反乱
ジョーの意識がはっきりしてから外に出ると、すっかり深夜になっていた。
「今日は疲れました。姫はもうご自宅に帰られない方がいいかもしれません。奴らは何らかの復讐をしてくるかもしれませんし」
華枝は目をこすりながら頷く。
「近くに姉のアパートがある。スミダタワーが近くに見えるからって衝動借りしたらしい」
ジョーは携帯で連絡を取り始めた。
「夏休みで彼と旅行中だそうだ。勝手に使えって」
3人は、ファミレスで食事を済ますとにきれいとは言い難い雑然としたジョーの姉の部屋で一夜を明かした。
かれらが目覚めたのは昼。
上空でやけにヘリコプターの音がうるさい。
「今日は食材を買って僕が作りますよ、栄養をつけなきゃ」
張り切ってドアを開けた凛が小さく叫びを上げた。
「どうした」ジョーと華枝がドアの方に走る。
アパートの5階、目の前に広がる光景に三人は絶句した。
「な、何が起こったの」
風景が一変している。全ての植物は緩慢だが目でわかるような速度でずずり、ずずりと同じ方向に伸び始めていた。共用部分に置いた鉢植えの雑草も、ありえないくらい長く伸びて、手すりの隙間から下に垂れている。
外の植物達はもっと派手にふるまっていた。
家を取り巻き、信号機に巻きつき、道路を這い、橋を越え、線路を蹂躙し……。
風景に抹茶そばを重ねたように、すべてが緑色に覆われている。
彼らは、ゆっくりとだが眼前にそびえるスミダタワーに向けて行進していた。
大量の雑草の汁ですべったのかそこかしこで、車が横転している。
古い家の中には、蔓が絡まり押しつぶされそうになっているものもある。中から人が出て、なすすべもなく不安そうに潰れていく家を眺めていた。
「テレビつけて」
すべてのチャンネルが、このニュースを報じていた。
画面から、いつもよりやや甲高くなったキャスターの声が聞こえてくる。
「雑草や木、花、すべてがスミダタワーに向かって伸びています。ここからではわかりませんが、ゆっくりと、しかし確実に植物たちはタワーに向かって進攻を始めています」
スミダタワーは世界一の高さを誇る、墨田区に建設中の塔である。現在はほぼ完成し、634メートルという雲をも従える高さにそびえて、今後は内装工事の完成を待つばかりだ。
この高さでは珍しく、鉄骨でつくられた塔は芯となる柱が通っている。これは日本に古来から伝わってきた、免震のための設計であった。頂部にはゲイン塔といわれる放送用のアンテナを取りつける130メートルにも及ぶ長い棒が取り付けられている。
中継局が植物によってやられているのか、テレビの画像は徐々に荒くなっている。
「落ち着いてください。今のところ植物は人間に危害を加えない様子です。落ち着いて対処してください。自衛隊にも出動命令が下っています。植物の人間に対する反乱が始まったのでしょうか。まるで日本の新しいシンボルを奪い取ろうとでもいうように、植物達はスミダタワー周囲への我々の侵入を拒んでいます。あ、あれが、タワーの頂上にいると報告されている男性のようです。彼はこの不思議な現象の秘密を握っているのでしょうか」
テレビに映し出された、端正な顔をした青年。
それは。
「お、お兄ちゃんっ」華枝が悲鳴を上げる。
彼の全身から、藤蔓が出てそれがスミダタワー頂部の細い部分であるゲイン塔に緑のカーテンを作って揺れている。ゲイン塔は垂れ下がった満開の藤の花で飾られ、藤色に彩られていた。
普通の人間には見ることができない絶景の藤棚だ。
「あの藤から強いアトモスが風に乗って散布されています。これが人間への反乱の狼煙だったんですね。早く止めないとますます広範囲の植物が動き出します」凛が呟く。
