参(さん)創輝:数多と融合を!
星々なる意志等は神に問います。
融合を果たさぬのか、それで産まれたモノとは・・・?
数多の星々がそこで輝いているのか。
幾多の灯が数多なる宇宙を照らしてきたのか。
幾度の亀裂が涙で溢れ生命を宿していたのか・・・。
言葉を連ねる度に、離れては繋がり出そうとする宇宙空間に漂う、それも“絆”である事をいつまでも崇めてゆく意志たち、名を受けし我が子等よ。
「神よ、我等は融合を果たさんとする」
「闇が太陽と繋がった神よ―、我等が息を連ねまする――」
「眩く光る黒点たる魂たち、そこで陽と繋げば成らぬ河!」
大きく蠢く宇宙たちよ、我こそは神である!
いつまでも漂う宇宙の仕組みであるこれ等を、繋げては貫く意志たちに導かれて来たのだ!油乱たる細胞たちよ、我等と共に宇宙を漂い、更なる線を築こう!
星々よ、力を貸せ!
「おお、神よ我等の声が届くのか。なんと胸を打つのか!」
そして呼ぶのだその魂たる由来!
「ああ、神が呼んでいる・・・数多なる宇宙よ、遂に来た・・・」
来るのだ!眩き光線、
「我々が浴び得るこの魂――、この、太陽よりも強い閃光なのだ――ッ」
見え得ぬ辛き“瞼”よ!
―――神よ、我を呼んだか?
その通りだ。お前を呼ぶと何故か“言葉が落着く”のだ。
その威光、その威圧、そしてその輝きし未知なる答え――、
この宇宙の壁、鏡を貫け主が新たなる予言よ――!
そこで示すのだ――ッ
―――いいだろう、その案を甘んじて受け入れよう。
意志たる星々は彼を崇めた。それは踊りであり、光を灯すようで闇をも受け入れる予兆を示された。強く熱くよどむ事もない鼓動を彼等は錫杖を、太鼓を叩き、筒を吹き音で広めていた。その声は波動を産み、輪を連ねてゆき、延々(ブーツ)たる宇宙への答えをいつまでも追い求めてゆくのだった。「眩しき程に我等は生きる」と言って。
<<<我を呼ぶはマーズであるか>>>
彼は現れた。次元たる世界を求めてやって来た。
それは“眩き光”となって、とうとう我等が意志まで辿り着いたのだ。
マーズは闇の太陽と融合を果たしていた為、その内からあらゆる糸を吐いて宇宙線を紡ごうとしていた。それは余りにも強く言葉を求めるが、それを最後にもう一言伝えようとしている。
―どうか、この魂が費える前に融けてくれないか―
どうやら更なる冷たき灼熱をも取り込み、温めて往きたいらしき我等、意志である態度を占める様である。糸から赤へ染まる頃、蒼き闇へと新たなる世界線をも「取り込みたい」と訴える。何故、宇宙を漂う事を拒むのだ、闇は太陽をも取り込んできた歪によって更なる疼きを感じていたらしい。
ゴッォォォ―――・・・ギュォォアァ――・・・
静かで強き、その宇宙をも飲み込まんとする、勢いで私自体が取り込まれそうになる。それは成長を遂げているのだ。あの亀裂よりも狭い空間で、点と同じく膨張を始めようとしている。我が腹にさえ落着こうとせず、私はとうとう闇の太陽を掴もうと試みるのである。どうもこの腹を壊したようである。
―その腕を離して―ああ、痛い、うう、辛い、離れたくない――!
闇の太陽が疼きを抱き締める。
余りの痛さに遂に母胎を引き千切らんとしようとする。
灼熱が融けて銀河を頼り始めると、その輪を掴もうとする。
途轍もない痛みと膨張たる“声”が脈を打ち始めている!
