侍女ゼン視点
私の名前はゼン。アビッソ王国の三大公爵家の一つエージェルト家の長女アリシア様の侍女として奉公させていただいている身でございます。
出身はエージェルト家のお膝元であるカタストローフェのスラム街出身であり、そこをたまたま視察に来ていたアリシア様に拾っていただき、侍女としてお仕えさせていただいております。
そんなアリシア様との出会いは衝撃的なものでした。
あれは、娼婦だった母親が亡くなり父親を名乗る人物からいまから3時間後にこれをもらい受けるといわれ、放心状態の時でした。
出会ったばかりのアリシア様は、スラムに視察というよりもお忍びで来たようもので、その足取りも手慣れたものでございました。
まるで、餓えた獣のように涎を垂らしていました。
私と母親だった死体を見た瞬間、アリシア様は死体に飛び掛かり食べ始めました。
多くの人々はアリシア様の行動を攻め、魔女として火あぶりとするでしょうが、私にはそれが美しく思えました。
母親も父親を名乗る男から守れましたし、母親も本望であったでしょう。
とにかく、その時のアリシア様が私にとって一番できれいで気高く、美しかったのです。
もしも、アリシア様が大量殺人、ひいては、大量虐殺を起こし、全世界が敵に回ったとしても私はアリシア様の味方でいます。
一番美しいものをみれるのであれば、それに対する犠牲は大きいものになるのでしょう。
けれど、それで結構です。それが普通なのです。
私の願いを打ち明けるとしたらそれはアリシア様に食べられることでしょう。
そう思いながらアリシア様に使えるのです。