「お兄ちゃんを助けなきゃ」
華枝はアパートを出て、駆け出した。
下に降りると繁茂する植物達が行く手を塞いでいる。しかし、華枝が足を踏み入れると、まるで、モーゼが海を渡ったときのように、植物たちは行く手を開けて道を開けた 。
「僕らも、行きましょ……」
凛とジョーが続こうとすると、植物は二人を遮る塀を作るように盛り上がった。
「ええい、どけっ」二人が引きちぎっても、次から次へ植物が現れ侵入を拒む。
――凛、私と意識を同調して、助言して。
華枝の声が凛の脳裏に響く。
凛の頭に華枝の見ている光景が映し出されてきた。
眼前に迫るスミダタワー。
緑の塀に覆われたスミダタワーの下に、同じく駆け込んできた者がいる。
「保与っ」
「ふふ、昨日は良く寝られて?」
頭髪を逆立て、蔓バラの赤い花を纏って、長身の女は不気味に微笑んだ。
「お兄ちゃんに何をしたの?」
「お前が逃げた時のために、我々はもう一人、鼻毛を変化させる華化族に目星をつけていた。お前だったら、全世界にすぐ通じるアトモスができたはずだ。それに比べると務はお前よりずっと弱いが、それでもこの範囲の植物に進攻を命じるアトモスが撒けたのだから、やはり潜在能力は大したものだ。ふふ、私と契ったときの奴のアトモスと言ったら……」
「やめてっ」
華枝は目に涙をためて叫んだ。
心の中に鳳先輩無きあと、後を埋めるはずだったお兄ちゃんが……。
なによ、なによ、ユリのような人が良いっていいながら、実際はこの凹凸ドーンって女じゃない。嬉しそうに外泊していたのはそのためね。
まるで熱帯の食虫植物のような雰囲気のあるこの女と兄の受粉を想像するだけで、華枝は胸がむかむかしてきた。
「アトモスを散布する場所は高い方がいい。我々が選んだのがここスミダタワーというわけだ。薬を使って奴に暗示をかけたら、昨夜自分一人でこのタワーの外壁から上って、アトモスをまき散らし始めた。もっとも、まともな意識状態ではない当のご本人は自分が華化と気づいていない、それどころか何をしているのかさえもご存じないかもしれないがね」
二人が対峙している場所に植物が波のようにうねって襲来する。タワーの下に立つ二人を取り囲むように壁を作ると、植物達はざわざわと揺れた。
「私たちに決着をつけろということのようだな」
保与はにやりとして、アトモスを出しながら高らかに周りの植物たちに語りかける。
「狼煙を上げてお前たちに呼びかけたのは私だ。生命体としての優位性を持ちながらも何億年も生態系の下部に居たお前たち、そろそろこの私とともに世界を牛耳ろうじゃないか。このまま人類の意志一つで滅ぼされたり、作りかえられたりするつもりか。時は満ちた。私はお前たちに優れた人類のテクノロジーを提供しよう。その代り、お前たちは私に世界を統べる力を貸してくれ」
鳳は、華枝がアトモスを散らしていると言った。ならば、この想いを伝えることも可能なのではないか。
華化姫は祈るような気持ちで叫ぶ。
「待って、確かに人類は自然破壊をしてやりたい放題だけれど、これも地上の生命体の一つとしての生業よ。人類によるストレスのおかげで、新しい進化をするかもしれないじゃない。人類とは良くも悪くも長いおつきあい、このまま戦って敵味方になるの? 全面戦争になったら人類は情け容赦なく攻撃して、地球そのものが生命の住めない土地になるわよ」
華枝は叫びながら、ふと考える。
自然を大切に。緑を育てよう。
でも、これはあくまで人間の都合による偽善。
