第36話:泥沼 (The Mud Fight)
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第36話。法の壁と前官礼遇の前に、ミナの「手帳」が最大の危機を迎えます。泥沼の戦いの中、彼女が最後に手を伸ばしたものとは――。
数日後、ソウル中央地裁。拘束適否審査の法廷。
太陽ローファームのパク・ソンホ弁護士は、私の手帳のコピーを振りかざしながら、裁判官に向かって余裕たっぷりに語りかけた。
「尊敬する裁判長。被告人の研究業績は、国家バイオ産業における莫大な資産であります。逃亡の恐れもないばかりか、検察が提示した核心的証拠であるこの『手帳』は、学業のストレスと成績不良により恨みを抱いた学生が、無断で作成した『私的なメモ』に過ぎません。原本の真偽すら確認されておらず、偽造や変造の可能性を排除することはできません」
息が詰まった。
手帳は公式文書ではない。私的なメモの証拠能力は制限的であるという、法の冷酷な限界。担当検事の反論は、前官弁護士の論理の前に、まるで張子の虎のごとく無残に引き裂かれた。
「被告人に対する拘束を取り消す」
裁判官の短い宣告と共に、ハン・ドユンは手錠を外され、法廷の外へと悠々と歩み出た。降り注ぐ記者たちのフラッシュの洗礼の中、彼は慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、宣言するように言った。
「真実は、必ずや明らかになるでしょう」
私は裁判所のトイレに逃げ込み、冷たい洗面台を両手で強く握りしめて立っていた。鏡の中の私の顔は、死体のように蒼白に染まっていた。
私の記録がそのまま刻まれた手帳が通用しない。血の涙を流しながら書き綴ってきた三年分の真実が、ただの紙屑となってしまった。
トイレの外の廊下では、キム・ジェヒョクがタバコを吸うこともできず、焦燥感に駆られながら壁に寄りかかっていた。
「捜査官。手帳が通用しないなら……別のものが必要なんですよね?」
「今のところ、この盤面をひっくり返せる確実な物的証拠がありません」
私は鞄の奥深くに手を差し込んだ。そして一年前、寄宿舎を追い出されたあの日から、手帳と共にお守りのように肌身離さず持ち歩いていた『古い物』を取り出し、彼に差し出した。
「これは……2004年に、私が研究室のパソコンから密かにバックアップを取っておいた、電算記録の原本です」
キム・ジェヒョクの濁った瞳が、私の手に握られた四角いプラスチック――古い『フロッピーディスク』に向けられ、ピタリと止まった。
第36話をお読みいただきありがとうございます。
手帳がただの「私的なメモ」として退けられ、再び世に放たれてしまったハン教授。「真実は必ずや〜」と嘯く彼の姿には、本当に怒りが込み上げてきますね。
しかし、絶望の泥沼の中でミナが取り出したのは、なんと1年前から隠し持っていた「フロッピーディスク」でした!
いよいよ物語は、誰も予想できなかった最大の反撃へと向かいます。この痛快な逆転劇をぜひ最後まで見届けてください!面白かったという方は、下部の【ブックマーク追加】と【星(評価)】での応援をよろしくお願いいたします!




