えばその通りになる…はず」
「おい!最後の
「はず」
ってなんだよ!!」
「知るか!ぐずぐずしてると置いていくぞ」
「ちょっ…待てよ〜!!」
‐続く‐