所詮、植物とは利用しあうことはあっても基本的には敵同士。友好を呼びかけても言葉が上滑りするのも当たり前だ。説得力のない言葉に華枝は自分でうんざりした。
「所詮、生き物はみなそれぞれに戦っているのだ。食うか食われるかの世界でな」
保与が華枝に叫ぶ。
「戦いに大義など、いらない。彼らの流儀では強い方が勝者なのだ。ほら、見てみろ。奴らは、私たちの言葉など必要とはしていない。彼らは強い者の言うことを聞くのだ」
スミダタワーをコロシアムに変えるかのように、緑の塀がさらに高く盛り上がりざわざわと揺れる。
「戦えと言っている。勝者に従うと」
保与に言われるまでもなく、華枝の頭にもそれは伝わっていた。
じりじりと照りつける陽が容赦なく保与と華枝の顔を照らし出す。
「務を掛けて戦おう。スミダタワーの頂上、お前の兄を手中に納めた勝者が、植物たちに指令を出せばいい」
保与の頭が蔓バラになってスミダタワーの壁面にのび始めた。
華枝の鼻毛からも藤蔓が伸びる。
――姫、日陰に走って
凛の声が華枝の頭に飛び込んだ。
――あなたと、保与のスピードはほぼ互角。だから。
藤蔓を伸ばすのと同時に華枝の足の筋肉が盛り上がり、砂埃を上げて日陰側に到達する。
白い鉄骨に、華枝の藤蔓が飛びつく。
目の上の青い空に突き刺さるような、白い棒を藤蔓は目にもとまらぬ速さで這い上がっていく。華枝にとって、もう自分の身体の一部と言っていい、藤蔓。しかし、蔓バラも負けていない。
――今のところ、全く高度は同じです。
凛の実況が入る。
彼の視力では、塔の上部まで見えるようだ。彼が見ている情景がそのまま頭に転送されている。
相手より早く頂上に到達したほうが優位になる。なんとかして、兄を救出しなくては。華枝は全身のパワーを藤蔓に送り込む。
藤蔓と蔓バラ、天空に届けとばかりに突き進む二匹の蛇のようだ。
今のところ、互角。
ゲイン塔が見える。
頂上に先に蔓を伸ばしたのは……。
――姫、お見事。
凛が嬉しそうに叫ぶ。
――太陽が当たることによって熱膨張で、鉄骨の塔はやや日陰の方に傾きます。若干頂上までの距離は日陰の方が少ないとしてもそのアドバンテージをきっちりものにするのは、さすが姫ですっ。
直径8メートルのゲイン塔のてっぺん。到達した藤蔓は、務の方にまっしぐらに進んで、務を守るように務の藤蔓と絡まった。
その時、遅れて到達した蔓バラの蔓がゲイン塔の頂上を這い始めた
「上がるわよっ」
華枝の身体に藤蔓が巻き付く。蔓の一端を握りしめ、しっかりと頂上に絡みついていることを確かめて姫は足で地面を蹴った。
体はすごい勢いで吊り上げられ、まさに命綱一つで地上から何百メートルの高さを吊り上げられていく。
しかし、華枝に恐怖はなかった。
鼻毛が伸びると不思議と痛みを感じにくく、恐怖感が薄れ強気になることに華枝は気付いていた。下垂体ホルモンを調べたときに、ストレスを感じた時に視床下部と、下垂体前葉の連携で前葉から脳内麻薬のベータエンドルフィンが放出されるらしいから、その効果かもしれない。
風が強く、身体はぶんぶん揺れるが壁面を蹴りながらなんとか態勢を整える。
同時に頂上に這った蔓バラも、主人の身体に巻きつき、保与も負けじと飛び上がった。
数分後二人は同時に頂上に飛び上がった。
吹き付ける風に、慌てて手すりを持つ華枝。
頭上にヘリコプターの音がする。ホバリングして撮影しているらしい。
――中継されています。
凛の声と同時、保与の髪の一部が寄生木に変化し、沢山の種子をプロペラの音のする方向に飛ばした。
宙に止まっていたヘリコプターは急にふらつき、高度を下げていく。やがて隅田川に大きな水柱が上がった。
