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【韓国NAVERミステリー1位作家】黒の実験室(ブラック・ラボ) 〜白衣を着た悪魔と、絶対改ざん不可の記録〜  作者: ソルビョル


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第16話:陳情書

いつもお読みいただきありがとうございます!

第16話では、ついに労働庁へ「陳情書」が提出される緊迫した瞬間と、その裏で繰り広げられる不条理な「貢ぎ物」の儀式が描かれます。

12月の身を切るような冷たい風が吹いていたある日の午前。


研究室のモニターの前に座りタイピングをしていたが、神経は机の下に伏せて置いた携帯電話の液晶にすべて注がれていた。


パベズが書類の束を抱え、管轄の労働庁へと向かった日だった。


ブー、ブー。発作のように鳴り響いた振動に、慌てて携帯電話を握りしめ非常階段へと出た。「到着しましたか?」


[はい。今待機中です。私の整理券番号は37番です。]


受話器の向こうから、官公庁特有のざわめく騒音が聞こえてきた。パベズの声は微かに震えていた。


「……大丈夫ですか?」

しばらく重い沈黙が流れた。


彼が自分自身に「大丈夫か」と問い直しているのがわかった。


[はい。大丈夫です。提出したらまた連絡します。]


電話が切れ、私は非常階段の冷たい手すりを強く握りしめた。恐怖ではなく、張り詰めた緊張感だった。


昼休み、大学の裏道にある古びたカフェ。遠くから歩いてくるパベズの足取りが、妙に違って見えた。


席に座るやいなや、彼がダウンジャケットの内ポケットからパリッとした一枚の紙を取り出して差し出した。


[受付番号:2003-12-1847]


午前中ずっと彼が握りしめていたであろう、赤い判子が鮮明に押された労働庁の受付証。


たかがインクが滲んだ薄い紙切れ一枚に過ぎないのに、どんな判決文よりも重く、圧倒的に迫ってきた。


「一週間以内に調査官が配属されて、連絡が来ると言われました」


パベズが冷めていくコーヒーカップを両手で包み込むように握りながら付け加えた。


「それから……調査が始まれば教授が感づくかもしれないから、心の準備をしておくようにと」


「恐ろしくないですか?」


パベズが私を真っ直ぐに見つめ返した。


「恐ろしいです。でも……もっと恐ろしいのは、何もせずにただ立ち尽くして死を待つことですから」


私は無言で頷いた。ついに、後戻りのできない歯車が回り始めたのだ。


その日の夜8時。研究室の空気は相変わらず濁って息苦しかった。


退勤時間をとうに過ぎていたが、誰もあえて席を立とうとはしなかった。固く閉ざされた教授室のドアの隙間から、明かりが漏れていたからだ。


その時、ボヒョン先輩が古い書類封筒を一つ手に持って私の席へ近づいてきた。


「ミナ、ちょっと廊下へ」


廊下に出ると、ボヒョン先輩は周囲を一度見回し、密かに口を開いた。


「来週の金曜日……教授の誕生日だってこと、知ってるわよね?」


研究室の壁掛けカレンダーに真っ赤なペンで印がつけられていたその日。いわゆる『太陽節』だ。


「今年は私がプレゼントのまとめ役を引き受けることになったの」


先輩が封筒の中から高級ブランドのカタログを取り出して見せた。


「グッチの財布かフェンディのネクタイを考えてるの」


「予算は……どれくらいなんですか?」


「60万ウォンくらい。去年テスが主導してグッチのベルトを買ったじゃない。それより安いものを買ったら教授の顔が強張るの、わかってるでしょ?」


前任者より安い貢ぎ物は、反逆も同然だった。


「だから少しずつ出し合って集めようと思って。一人5万ウォンずつ」


ポケットの中に突っ込んでいた両手が冷たく固まっていった。私の一ヶ月の生活費が揺らぐほどの金額だった。


先輩が開いて見せた封筒の中には、すでに一万ウォン札が何枚も無残に丸められて入っていた。


その時、パベズがこわばった表情で廊下に出てきた。私の手に握られた封筒と高級カタログを交互に見ていた彼の視線が、虚空で止まった。


「金曜日の夜7時までに江南カンナム駅へ来て。教授がクラブのルームを予約したそうよ。誕生日パーティーをするって」


ボヒョン先輩はその言葉だけを残し、逃げるように研究室へと入ってしまった。


給与が保留されたパベズ。ビザの延長を人質に取られた彼にとって、『5万ウォン』というお金がどれほどの血の涙を意味するのか、私には想像することすらできなかった。


しかし、私たちはわかっていた。


この奇形的な沼で生き残るには、少なくとも捜査が本格化する前までは、そのちっぽけな忠誠心を金で証明しなければならないということを。


私は財布を開け、一万ウォン札を五枚取り出して封筒に入れた。


パベズがその様子を無言で見守り、カラカラに乾いた声で言った。


「私も……明日入れます」


拒絶することのできない、絶対的な屈服の儀式だった。


その日の夜、静まり返った寮の部屋。


スタンドの明かりの下で黒い手帳を開いた。


『2003.12.xx 労働庁への陳情書受付パベズ 受付番号:2003-12-1847』


そしてその下に、鋭いペン先でもう一行書き加えた。


『教授の誕生日プレゼントの貢ぎ物:5万ウォン(高級ブランド) 金曜日:江南のクラブで誕生日パーティー』


手帳の上で、二つの相反するタイムラインが同時に流れていた。


一つは、破局の始まりを告げる陳情書と調査、そして希望。


もう一つは、依然として強固な権力を象徴する高級ブランドとクラブ、そしてひどい搾取。


私はペンを置き、真っ暗な窓の外を凝視した。


決戦の金曜日まで、残された時間は4日。


調査官からの電話が先にかかってくるか? それとも、教授が感づいて私たちが先に踏みにじられることになるか。暗闇の中で、血の凍るような時限爆弾の秒針がチクタクと動き始めた。

第16話をお読みいただき、ありがとうございます!


パベズが震える手で受け取った一枚の受付証。それは希望への切符であると同時に、教授の逆鱗に触れる時限爆弾のスイッチでもありました。一方、給与も出ない状況で強要される5万ウォンの「貢ぎ物」。相反する二つの現実が手帳に刻まれた時、ミナの感じた絶望と緊張がひしひしと伝わってきます。


決戦の金曜日まであと4日。果たして彼らの運命は……!?

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