10.青春、おお
「それで初討伐を終えたのね。良いじゃない!」
僕達は夢火井委員長に依頼の成否を報告しに戻っていた。
「次は何をすれば良いですか!」
「今日は何もしないでここで待ってて欲しいんだけど良いかしら」
委員長が何もさせたくないというのは珍しかった。何の要件だろう。
「このままだと青春要素が足りないのよ。ミナミちゃんの学園生活に」
「?」
「青春、おお」
ミナミちゃんが首を傾げる。
「何かおかしいこと言ったかしら。青春ったら青春よ。こんな変な学園で暮らしてたら若者の健全な青春が過ごせないのよ」
「…今でも十分楽しいですけど」
「化物を倒してお金を貰うなんて青春じゃないわよおっ!」
夢火井委員長は、何だか青春に拘る。相手がエイリアンだろうとドラゴンだろうとヴァンパイアだろうとお構い無しであり、当然に僕も青春を享受することを彼女によって義務付けられていた。
「…じゃあ、青春って何をするんですか」
「まず、委員会の皆で夕陽に向かって走る!そしたら学校に泊まってお祝いしましょ!投げるための枕はこっちで用意するわよ!あと恋バナもするから話せることを捏造してきて!」
「ええ…」
夢火井委員長の青春観は少し偏っていた。
つまりは、他のメンバーが依頼を終えてここに帰ってくるまで待つという事だ。
「夢火井…依頼を終えてきたぞ…」
副委員長が戻ってきた。
「来たわね!」
「成程…今日は青春の日だったか…」
「察しが良くて助かるわ!」
彼女は鞄を漁る。
「他のメンバーが戻るまでトランプでもして遊びましょう!」
という時、部屋に入ってくるものがあった。
「怪滅委員会のミヤコですけど〜手伝ってもらえますか〜?」