他に来ていた、数機のヘリコプターが慌てて離れる。
――種子がトランスミッションのあたりに浸潤して壊したみたいです。寄生木の根がケーブルを破壊したことが原因で通信衛星からの受信施設が使えなくなったという事例もあるようです。動きを止めるとあの種子が襲ってきます、ご注意を、姫。
「物騒な女ね」華枝が呟く。
「お前もなかなか物騒だぞ」保与が口をゆがめてにやりとする。
「よい子の遊び場、公園を破壊していたな」
「う、うるさいわね」華枝は頬を赤くして、藤蔓の照準を相手に合わせる。
相手の蔓バラが向かって来た、迎え撃つ藤蔓と絡み合う。
前回は、ここから寄生木にくっつかれ、エネルギーを奪われた。
照準を合わさせてはいけない、なんとかしなければ。
華枝の変身が始まり、アメリカンコミックのスーパーヒロインのごとく全身が筋肉に被われる。華枝は藤蔓を持つと、綱引きの要領でぐいっとばかり引く。
よろめく、保与。
しかし、保与は蔓バラを不意に伸ばし、華枝は後ろにひっくり返った。
蔓バラが首に巻きつき、棘で首から血を流しながら、姫はなんとか寄生木の付着を避けようと動く。そのたびに首に食い込む棘。
華枝は痛みに呻いた。
――姫っ、聞こえますか。このコール。
凛の声がする。
ハ・ナ・ゲっ。
ハ・ナ・ゲっ。
ハ・ナ・ゲっ。
――集まってくれた華化の皆さんがみな応援してくれてます。頑張ってください。
「一世一代の見せ場で、ハナゲはやめてーっ」
地上643メートルの場所で、乙女の叫びはむなしく風に吹き消された。
その時。
風に乗ってスミダタワーに舞い上がってきた白い雲が保与を襲った。
顔の周囲を被う白い雲を振り払おうとして、集中が途切れるメデューサ。華枝は首の蔓バラを引きちぎった。
――がんばれー、がんばれー、く、ど、うっ。
凛を通して由美の心が響いてくる。保与の顔に絡みついた白い雲は由美が下から放ったたんぽぽの綿毛の集団らしい。
――鳳先輩のこと、もう譲ってあげるよ。
「ああ、生傷に塩をすり込むような応援……」
あまりにもビンゴな急所を突かれ、ほんの一瞬立ち止まる華枝。
――姫、動いてっ。
凛の声は一瞬遅かった。
動きの鈍った藤蔓に、保与が放った寄生木がくっついて芽吹いた。
頭から、ぷつぷつと種子を出し、塔の上からまき散らす保与。
「これで、電波塔、回線、通信衛星などを使うメディアは大混乱だ。我がパワーアップした寄生木の種子をなめるんじゃないぞ」
――姫、自衛隊、メディア、警察、首相官邸、すべての機能が原因不明の停止だそうです。
「事前に巻いていた種子が働き始めたようだな」
保与は薄笑いを浮かべながら苦しむ華枝をみる。
「もうお前たちに勝ち目はない、投降して兄とともに私に仕えなさい」
『兄とともに』の一言で、華枝の怒りが爆発した。
「二度も同じ手にやられるかっ」
華枝はマイ鼻毛切りを出して、鼻毛のところから藤蔓を切断した。
ばさり。
藤蔓が無くなって、身軽になったことを利用して、華枝はそのまま保与に飛び掛かって、殴りつける。何度も、何度も。
不意を突かれて、ふらふらと後ずさる保与。
再び伸びた鼻毛から、藤蔓の束を出して華枝は鳩尾に一撃を食らわせた。
真っ赤に充血した目をして、あおむけに倒れていく保与。
長い体が、ゲイン塔の上に横たわり、ぴくりとすると、意識を失った。
肩で大きく息をしながら華枝は保与を睨み付ける。
あの女を倒した。
「か、勝ったわーーーーーっ」
ここから皆に伝えるのは、無駄だと知りながら華枝は喜びを声にしてまき散らすように叫んだ。
――やりましたね、姫!
