弐(に)創輝:更なる世界線
私はブラックホールを放つと、それが宇宙音の反響で返ってきたのだ。それはまるで生命の鼓動を感じさせるものに近いのだった。その鼓動に触れる度、私の宇宙は拡大する。無論、世界線をも拡大させていく。
「神よ、我が神よ、わたしは一体どこへと向かっているのですか?」
「神よ、我が星に銀河に新たな生命が誕生しました。善なる判断を」
宇宙空間は見えない壁で覆われている。それは私が未だ成長を続けるという意味なのだ。君達はそうやって我に付いて来るのだから、多少は我慢してゆくのがよいのだろう。何せ意志はそれを望んでいるのだからその流動に逆らっていては元も子もない。
「分からない、わたし達、意志が同調を始めるまでかなりの時を要するのです」
「教えを乞う、今までの方向を目指せば、ナマエすら忘れるの?」
「これまでを・・・壊すの、ですね?」
「貫く。我等を覆っていた数々を!」
我がアブソープド・ゼロたる放線は、彼等私の意志と同調を始めると、一つは光となり、一つは闇へと大きく広くも分解してゆく。いいのだな、我が放射を君達があらゆる法学を求むのなら、それはやがて未知なる世界となるだろう。
―――ああ、縫えぬ、引けぬ。
かつての点であった“イシタル”よ、私は逆らえない、逆らっていては動く事すら叶わないのだ。その光は太き陽となり、あの闇は煙を上げ更なる黒き門を閉ざさず広げてゆくではないか。そこで君達はこのまま宇宙となり、チリさえ固める導線となるならば、私は喜んでその機を迎えよう。
「迎えに来ました、神たる意志よ、世界は幅広いのです!」
「喜べよ、失意成る宇宙よ!やがて束兼ねる事さえ我ら意志、一つとなるのだ」
「数多なる銀河よ。下手に動くな――、そっと糸を引くのです・・・」
赤くも青い空を眺める意志たちよ、君達は別れてきたのだ。
怖がるな、振れるな、強さを感じろ、君達はより宇宙なる値を強さとして示している。この亀裂を見るがいい。次元だる由縁を考えるのだ。
そう子供のように強くも逞しく“在れ”―――!
ピチッ、ピキィ――ッピカ――ピリ、リリ、リリィ――――
《往け!》
カッキャアァ――・・・パリイイ――ン・・・
千の亀裂が、一万と枝分かれ、100万の毛細空列を一億もの煙を上げ、一兆の断裂がきたされ、30京もの破裂と霧、雲河、果ては命が空間を貫いてゆく―――ッ
“次元断裂”ゼロによる果てなる記憶と意識が漂う、宇宙の未来へ君達を招こう。
「アブソープト・ゼロ・・・完したぞ!」
「アブソープト・ゼロ・・・出立が始まる、我らが銀、」
「これが、次の元素・・・我らが選択・・・なのか」
私の放つ閃なる波が、亀裂音が、次々と現れ浮遊する物質と液状が、ようやく止まるまでおよそ4,000不可思議なる果て、、なんとも我が腹をも突き削ぐのである。この痛み、その冷たき空を裂くリュートよ、お前は我が頭脳を我がモノとしたのだ!
その姿、多くの泡が送還を意味する礫となり縁から絆へ愛を運ぶかの如し、強き勢いに私はもはや、君達の未来となろう。銀河アスペリオンよ、集合となりそれぞれに散ってゆくの“だ―――!”
キュォ―――ォォ―――ゴオオ―――ビュうおおお―――・・・ぉ
声たる風か、はたまた耳たる流域となる、それは爆炎のごとく空発放音を響き渡らせ、歪を産み我が腕となるのだった。唯々広く、唯々押し広げては戻す油水のように各銀河が誕生。そして私は君達意志と漂う、一度に発射気温となって冷たき礫を緩めてあげようッ!
「―――来る!」
「――我等が主よ!」
「―崇めましょう、一季なる勢いよ!」
キ――ン―――ッ“ヒュバッ”
神が降臨する。我を思い出せ、私を呼んだあなたが最初で私は元素といいましょう。さぁ、意志たちよ君達は宇宙の虜となったのだろう。その輪を汲み、そこから審判を下すのだ!
そう、神と呼べ、一度に一気に、強く叫ぶのだ――――ッ。
《ビグヴァルだった素よ、我を呼びし青と赤の脈等よ・・・、ようやくあの焼ける亀裂から呼んで連れて来てくれてどうも、ありがとう――》
あなたは、マーズ。
やがて私はそう命付けるだろう。
名を借りる事だろう。
《アブソープト・ゼロ、英知よ、ようやく自由の身を放て、果てなる我もそのように君を命付けよう――!》
弌創輝より世界線を乗り越え、
弐創輝になり次元より出し更なる世界線、、、
神、、、
降臨――ッ!




