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No.3伝説の初ライブ

 ちぇんじまいらいふ初ライブ。


 イベント当日、三柱神社高畑公園に野外の特設ステージが作られ、ご当地アイドルユニット、ちぇんじまいらいふの3人はガチガチに緊張して待機していた。

「大正琴演奏会がもうすぐ終わるぞ、俺たちの出番は次だ。準備はいいか」

 碧は言う。

「倉野君はでないくせに偉そうね」

  静は嫌味っぽく言う。

「・・・・・・」

「あ、でも、しーちゃん、アオちゃんも足が震えているよ」

「ですね」

 環の言葉に綺羅々は笑って続く。

 頭をかく碧に皆が笑い、その場が和む。


 が、

「ご当地アイドルさん!そろそろ出番です」

 係のおじさんが皆に声をかける。

「ちぇんじまいらいふだぞ!」

  碧がそう言うと、環はぽんと彼の肩を叩いた。

「みんな」

 彼女は右手を差し出す。

「うん」

 四人は円陣を組み手を重ねる。

「私たち、運命を変えるのはっ!」

  環の叫びに、

「ちぇんじまいらいふっ!」

  皆で声を合わせ、天を指さす。

「さあ、いこう!」

  碧はパンパンと手を叩き送り出す。

 3人の新アイドルは輝くステージへと走りだす。


 ステージに駆けあがった環は、

「みなさーん、こんにち・・・は?」

 固まってしまう。

 会場には3人のおじいとおばあが手を叩いている。

「あ」

 と、静は察する。

「環さん、静さん、しっかりここからが・・・」

 綺羅々は二人を鼓舞する。

「ちぇんじまいらいふ!」

 我に返った二人は、とびっきりとアイドルスマイルを魅せる。

「Go!Go!Goっ!」

 碧はステージ袖で、皆に見えてない中でも何度も拳を振るい励ます。


 環は視線は前を見据え中央に構え、少し下がった左に綺羅々、右に静がポジションをとる。

「今日は柳川が生んだ御当地アイドルちぇんじまいらいふ爆誕デビューライブに来てくれてありがとうございます!それでは聴いてください「柳川旅情」」

 持ち歌が一曲しかない、御当地アイドルは柳川の御当地ソングを歌いはじめる。

「柳川音頭」「柳川おだん節」と一通りの演歌系の渋い定番曲を歌い終えた頃には、中年からお年寄りがそこそこ集まってきた。


 3人は徐々に増えてくる観客に、喜びを覚え、次なる歌を繰り出す。

「みんなー集まって〜北原白秋先生の歌だよ」

 静は恥ずかしさを微塵も出さず、大きく手を振って呼びかける。

 「雨ふり」「まちぼうけ」「ゆりかごのうた」「あわて床屋」「この道」と北原白秋作詞の名曲のオンパレード、当然かってしったる懐かしいメロディと心に刻まれたソウルソングに柳川市民は集まってくる。

 特筆すべきは人を寄せつけるメインボーカルの環の歌声だった。

 アイドルした可愛いらしい歌声の中に、芯なる力強さと惹きつける魅力があった。

 それに童謡に合わせた可愛いらしい3人の振り付けに、子どもたちはみな真似をし、ライブは異様な盛りあがりをみせる。


 折しも雨が降りだす。

 通り雨だと誰もが思う、ピーカン天気、狐の嫁入り中、雨足が強くなる。

 熱唱するちぇんじまいらいふ。

 歌の途中で、環は顔の肌一部が剥がれるのに気がつき、歌唱が止まる。

「たまちゃん」

「環さん」

 静と環が声をかける。

「・・・・・・」

 完全に固まる環、

「環、諦めるなっ!」

 碧は絵美製作のちぇんじまいらいふのガウンを投げた。

 ふあさっ。 

 環の頭にガウンが被さる。

「止まない雨はないっ!いけっ!ちぇんじまいらいふっ!」

「うん!」

 環は力強く頷き、歌い続ける。

 すると、たちどころに雨は止み、空に大きな虹がかかった。


 そして、会場が満員の中、環はそっと息を吸い、

「みなさん、ちぇんじまいらいふの初のライブに足を運んでくれて、ありがとうございますと、これからもよろしくお願いします。それでは最後の曲となりました。私たちの曲「Change My Lifeちぇんじまいらいふ」です」

 

 彼女たち、ちぇんじまいらいふの伝説が今、幕を開ける。


 みんなの心を揺さぶり、ぶっ刺さされっ!

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