№6 ちぇんじまいらいふPV撮影
そりゃあ。
あの伝説の初ライブが、たまたま市民のひとりがスマホで動画撮影しそれがSNSで拡散され意外にも反響を呼んでいた。
これ好機と観光協会会長と、環父和志は、客寄せパンダよろしく、メンバーの歌に合わせて柳川PRの動画を撮って、YouTobe動画にあげようという話が持ち上がった。
メンバーは二つ返事だったが、碧は新しい曲を作る為、しばらく待って欲しいと日にちを先延ばしにしていた。
YANAGAWAでちぇんじまいどりーむ 作曲AО 作詞CМL
さあYANAGAWA行こうよ
さあYANAGAWA行こうよ
レッッゴーアクセス
車でも電車でもバスでもよかとこやんけん
きてみんしゃい 水の街で水郷やん
どこか懐かしい昭和みたいな感じ
感じる風はフィール・ソー・グッド
(GOODですね。いいですね~)
ラララララ
柳川 水の街
ラララララ
柳川 うなぎのせいろむし
ラララララ
柳川 川下り
ラララララ
それぐらいしか思いつかないけど
(自虐だね)
МC
環 じゃあ、せっかくだから柳川の魅力教えるね
静・綺羅々 教えて教えて
静 うなぎ(知ってる)
環 川下り(も知っている)
綺羅々 御花
環 柳川海苔
静 越山餅、有明漬け、ゆずすこ、うなぎの骨
綺羅々 さげもん(ガールズ)
環 三柱神社(あっ戦国浪漫)
静 日吉神社(神前式に花嫁舟)
綺羅々 ああ立花11万石の城下町
環 小麦、米、大豆、あまおう(農業も盛ん)
静 老舗のお店いっぱいあるよ(ですねですよ)
綺羅々 沖端うなぎ屋さんいっぱい(だよね)
みんな とっても大好き(とっても)
みんな だいだいだいだい大(無限大)
みんな 好きから
さあYANAGAWA行こうよ
さあYANAGAWA行こうよ
YANAGAWAでちぇんじまいどりーむ
博多行ったついでに
大宰府行ったついでに
叶えたい思いがあるなら
イッツ・クール・カントリーシティ
(思い出の町は夢かなえる町)
さあYANAGAWA行こうよ
さあYANAGAWA行こうよ
YANAGAWAでちぇんじまいどりーむ
撮影日は絶賛梅雨時のどんよりとした曇り空だった。
午前中に柳川の名所、名跡、名物を巡りPVを撮影する。
沖端、御花、へそくり山、うなぎ屋、海苔、さげもん等々、順調にこなして、ラストに川下りの情景の撮影となる。
乗船場へとやって来た、ちぇんじまいらいふの面々は、スタッフや乗船客へ丁寧に挨拶をする。
「よろしくおねがいしまーす」
乗船場に舟を係留し3人を待つ、茜は曇り空を見上げた。
「こりゃ来るな」
彼女そう呟くとはデッキの下に備えたレインコートを確認した。
「今日はお願いします」
環たちは一礼をし、舟に乗り込む。
「いらっしゃいませ」
茜はチラリとご当地アイドルを一瞥した。
赤絨毯を敷いた舟の中で、音楽を流し、3人は踊ろうとする。
「あの舟の中で立つと危ないので」
茜は注意する。
「あ、そうなんですか」
スマホで動画撮影をしようと構えていた碧は思わず言った。
「あなたたち柳川市民でしょ。なら当たり前でしょ」
「ああ、なんかすいません・・・そっか・・・じゃあ、3人は座ったままでリズムに合わせて左右に揺れようか」
「はーい」
「はい」
アイドルたちの返事の後に、茜はレインコートを碧に手渡した。
「ん?」
「降るよ」
「へ?」
曇天の曇り空からぽつぽつ雨が降り出した。
「今日曇りって言っていたのに・・・」
静の嘆きに、
「まあ、天気予報はあてにならんこともあるし、第一今、梅雨でしょ」
そうこうしている内に雨は、ぽつぽつからザーザーと本降りとなる。
3人はレインなコートを羽織り、碧はスマホを構える。
「雨もまた乙、みんな笑顔でっ!」
「はいっ!」
(プロ根性だねぇ)
茜は地元アイドルに感心して心の中でそう呟いた。
雨粒が掘割に叩きつけられ、周りの音がかき消されてもご当地アイドルを乗せた舟は進んでいく。
梅雨だもの。




