第25話:烙印
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第25話では、無期停学という絶望の中にいるミナの元に、新たな「記録」を持った後輩が現れます。
無期停学。私の額に鮮明に刻まれた赤い烙印。
キャンパスへの出入りを完全に封じられた私は、修士号という人質を奪われたまま、コンビニのバーコード音やPC房の饐えたタバコの臭い、そして夜間の家庭教師を転々としながら、一日一日の生存を必死に繋ぎ止めていた。
風がとりわけ冷たく吹き荒れていたある日の夕方。
コツ、コツ。
自炊部屋のドアを叩く、慎重で一定のリズムの音が鼓膜を震わせた。
警戒心を剥き出しにし、ドアチェーンをかけたまま少しだけ扉を開けると、廊下の冷たい闇の中に聞き覚えのあるシルエットが立っていた。
小柄な体格にショートヘア、寒さのせいか、あるいは恐怖のせいかガタガタと震えている黒縁眼鏡の女子学生。
「先輩……チョン・ユジンです。同じ研究室の……」
「わかってる。ユジンね」
部屋の中に入ってきたユジンは、凍えた手を温める間もなく、大切そうに抱えていた鞄から何かを取り出し、差し出した。
「私も……教授の下で、どうしても説明がつかない奇妙な出来事をあまりに多く見てきました」
私の持っているものと身の毛もよだつほどそっくりな、真っ黒な人工皮革の表紙の手帳だった。
「先輩がこれまでずっと一人で記録していたこと、知っていました。ボヒョン先輩の手帳を偶然見たとき、先輩の名前を見つけたんです。だから私も……」
ユジンの眼鏡の奥に見える震える瞳の中には、深い恐怖を押し殺したような、冷徹な決意が混じっていた。
それは、三年前の春、寄宿舎の窓から桜の花びらが舞い込んでいた日に手帳の一ページ目をめくった、二十四歳の私の瞳とそっくりだった。
「これ、危険なことだってわかってる?」
「はい。わかっています」
「私みたいにすべてを失って追い出されるかもしれない。それでもやるの?」
ユジンが青白い唇を強く噛み締め、重々しく頷いた。
「教授が先輩を追い出してから、今、研究室の中ですごく大きなことを準備しています。毎日黒板に『コスダック上場』『VC投資』といった文字がびっしりと書かれていて、ユン・ソンミンという見知らぬ男が頻繁に出入りしています」
その瞬間、私の頭の中で破片のように散らばっていた過去の断片が、猛烈な勢いで繋ぎ合わさり始めた。
入学初日、教授の机の上をかすめた『Bio-Guardian』の封筒。山荘の合宿の夜、ユン・ハジョンの密やかな電話。「お兄ちゃん、お金の問題はすぐに解決するわ」そして、廊下で盗み聞きした教授の声。「投資金はいくらあればいい? 200億か?」
搾取された大学院生たちの血の涙は、序幕に過ぎなかった。
教授は今や、研究室という小さなサファリを越え、資本市場という巨大なジャングルを丸ごと飲み込もうとする怪物へと進化していた。
私は固く閉じていた自分の手帳を再び開いた。
「ユジン。中(研究室)で静かに、もっと詳しく探れる?」
「はい」
記録者の孤独な戦いは終わった。しかし、共범者たちの真の反撃は、これからが本番だった。
第25話をお読みいただき、ありがとうございます。
一人で戦い、すべてを失ったと思っていたミナの前に現れた後輩・ユジン。彼女が持ってきたのは、もう一冊の「黒い手帳」でした。教授の野望が研究室を飛び出し、巨大なマネーゲームへと変貌していく中、二人の孤独な記録者による反撃が始まろうとしています。
物語はここから、より巨大な悪へと立ち向かう新展開に突입합니다. 続きが気になる方は、ぜひ【ブックマーク追加】と【星(評価)】で応援をお願いいたします!




