~十二月~№1それぞれの思い
つきつけられる現実。
31日のライブで環が倒れて2日が過ぎた。
今だに目覚めず眠ったままの彼女であった。
2日である今日、絵美と俊二がやって来て、途方に暮れる3人に告げた。
「ごめんね。皆さん、環はもうアイドルはさせられない」
絵美ははっきりとそう言い、
「すまない。もうあの子に無理はさせたくない」
俊二は深々と頭を下げる。
「・・・そんな」
と言葉を失う静に、
「わかりました」
と碧は重い口を開いた。
「・・・・・・」
綺羅々は黙って俯いた。
彼女に両親が去った後、練習場に残された3人はしばらく何も言葉が出なかった。
ぼんやりとした中、時間だけが過ぎていく。
「どうする?」
最初に言葉を出したのは碧、
「環のいない、ちぇんじまいらいふなんて考えられない」
静ははっきりと言った。
「私も同じです」
綺羅々は大きく頷いた。
「・・・そうだよな」
彼はそう返すしかない。
・・・・・・。
・・・・・・。
長い沈黙。
「元から夢物語だったんだよ・・・だからもういいんじゃない。いっぱい頑張ったし、思い出も作ったし、これ以上望むのは贅沢だもの」
静はつとめて明るく喋った。
「私はそうは思いません」
綺羅々はきっぱりと言った。
「・・・・・・」
碧は黙って聞いている。
「だって私たちは、みんなでやって来た。だったら、その決断はみんなで決めるべきです」
「でも、たまちゃんは起きないのよ」
「いえ、環さんはきっと目覚めます」
綺羅々は真剣な眼差しで静を見た。
「・・・・・・私だって、そう思うよ。だけどそれをたまちゃんに決めさせるのは辛くて残酷だわ」
静は目に涙を浮かべている。
「・・・いや」
碧は続けて、
「環は強いよ。それにちぇんじまいらいふは皆のちぇんじまいらいふだ。みんなで決めよう」
彼はそう言いやるべき事を、そして一縷の望みを持って彼女たちは練習に励んだ。
それでもっ。