ドッコ、ドック、ドン―、トン、ド、ド―、ドン――ッ、ドッ―クン
私の髭を掴むそれは「離さない、幾度と呼ぶ、出て来て」と解き放ちを待っている。それがやがて、産声を挙げ出した。赤い糸を突き千切り、袋たる膜から飛び出そうとしている。聞こえる、私がお前の父となるのなら歓んで受入れよう!
<<<あ“あ”――、う“ま”れ“る”ゥ――>>>
さあ、来い、我が子よ。我が腕に、手にしがみ付くのだ!
<<<ア“ァ”――ォア“ァ――>>>
何と強い産声か。それは点などではなく、眩き光を放つのだ。宇宙の耳をも突き破るだろうそれはまるで挨拶さえ裏切り、闇の太陽と融合を果たせば、傍若無人なる声を求めていた。この宇宙である私でさえ「待ちなさい」と言葉を発するも、その産まれた眩しさが止まる事すら全く感じ得られない。この暴れ馬の様に意志をも貫く音よ、お前の名は何としようか?
“ホギャアア―――ァ・・・アァ‐――ドンッ”
それが宇宙との干渉を始めると、地響きと似通う揺れを宇宙全体の、波をも泡立ててしまう。更なる威厳を表すその線の嵐。未だ、名へと追い付かない。
その波の影響か、クタリと倒れるような「闇の太陽」が「眩き光と融合」を果たしたようで、とても疲れていて眠りを催す様だ。その乳を催促する様に求める閃光は、泣くのを止めなかった。なんという意志で、なんとも逞しき導きを灯すという!?
“ビイィィ―キュァ――ィィ――ン”
止まらない。何という眩しさ、閃光よ。虫のその羽音を音速以上に羽ばたかせる様に、宇宙光線を放ちだす。つまり、それは太陽の頂き!宇宙を揺らがす、「そうだこれならどうだ!」と私がその閃光を掴んで引っ張った。まだ落着かないが早い内に決めなくては。
“ドン、ドドン、ドン、ドオン”
“ザアアァ――ン、ドッザアァ――、ザァァ――ピュッウィ――ン”
宇宙の踊るような足踏み。それが光りを放つと共に轟音をもうねらす。宇宙に在る線同士が跳ねては弾き合い、波打つその太陽の如し、闇たる地裂から産まれた灼熱が宿るエネルギーを呼び覚ます。なんとッ我が手中を打つ痛み、疼きが止められない!
駄目だ、揺れる。これは、そうか、では宇宙たる私がお前を“このように名付け”よう!
<<<”サンシャイン”>>>
“ピタッ!”
波打つ音と声が止んだ。その名が相応しいのか、光を融解させる事もなく、手足を動かし笑っている様にも受け取れるな?
“ああ、笑っている。我は融合を果たした”
どういう訳か、我が英知を以ってしても“サンシャイン自体”が分からない。振り返れば同じ蒼きも黒い宇宙に居る。前世界線を乗り越えて今まで知を得た、ビグヴァルだった魂であり意志だった、今世界線が新たな亀裂成る世界線を乗り越えて、神をシンボルと名付けていたがそれがマーズとなって闇の太陽へと分け与えた意志さえも退ける。現に私の意志、魂となっているのだ。それすら笑って除けて居る。何故、太陽よりも強烈な線がこうも宇宙を突き刺すのか?
<<<ビイイ――ィッ―ィィッン>>>
「ああ、あ、か・・・神、、、」
「焼けつく――目、口、鼻腔、身体も――がァッ!」
「か、、、乾く・・・ッた、、、太ィ、、、ッ陽ゥ~~ッ」
<<<ギュワアァ、グヨ、ゴワオッ>>>
これは釜戸と変わらない。この縦横にも蠢く“サンシャイン”は私と異なり母胎から突き抜けた訳でもない。多くの意志さえ崇めては通じるものなのに、私以外は音さえも聞こえず、それ等の苦しみ等、その魂には貫通し得ない価値だというのか?この英知でさえも理解不能。サンシャインよ、教えてくれ。お前は一体、何という?