アトモスが届いたのか、凛の喜びの声が頭の中にこだまする。
――あんたが姫でよかったぜ。
ジョーの声も伝わってくる。
――凛です。少し、植物達の動きが鈍りました。あなたの勝利を知ったのでしょう。今からお兄様のアトモスを変化させることができれば……。
その時、背後からなにか音がした。
「あ……」
振り向くと、そこにはぼんやりと鼻毛を垂らした兄が立っていた。
――姫、植物がざわついています。お兄様でしょうか。
勘の良い凛が尋ねる。
「な、なにが起こったの? なに、この鼻から出てる藤の蔓の飾り?」
眠たそうな目で周囲を見回す兄。
しかし、倒れている恋人と妹をみると、途端にうろたえだした。
「お兄ちゃん、よく聞いて。お兄ちゃんの鼻から藤の花が出てるわね。私が今から藤の花を出すから、それと受粉してアトモスを作ってほしいの」
「え……お前と受粉? って、兄妹でできるわけないだろ」
なにが起こっているのか全く理解していない兄。
「今のままじゃだめなの、お兄ちゃんの出すアトモスは、あの女の野望を実現してしまうのよ」
「いや、紹介が遅れたのは謝るけど、実はお兄ちゃんとその女付き合って……」
「もういいからっ」
無理やり兄の藤の花と自分の花をこすり付けようとする華枝。が、兄の藤の花はすべてまるで逃げるかのように顔をそむけた。
「なんでーっ、あの女は良くて、私じゃ嫌なの」
「いや、なんだか、こんな事なんだけど、よくわからないけど嫌なんだよ。本能的っていうか、悪いけど……」
逃げる兄、追いすがる妹。
「だめだよ、なんかすごく拒否したい気分なんだ」
兄は左右に首を振った。
――姫、なんだかお兄様が分泌されるアトモスが変わったようです。花達が急に後退し始めました。
「なんですって、凛」
――姫との受粉を拒む、アトモスが植物達に強力なネガティブメッセージとして伝わったのかもしれません。すなわち「NO」と。
凛の目を通して、植物達がゆっくりだが元の姿に戻っていくのが見えた。道路の上の挽かれた植物や、壊れかけた建造物はそのままだが、潮が引くようにスミダタワーの周囲はもとの下町の風景を取り戻しつつある。
「ちょっと、腹立たしいけど、まあ結果が良ければそれでいいわ」
華枝は不機嫌そうにつぶやいた。
――早くおりてください。寄生木の効果がなくなって、すぐ自衛隊が来る模様です。緑の壁も崩れ枯れていますから、人々が殺到しますよ。
華枝と兄は意識を失った保与を担ぐと階段をおりた。
階下に降りると、凛たちが手を振っていた。植物の壁は華化達を守るかのように覆いかぶさり、人々の目から隠しながら、彼らの逃走を助けた。
夕暮れの隅田川を背にして目覚めた保与が立つ。
「務、これでお別れだ」
「ええええっ、なんで。僕に悪いところがあれば言ってくれ」
状況を理解しておらず、うろたえる務。
保与はそんな務を愛おしそうに見ながら微笑む。
「いい奴だな、務は。華枝が兄離れできないわけだ。しかし私がお前の妹に何をしたか聞けば、二度と私に会う気はしなくなるだろう」
保与は華枝の方に向いた。
「今回は負けたが、これで終わった訳ではないぞ。覚悟しておけ」
「ええ、みんなそろってかかってらっしゃい。私の鼻毛がお相手するわ」
夕日に頬を染めながら、華枝はちょっと鼻を上向きにしてあのお得意のポーズを決めた。




