夜の香り
掲載日:2026/10/06
青い空しかみていない
心地よい涼しげな眼差し
みにくいものはみたくないからと
これでいいですと上をみあげて
その空よりもすき通ったこころ
かさねたいてのひらとくちびる
星空よりも綺麗な花が
君の池に一本咲いたとき
夜よりもさみしい時間が
ほおを撫でながらとおり過ぎてゆく
だれに騙されても
生きてゆける自由を
その手からはなさなかった君は
ただ大好きなひとのことを
目のまえで好きですという勇気だけを
たもつことだけに必死な冒険者だった
青い空をみあげつづけていた
涼し風吹くおおきな野原に立って
優しい想いと
止まらない時間の流れと
突然消えてしまったあのひとの
微笑みだけでもいい
許してくれなくてもよいけれども
綺麗な声で
僕の昔のあざなを呼んでよ?
夜だけが
新しく
新しいのに
暖かかった
青い空の奥の奥に広がるという
夜の香りだけが仄かに微かに
こころの芯を静かにさせる
おだやかでいとおしい想いがちょっとずつ
たえまなく心に流れ込むよ