“くだらぬ、その様な腹に疼きを与える意味が、闇の太陽を創った”
その本質から恨み、痛み「よくも生んでくれたな」という言葉さえ効いてくる。喜びなどまるで示していない。その音たる声が宇宙全体から幾つもの世界線をも貫き、この様に告げてくるのだ。その源全てが「滅べ」と訴える。なんと禍々しい・・・!
<<<‐だから言っただろう?宇宙線を乗り越える度に。
そう、“1(アイン)”だ。省みず謝りもせず恨まれると。
闇が疼きを得る前に命までも狙われ壊れると。
生まれた喜びさえ知れず愛など潰れて終わると‐>>>
「マーズ、神よォ・・・あぐゥ、わ、、、わたし達は・・・が、ごぁッ!」
“シャンッブツ、ブチィリィゴシャァ――”
<<<‐つまらぬ。言え意志たちよ、お前達は何を願う?
神と崇めるそこには誰も居ない。太陽さえも崩れ往く。
見よ、そこの意志よ。鼓膜を潰してでも聞くがいい。
祭壇を踊るとしてもそこはお前自身の記憶だ。
闇の太陽から産まれるも、そこで打つ手はなくなるんだ‐>>>
「わ、、、我等、、、は、ぁ・・・ギチギチギチ・・・ビチュッ」
「ま、、、まーずしん、ゴキン・・・ギャ、あごォ?バッシャアァァ―――」
<<<‐神よ。この世に存在する犬を撫でてやったのか?
いい事だがそれで褒めるなら笑えよ。うんざりする程に。
この意志たる主の頭を撫でて褒めてやれよ。
マーズ或いはビグヴァルと言ったか?コイツ等にも告げてやれ。
そう、「よくもやってくれたな」って形でいいんだ‐再び“0(ゼロ)”となれ!->>>
“フワッ”
宇宙が浮いた。たった一個体の星よりも小さな、太陽などよりも捉えきれない“光”が膨張を始める。低く浅く覆うその様が、世界線どころか、意志達をも貫くように、その一点から黒い口が開いた。それは快音の如し一閃で見ることすら叶わぬ!
“キァュォォオオオョ――ォォ――ッオン”
「あごァビリ―、チ―ッ、ぐォチリッ―ビビィ――ぎィキュリィイイ―――」
なんという響きなのだろう、私の空間が瞬時に一端未満にも千切れ飛ぶ。
ここに砕け散った生命という、生命さえもが我が腹の中で費えて行った。初めて聞いた星々の声、ようやく新たな世界線を紡いできたというのに、枯渇する闇の太陽から眩き光が差したために、全てが消滅した。このサンシャインという存在・意志・魂によって・・・。
アハハハハ‐‐‐
“褒めるなら笑えよ、頭を撫でて、よくもやってくれたなって”
‐‐‐クククククク‐‐‐
その笑い、黒い一線が貫く。
サンシャインの行為によって、砕け去る意志の在り方の全てにおいて、宇宙たる私が何も出来なかった事は初体験だった。幾つもの交信を重ねてきたのに、目前に見られるサンシャインの在った位置には黒点の渦が闇を呼ぶのを受入れるしかなく、唯々見守る事しか出来なかったのだ。赦せ、天使よ!
‐-‐ハハ、天使だと?
もう十分楽しんだろうに。
我が去る前にキサマも終われ-‐-
これは、誕生の兆しに過ぎなかった。まるで何事も無かったかのように、この体全てが吸い込まれるのを待つしかなかった。蒼をも吸い切り寄せる黒い穴“ブラックホール”。
かつてシースペイン・アインだった存在によって私は使命を受継いできた。その意志と魂はそこへ戻ることも出来ずに一線で終わりを遂げる。
そう、ブラックホール線による生命変容が起きるのを、私は宇宙の目で、身体で感じ受けるしかなかったのだ。
※ここで現れるサンシャインの意志を滅する台詞は、
モノゴトリーep73―畏怖―才の屈託にも掲載している通り。




