表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱の中の彼女  作者: 霧島まるは


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/32

腫れた唇


 美奈子の身体が、自分の腕の中にある。


 その感触に戸惑いつつも、孝太は離せなかった。


 これが、欲しかったのだ。


 いや、この人が。


 ぎゅうぎゅうに抱きしめる。


 会いたかった。


 抱きしめたかった。


 その思いをもう、孝太はこらえきれなかったのだ。


 チャンピオンになった。


 ちゃんと、美奈子に見合う、稼げる男になったつもりだ。


 だから。


 だから、何の障害もないと思った。


「「こ、孝太くん?」」


 腕の中の美奈子が戸惑って、彼を呼ぶ。


「オレ…好きです。美奈子さんのこと…好きです」


 やっと。


 本当に、やっと言えた。


 言ったら。


 完全に、タガがぶち飛んだ。


「「え? こ、孝太く…っ」」


 戸惑う唇を奪った。


 腫れているせいで、半分以上感覚が死んでいて。


 その死んでいる自分の唇が憎らしく、更に強く彼女に押し付ける。


 だが。


 孝太は、ひとつ忘れていたのだ。


 美奈子が、自分のことをどう思っているのか。


 勝ったことと、彼女に再会したことで一人盛り上がり、すかっとその重大な点を抜かしていたのである。


 ただただ夢中で。


 彼女の唇を、貪り続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